シャンティ・フーラのブログ

アーカイブ: 連載と寄稿

Vol.8 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます
~ログの設計(3)~

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Vol.7からの続きです。


設計でもっとも大変だったのは、窓サッシが1ヶ月以上決まらず、立面図作成が進められなかったことでした。

木製サッシにしたいと探し回りましたが、日本のものは高額で手が届きません。
(多くのメーカーのログキットには、ペアガラスの木製サッシが入っています!いいな~!)

ヨーロッパは木製サッシが豊富で安価だったため代理店を通して購入することを考えましたが、船便の送料が高いこと(ログ材と同時発注なら安く買える!)やサマーホリディにかかると納期が長くなることからあきらめました。

窓サッシは、カタログ価格と見積額が大幅に違うため、たくさんのメーカーに見積もり依頼をするのも時間がかかりました。
結局、予算と結露対策から国産の樹脂サッシに決めました。木製サッシの半額以下でした。

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窓サッシが決まった後、設計図を完成させて、木材加工を依頼する会社へ見積もりを依頼しました。すると・・・、予算オーバー!!!

私はちょうどその前に「小さな家」の取材に行っていました。そこで見聞きした話しから、合板を使わず、すべて無垢にこだわり、家の構造に関係する木をやや厚めに・・・、とさまざまな要望をいれたのも予算オーバーの理由の1つでした。

最終的には、天井の高さを少し低くすることと、ウッドデッキ作成を先延ばしにすることにして、注文する木材の量を減らしました。
これでなんとか予算内に収まって、予定通り7月初旬にログ材の発注が完了しました。

◆コストアップしたけど、合板ゼロ住宅はいい!

我が家は「小さな家のお話し」から得た情報で、合板を使わないことにしました。
建築中に強い熱気や雨風にさらされる構造材を目にし、この重要性はよく分かりました。

例えば、屋根材の下地材になる野地板。
合板ゼロ住宅が少しずつ増えていても、まだまだ野地合板を使うのが主流のようです。

野地合板は厳しい暑さや湿気などで接着剤が痛み、ボロボロになることがあるそうです。また、接着剤から放出されるホルムアルデヒドも心配です。

野地合板と比べると、無垢材の野地板は1枚の面積が小さいので施工に手間がかかりますし、材料費が少し高額になります。

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ですが、野地板は耐久年数が長いそうです。天然の木なので、調湿作用があるのも安心です。

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我が家は、杉材・厚さ15mmの野地板にしました。

これから家を建築したり、リフォームをされる方は、ぜひ事前に「小さな家のお話し」をお読み頂きたいです。

なお、ログ代金の支払いは、発注時に半額、材の到着前に残金の支払いとなっていました。

このころには、ログ材が届いたらすぐに積み上げ作業に入られるように、造成や基礎の準備、ボーリング(地下水)なども着々と進んでいました。

◆追伸

いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。

現在の夫の本業はまったく別の分野で、建築設計の勉強をしていたころからずいぶんと経っています。自分たちの家なので、自分たちの責任でなんとか設計・施工しています。

建物の設計依頼を請けることや個別のアドバイスなどは、現在の私たちではでき兼ねる状況です。

経験した失敗談・成功談やどなたかの役に立つかもしれない情報は、この記事の中でできる限りお伝えしたいと思っています。

はじめての建築で、試行錯誤の毎日です!プロの方が首をかしげることや気付いていない失敗もあるかもしれません。その辺りも含め、ひとつのセルフビルドの例としてお読みいただけると幸いです。

これからもよろしくお願いいたします。

◆ お願い ◆

ログハウスの見学・訪問・家探しなどは、なにとぞご遠慮ください。
ログハウスの場所は非公開としています。見つけた方や場所をご存知の方の情報開示はお控えいただきますようお願い申し上げます。

ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

Vol.7 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます
~ログの設計(2)~

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Vol.6からの続きです。


設計時、夫がもっとも注意していたのは家の強度でした。
建築基準法を目安に考え、設計していました。

丸太組工法に関する建築基準法の一部をざっくり・分かりやすく言うとこんな感じだと思います。

「ノッチで囲まれる耐力壁線の間隔の最大値は、長さが6m以内、広さは30㎡以内であれば構造計算は不要。」

耐力壁のことを考慮して、大きな窓は1箇所だけにして、あとは大きな窓は控えました。

ログハウスは、ノッチ部分で1本1本のログ材が強固にかみ合っています。
設計時、家の強度を気にしていた夫ですが、ログが組み上がった後は安心していました。

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ログハウスは地震に強いと言われますが、構造を見るとそれがよく分かります。

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「小さな家のお話し」の中で竹下氏がアドバイスをしているように、マシンカットのログハウスは精密に設計しておく必要があります。ドアや窓サッシの位置や大きさ、電気線をどこに通すかまで決めておかなければなりません。 その設計図をもとに、機械がプレカットするためです。

実際に届いた木材は、設計図そのままに、1つのミスもなく精密に加工されていました!

部屋と部屋の間の間仕切り壁は、ログ材のところもありますが、一部は2×4工法にすることにしました。

間仕切り壁(ログ材でないところ)に配線を通す場合は、事前のプレカットが不要です。そのため、施工中の配線類の変更・追加が可能になります。

ログ材は家の構造体になるため、できるだけ電気穴を開けたくないと夫はいい、さらに施工も楽なため、可能な限りは間仕切り壁に配線類が入るように考えました。

配線だけではありませんが、ログが積み上がると設計時には気付かなかったことがいろいろと出てくるものでした。

◆セトリング対策

セトリング対策は、ログハウスで忘れてはならない重要事項です!

ドアや窓サッシ、配管設備、屋根・天井など さまざまなところでセトリングを考慮して設計する必要があります!

『乾燥による一本一本のログ材の収縮とログウォールの自重により、ログ壁の高さが徐々に低くなる現象のこと。セトリングは施工中から発生しはじめ、落ち着くまでに建築後、数年かかるといわれており、壁の沈下する幅や落ち着くまでの期間は、もともとのログ材の乾燥の程度、樹種などにより異なるが、3~5年といわれる。(Weblio辞書 セトリングより)』

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Vol.6 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます
~ログの設計(1)~

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Vol.5からの続きです。


ログキットを使わずログ材を木材加工会社へ直接発注することにしたため、ログの設計から自分たちで行うことになりました。夫は昔に建築士の資格をとっており、ネットを使って調べながらなんとか設計ができました。

建設確認申請が不要な地域だったことは、自主設計・セルフビルドには気持ち的に安心でした。

建設確認申請が必要なエリアであれば、ログ材選びから注意が必要です。
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仕事の調整をして、8月後半からログ建築に入る予定で動きはじめました。そのためには、設計を2ヶ月で行い、7月にログ材の注文をしておかないといけません。
夫は仕事が多忙なときだったので、寝る時間を削って、でも楽しんでログ設計を行っていました。

私は「設計は間取り図を書いたら終わり~!」くらいに思っていました(世の建築士さん、ごめんなさい)が、そんなに簡単ではないことがよく分かりました。

建物の安全性や耐久性、暮らしやすさを考慮しつつ、配管や設備、建具を決め、光の取り込みや空気の流れを考える。さらに美しいデザイン性も兼ね備える。
それらをもとに、ミリ単位で細部まで描いた複数の設計図を作成する。

数学的であり、芸術的なセンスも必要!
竹下氏が、なぜ設計が得意なのが、よーく分かりました!

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夫は2階建てかロフトのある天井高の高い家を希望していましたが、自分で設計することになった際に、設計がしやすい平屋にすることにしました!

平屋になった理由には、セルフビルドしやすいこともありました。
外装を終えた今「平屋でよかった……」と実感しています。平屋でも高所の作業をおそるおそるやっていましたから!

建物の広さは、注文住宅としてはやや小さめの22坪です。私たちの体力でのセルフビルドでは限界の大きさでした。

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あとになってから、ログハウスは竹下家のようにお風呂や小部屋を別棟で建てるというスタイルがいいと分かりました。(事前に聞いていたのに、実際に動かないと分からない5種!)

湿気が多いお風呂を別棟にしておけば、もしもお風呂のログ材が腐ってもそこだけの建て直しができるので安心です。また小さめのログハウスが複数ある方が、メンテナンスを分けて行えるので1回の作業負担が少ないだろうと思います。

もし土地の広さや時間的に余裕があれば、納屋や子ども部屋になるような小さいログハウスを先に作り、そこで休憩や宿泊しながら本宅ログハウスのセルフビルドができるといいと思います!

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Vol.5 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます ~土地探し(2)~

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Vol.4からの続きです。


土地を見た不動産屋さんは「見てみたらよい土地だった!」「意外と造成にはお金がかからないかも」との見解でした。

私はすぐに気に入りました。翌週末にも見に行き、それから数日 夫は考えていましたが「希望エリアではないけど、それが気にならないほど気に入った!」とのこと!!

これまで数年間 ネットの不動産情報(主に中古物件。たまに土地情報)をチェックしていたので、うちの予算で、これほど気に入る土地はなかなかないことも理解していました。

また、これまで10回ほどの引越し経験で「二人がパッと気に入った物件は、問題がない!!」という思い込み(?)も、土地決定の安心材料となりました。

不動産屋さんが価格交渉をしてくださり、予算より少しオーバーでしたが、この土地に決めました。

<土地を見に行って確認したポイント>

◆土地の形状、起伏、地盤の硬さは?
→木の伐採と土を削っての造成が必要。土木に詳しいご近所さんによると地盤はしっかりしている山とのこと。(山林の造成費用と、起伏のある土地の造成が必要)

◆環境・気候
→近隣に住んでいる人たちから情報を得て、判断。
県が出している土砂災害警告マップはしっかりチェック!

◆近隣のお店や交通の便は?
→だいたいの食品が近所で購入できそう
車は必須!歩ける範囲にバス停あり。

◆ご近所さん
→土地を見に行った際、山がつながっているお隣の方と偶然 お会いする。
笑顔がすこぶるステキな80歳の紳士!土地選びの最中にご近所の方とお話しできてよかった!

◆ライフライン
→ガスはプロパンガス。
 上下水道が整備されていないため、井戸掘りと合併浄化槽の設置が必要
(結果的に、多くのお金がかかることに!)

※まずは役場で上下水道が通る計画の有無を確認してから、井戸・浄化槽工事をするのがよいようです。

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購入した土地は、日当たり、地盤、騒音など建築・生活面の問題はありませんでしたが、コスト面では想定外なことがありました。

購入後に町の土地が隣接していて、想定していたより大きな造成が必要だと分かりました。他にも地下水が出にくい地域だとあとから知りました。

結果的には、やや多めの造成費やボーリング代がかかりました。
「安い土地には理由があるから、造成やインフラ整備でプラス数百万はかかりますよ」というログメーカーの営業さんの言葉は当たってしまいました。

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私の場合は、数年間 中古物件を探している間に、生活したい環境や暮らしが具体的になりました。この期間があったからこそ、自分達の生き方にあう土地が見つかり、ログ建築につながったと感じます。

3年前、経済崩壊を気にしている私に対して「こういうものは時期があるから焦らないようにね」とパータさんが声をかけてくれました。

家族と意見が合わないとか、妥協点がいっぱいあるとか……スムースにものごとが進まないときにムリに動かなくて良かったと思っています。
これから不動産取得を考えられている方も、ご家族皆さまにとって、最善の時期に、最良の場所が見つかりますように!

土地が決まったあとは、ログ設計と土地の造成を平行して考えていくことになりました。

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Vol.4 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます ~土地探し(1)~

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Vol.3からの続きです。


建物の検討と平行して、土地探しを行いました。
土地に使えるお金はあまりなく、世の中に出ている土地価格の最低ラインで探しました。便利な場所や人気エリアは買えません。

私は水と空気がきれいな自然豊かなところ。夫は交通の便がそこそこいいところを希望していました。

夫婦ふたりの希望はかみ合っていなかったことと予算の関係で、広い範囲を探していくことにしました。

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土地探しの時に、気を付けておきたいポイントはいくつかあると思います。

まず、都市計画法による区分です。
市街化調整区域の場合は、原則的に住宅を建てることができません。
また、建築基準法の防火地域、準防火地域の指定の有無によっては、ログ材の厚みの選択が変わってきます。

他にも、土地が抵当権に入っていないか、購入前の地盤調査(地盤改良の必要性)など、事前に法務局へ確認に行ったり、不動産屋さん等に確認・相談しておくと安心です。

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当初、施工を検討していたログメーカーさんが教えてくれた土地情報と、ネットの不動産情報を元に、売りに出ている土地を2週に分けて見て回りました。

土地を見に行くと、近所の住宅から騒音とも言えるほどの大きな音楽が聞こえてきたり、近隣にゴミがたくさん置かれていたり・・・。
期待していた土地であっても、実際の土地を見てみないと分からないものでした。

土地探しの途中で、過去に売り地になっていた物件を思い出し、つきあいのある不動産屋さんに確認してみました。

すぐに、詳細情報を取り寄せてくださったのですが「莫大な造成費が必要になるだろうから、ここはやめた方がいい」と言われてあきらめかけたのですが、その翌日「やっぱり見るだけ見てみましょう」と再連絡があり、とりあえず行ってみることになりました。

◆不動産仲介業者

私たちは信頼できる不動産屋さんを知っていたので、その人に協力依頼をしていました。信頼関係が築けている人だったので、プロの視点からさまざまな意見がもらえて助かりました。

物件を探しているといろいろな不動産業者と接していくことになりますが、そのときに信頼できそうな人を見つけたら、その人に希望を伝えて 物件探しをお願いするといいかもしれません。

広いけど使い勝手が悪そうな形状の山林。山の中を歩いてみても、木が生い茂っていたため見通しが悪く、広さや傾斜などを含め、どんな土地なのかは分かりませんでした。

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ただ、木々の合間からかすかに見える眺望は良さそうで、たくさんの鳥たちがさえずり、風がとても気持ちがよいところでした。

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