シャンティ・フーラのブログ

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【第6話】 17年前に建てた小さな家のお話
~竹下氏が設計に携わった家 ~

第5話からの続きです。


今度は本番のナディー・チャートです。当時は太陽のナディー・チャートだけでした。
方角にあわせてナディー・チャートを貼るのですが、方角によっては裏面が出ます。

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ナディー・チャートの方位に関する使い方

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ナディー・チャートを方位を合わせて、壁または床にはりつける場合、東北東にあたる壁または床の場合には外側の白が、壁の場合には下向きに、床の場合には南向きになるようにしなければなりません。

この場合の接地面は、裏面(白地)であり、部屋の中からは白色がみえることになります。
ところが次の東の方位の場合、ナディー・チャートをひっくり返してはりつけなければならないことがわかりました。従って東側の壁または床にはるナディー・チャートは、裏面の白地が部屋の中からみえていることになります。この場合に、壁の場合は下向きに、床の場合に南向きになる色は青緑になります。
(青緑色は壁または床に接しているので部屋の中からは見えません)

以下順次、ナディー・チャートを交互に表・裏とはるようにして方位にはることになります。
表には、
東北東の場合、表側に白がみえていること、
東の場合、裏側に青緑がくること
を示しています。

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部屋の中からみて、裏面の白地が見えてしまうのは残念ですが、現在の状況ではしかたがありません。白地が出ないようにする方法がありますが、ナディー・チャートに手を加えて加工せねばなりません。手を加えて白地をみえないようにするには余分にナディー・チャートが6枚(中)必要で、一度 ハサミで色をバラバラに切って、白地の部分にはりなおさねばなりません。

この方法を行う場合には、正しい色のはり方をお教えしますのでご連絡ください。

竹下

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せっかくなので色面を出せるやり方を新たに考案していただき、今度は12枚の内6枚の色をハサミでバラバラに切って貼りなおしてラミネートするという指示でした。

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色の境界線が混ざらないようにきちんと切って反対回りで貼りなおして作るのです。手が滑ってずれたり、貼っていくうちにずれていたりとかなり集中力がいりました。

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そして、いよいよナディー・チャートを壁に貼って先生に遠隔でチェックしていただきました。

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でも、完璧ではないとのことで、今度は床下にも貼る必要があるとのことでした。やはり最初のベタ基礎の害が響いているようです。
ここまで来たのですからやり遂げるしかありません。
床下に竹炭を敷き詰めていたので、取り替えるための出入り口を作っていました。そこから床下に入って作業するしかありません。でも、問題はその中に入れる人がいないのです。

床下の高さが低いので、小人さんに頼むしかありませんが・・・いました!我が家の一番下の子が小学生でどうやら入れそうでした。ただ心配なのはちゃんと正確な方角、場所にナディー・チャートを貼ってくれるかということ。
もう、彼を信じるしかありません!

床下の図と貼る位置、ナディー・チャートの順番・・・1枚ずつ息子に場所を伝えて懐中電灯を持たせて床に入ってもらいました。床の上からたたいて合図を送ったりしました。どちらも必死です。12枚貼り終わった時は息子を抱きしめていました。後は効果をチェックしていただくだけ。

ドキドキしながら待っていると・・・OKとのこと!
「でかした息子!」と飛び上がって喜びました。

現在は、ナディー・チャート風水が完成していますので、この記事のような方法をとる必要はありません。

(シャンティ・フーラ)

第7話へ続きます!

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「小さな家」をご存知の方もおられると思いますが、管理人様に無許可での情報開示はお控えいただきますようお願い申し上げます。

ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

【第5話】 17年前に建てた小さな家のお話
~竹下氏が設計に携わった家 ~

第4話からの続きです。


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その他、布団、ゴミ箱、ソファ、本、鏡、調味料・・・細部にわたって吉の方角を教えていただき当てはめていきました。

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最初は途方に暮れるくらい大変な作業でした。
でも、やり始めたらとても合理的に収まることに驚きました。又楽しくなり、夢中で配置していきました。

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何度か修正を加えて先生からOKが出たときはとても達成感がありました。そして物事のエネルギーの調和が整うということは結局、使いやすくて合理的になるものだと実感しました。

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(アドバイスは、第4話からの続きです)

次に、業者の図面を見て 少々不安を感ずるところがあり、以下にそれを記す。

(1)西側の南寄りに窓が描かれており、これは誤りである。

(2)玄関、窓の正確な大きさと位置が図面の中に数字で記されていない。

(3)コンセント、電灯の位置が図面の中に数字で記されていない。

(4)床からロフトまでの高さが記されていない。(高い方がよい。最小でも2500(mm)は必要で、出来れば2700(mm)は欲しい)

(5)ロフトから天井までの高さ、最も低いところ、高いところがいくらになるかが不明である。

これらは早急に業者に問い合わせて、正確な位置を計算してもらう必要がある。
ログ材はコンピューターによって あらかじめ、玄関、窓の位置を切っておくだけでなく、電気コードを通す穴やダボの穴も機械によって先に加工してしまうため、図面上に数字で正確な位置が描かれていないと加工できないはずだからである。玄関、窓は特に線上にかかってはいけないので 正確さを要求される。この部分を特に業者の方にお願いする必要がある。

さらに少々気付いた点を記すると、

(1)基礎に12個の穴を開けたため、湿気対策として適切な量を袋づめした炭を敷きつめることが考えられるが、それらの取り替えをするために、人が出入り出来る穴が基礎部分に必要である。

(2)床下や屋根の部分に断熱材を入れるのか、否か。

(3)入れる場合、特に、天井部分の結露が問題となる。
天井部分の防腐処理は、一般に業者は行わない。
(床下の部分は部分的に行われている)ので、こちらからお願いした方がよい。

(4)夏場のロフト部分は、特に暑くなるので、ロフト(南側)部分には、窓と換気扇が必要である。

(5)丑の方位(エアコンをつける位置)の天井の部分にシーリングファン(天井からつり下げ式の大き目の扇風機)が必要と思われる。その位置を図面に記してもらうこと。

(6)屋根材は何か。通常はアスファルトシングルかウッドシングル、セメント系スレート、鉄板などが用いられるが、○○県の夏の暑さを考えると、アスファルトシングルなどは屋根に直接熱を伝えてしまうため、特にロフト部分が暑くなる。業者とよく対策を話し合って欲しい。

以上の中で、特に、玄関、窓、コンセントの位置は早急に業者と話し合って、正確な図面を作ってもらうこと。
木材を加工してしまってからでは、取り返しがつかないからである。

かくも不正確な図面しか用いず、正確な方位を割りふった加工ができるとすれば、それは天才的というべきである。この部分は特に注意してもらって欲しい。

以上、とり急ぎ用件のみ

竹下雅敏

第6話へ続きます!

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【第4話】 17年前に建てた小さな家のお話
~竹下氏が設計に携わった家 ~

第3話からの続きです。


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だいたいの基礎ができたら今度は内部です。
長方形のシンプルな設計図に方位を書き、その方位に合った玄関、窓、キッチン、トイレ、洗面台、電気配線、電気の位置を決めました。

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前略

図面を拝見して、建具、家具の基本的な配置はよく出来ていると思います。
各々の質問に対する解答は電話で話しましたが、もう1度、ここに記しておくことにします。さらに業者の図面を見て、少々不安に思うところがあり、その意の確認を早急にしてもらいたいと考えています。

(1)大黒柱の方位は、
 ◎ 寅、巳
 ○ 丑、午、申、戌
となり、図面上の位置でよい。

(2)ソファー、テーブル、長椅子、安楽椅子は、同様の方位と考える。

(3)スピーカー、テレビ、冷蔵庫は電気製品であり、電灯、コンセントと同様の方位と考える。従って、図面上の位置を少々考えなければならない。

(4)物置きは、ちりとり、ほうきと同様の方位をとるため、一階 階段下の物置は、午の方位に入る必要がある。従って 階段のほぼ中央から南側のみを物置にするのが望ましい。そのため、図面を正確にとり、物置の奥行きがいくらにとれるかを調べる必要がある。

(5)2階の収納庫はやめた方がよい。ロフトから天井の高さが不明のため、現実問題として収納庫として使えるかどうか疑問がある。

(6)2階の部分の方位の中心は、図面上に示した。これは数学的に作図により求めたものであるが、厚紙を切って実験することでも この位置がほぼ中心であると考えられる。
しかし、階段部分の長さが現実にはどの位になるかが図面上記されておらず、不明であり正確さを欠く。

(7)方位を書いた図面は、1/60の図面を拡大コピーしたものであるため、縦、横の縮尺にずれが生じている。
コピーは相似拡大ではなく、斜影による拡大だからである。正確な北の方位が図面に記されていないため、2階ロフト部分の方位も同様にずれが生じていると考えられる。恐らくその誤差は、角度にして1°から2°の間と思われる。従って2階の電灯、コンセントの位置はそのずれを考えに入れて、確実に安全な位置を図面上に記するべきである。

(8)北側(ロフトでない方)の高い窓は、1階、2階の両方のいずれにも吉方位であるため、図面上のこの位置でよい。

以上が質問に対する答えである。

(アドバイスの続きは、第5話で紹介します)

第5話へ続きます!

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【第3話】 17年前に建てた小さな家のお話
~竹下氏が設計に携わった家 ~

第2話からの続きです。


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まずは建物の正確な方角、周りの建物、川などの状況をお伝えしました。その時初めて方位磁石を使ってドキドキしました。

奥様の泰子さんを介して細かい指示が送られてきました。
プロですか?というような図と解説つきでした。

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まずは土台です。 敷石に柱を乗せる工法ですが、これが難問でした。
は地盤が豆腐のように柔らかいので無理だと業者さんが言うのです。この地域では認められないとのことでした。

ベタ基礎では効果がないので譲れないということで協議を重ねて、結局コンクリートのベタ基礎に穴をあけるアイデアで収まりました。
最初は穴も少なかったので「だめ」ということでかなりの穴を開けました。 そして、北側に2坪拡張して、その部分の基礎は束石を使いました。
やっと先生からOKが出ました。

そのあとは湿気通気対策、柱の上下、根太と垂木のサイズ、木の組み方、釘の打ち方、断熱材の入れ方。コーキング、防腐処理に至るまで細かな指示がありました。

床板は28ミリ以上必要だということでしたが、これは間伐材の松が35ミリもあり、褒めていただけました。

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以下に、いくつかの注意点を示しますので、業者とよく話し合って下さい。

(1)土台について

通常のログハウスは、布基礎のコンクリートの上にアスファルト・ルーフィング(紙あるいは布にアスファルトをしみ込ませたもの)を敷き、その上に土台(防腐処理をした角材)を乗せ、その土台の上に1段目のログを乗せていく。
これは、コンクリートが湿気を吸うので、1段目のログを腐朽から守るために行うのだが、業者によっては、この土台を置かないことがあるのです。これは、ログの耐久性を著しく損なうので必ず土台を置いてもらうこと。

また、「小さな家」の場合は、特に基礎の高さが30cmと低いので、高さの確保のためにも土台が必要です。この土台を据えるときの注意点ですが、図(ロ)のように必ず土台は布基礎よりも0.5mmから1mm外に出なければならない。これは雨が土台部分に当たった際の水切りをよくするためです。 基礎がでたらめであると、この部分がきっちりと出来ない可能性が高いので、よく業者に注意を出しておき、出来ていない場合はやり直させること。

(2)炭を床下に入れることについて

床と断熱材受け板の間に、炭を入れるつもりだと思いますが、この部分では、必ず結露が発生する。炭が水分を含んだ場合、逆に周りに湿気を供給してしまう。この部分に炭を入れることは疑問がある。この心配はないのかどうかを業者に確認して欲しい。

(3)断熱材について

床下と屋根に断熱材(最低100mmは必要。できれば150mmあればよい)をいれると思うが、図(ハ)のように断熱材は、床板、あるいは天井板に密着して、断熱材受け板側や野地板側には空気の層が必要である。この空気の部分が断熱性を高めるのである。ところが床部分には直接断熱材を置いてしまい、天井部分は野地板に直接タッカーで打ちつけてしまうという施工が多いので気をつけて欲しい。

(4)根太と垂木のサイズについて

根太、垂木の双方とも、50×150(mm)(通常は、50×50(mm))あればよい。断熱材の項でも記したように、厚い方が断熱効果が高く、結局のところ、省エネになるからである。

厚い断熱材を入れられるように、このサイズが必要なのである。また、屋根の断熱は、冬の寒さもあるが、むしろ夏の天井からの熱気を防ぐ意味の方が高いと考えて欲しい。
ただ、このサイズは日本では贅沢なので、業者とよく話し合って欲しい。

(5)ログウォールについて

先にも記したように、雨の当たる面だけでも、カンナがけをしてもらった方がよい。ログウオールは、強度からも防腐面からも中心材が確実によい(図(ニ)を参照)
また、ログ幅は断熱性の面から、9cm以上あるのが望ましい。

(6)玄関部分について

図面を見ると、室内に玄関部分はなく、くつはテラスで脱いで、くつ箱にくつを入れるようになっていると思われる。この場合、雨が強く降ると、玄関先のくつも、くつ箱のくつも、すべてを濡れることを考えておかねばならない。玄関部分には、部分的にテラス屋根が必要と思われる。

(7)天井板について

天井板は、通常、図(ホ)のように、スクリュー釘で垂木に垂直に打ちつけてゆくものだが、図(ヘ)のように打つと、全く釘を表面に出さないで美しく仕上げることが出来る。出来ればこの方法で天井板を打ってもらうとよい。

(8)床板と野地板について

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床板のサイズは、28mmあるとよい。通常は10mmから15mmであるが、床板としてはこれでは厚みが足りないので、根太の上にコンパネ(厚めのベニヤ板)を打ちつけ、その上に床板を乗せる方法をとっている。これは安く仕上げるためであるが、コンパネは湿気に弱いので出来れば使わない方がよい。

また、野地板も図(ト)のようなちゃんとした物を使うべきである。
出来れば断熱性のため、より厚い方がよい。安く仕上げるために野地板としてコンパネを使うことが多いが、先にも記したように、屋根は結露の生じる部分であり、湿気に弱いコンパネは使うべきでない。

(9)屋根材について

屋根材は前の手紙に記したように、断熱効果の高い材を使うべきである。

(10)面戸板について(図(チ)を参照)

面戸板の上部を必ず1cmから2cmあけて、屋根内部の通気性を確保しなければならない。また、この部分から鳥や虫の進入を防ぐため、内側から網をタッカー(大きめのホッチキス)で取り付けてもらうこと。

(11)垂木部分について

屋根内部の通気性のため、1本1本の垂木の上部数カ所に 直径5mm程度の穴を開けること。但し、妻側(北面と南面)のログに接する垂木に開けた穴から虫が入りこむので、この部分の穴を網で防ぐ処理をしてもらう必要がある。

(12)通しボルトについて

ログの4角、窓の上部(図(リ))に必ず通しボルトが必要である。中には通しボルトどころか、ログとログをつなぐダボ(図(ヌ))すら入れない業者もあるので注意すること。

(13)ノッチ部分のコーキングについて

図(ル)のログとログの重なりの部分に雨が当たると、ここから雨が中に侵入する。この部分にコーキングをしてもらうこと。

(14)防腐処理、防水処理について

防腐用塗料を安いものにすると、1年もたたないうちにカビが生えてくるので少々高くても質の高いものを使った方がよい。塗料は最低でも2回以上重ね塗りすること。

1年でカビが生えて、カビ処理と防腐処理を業者に頼むと10万円は下らないので、この部分は安く仕上げない方がよい。断熱材受け板や垂木、野地板、天井板の裏側には、防腐剤を塗るとよい。

(15)メンテナンスについて

ログは横方向に(繊維に垂直な方向に)縮んでくるので、3年から5年でログハウスの家の高さが5cmから8cm下がってくる。(セトリングという)
例えば、窓の部分の通しボルトなどは、時々 締め直さなければならない。また玄関部分のテラス屋根はセトリングに合せて高さを調整しなければならない。

塗料も3年に1度は塗り直さねばならない。これらメンテナンスのことを業者と話し合うこと。

以上の注意点は、出来れば全てを満たすのが望ましいが、日本の建築事情では少々困難であろうと思われる。天井板、床材の厚いものは、特に高価(輸入材では床材28mm 天井板15mmは標準である)なので、コストを下げるために厚みを少なくするか、合板で済ませることがほとんどである。

この場合、先にも記したように床としての厚みが足りないので、床板の下にコンパネを敷くのであるが、コンパネは湿気に弱いため、断熱材とコンパネの間に防湿シートをはるのが一般的な施工となっている。防湿シートは大地からの気の流れを遮断するため貼るべきではない。

そこで対策として、水分は通さないが空気の流通を妨げない特殊な加工をした紙(メモ書き:エアーシート)、またはシートを貼ることが考えられるが、かえってコストがかかるのではないかと懸念される。

問題はこれだけではなく、断熱材は通常片側に防水加工を施しているので、断熱材を敷くことで気の流れを遮断してしまう可能性が非常に高いという点である。従って、両面共に防水加工をしていない ただの断熱材を使った方がよいと思う。
ただこの場合、床下や屋根の結露対策について、業者とよく相談して欲しい。

私の考えでは防水加工の施していない厚い断熱材を正しくはり、床材を28mmのものを使えば、防湿シートは不要ではないかと考えている。もちろん床下(ベタ基礎のコンクリートの上)に炭を敷きつめることで湿気を防ぐのである。どのようにしても結露は発生するが、床下の換気が十分であれば、さほど問題にならないのであろうと思われる。(床下に換気扇をつけるのは、非常に効果が高いと考えられる)この部分を十分に業者と話し合ってもらいたい。

竹下雅敏

第4話へ続きます!

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【第2話】 17年前に建てた小さな家のお話
~竹下氏が設計に携わった家 ~

第1話からの続きです。 バナー

もうびっくりしました。

ナディチャートができて効果を試したいと思っていたところです。普通の家だと家族の要望や制限があるからやりにくいけれど、そのような建物なら好都合です。」との事でした。

こちらとしては願ってもないことで、嬉しさと同時に気が引き締まったのを覚えています。それからは「絶対に先生の設計通りに作る!」というのが私の命題になりました。

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問題は建設業者です。でも、幸いなことに作るいきさつをお話しして賛同してくれた業者さんでした。「そういう家なら自分も作りたいと思っていた。解体して出たキッチンもある。間伐材もある。壁は珪藻土より効果があるという某メーカーのタイルのモニターになって使わせてもらおう」などの提案をしてくれていたのです。

そして、先生とのやり取りが始まりました。

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前略

今回はログハウスの耐久性に関する注意点を指摘したいと思います。

ログハウスは高温多湿の日本の風土に合わないため様々な工夫が必要となります。ログは、木を縦ではなく横に使うので、木の繊維の方向に逆らうため、水切れが悪くなります。

そこで少しでも水切れをよくするために、少なくとも雨の当たる側の部分だけでもカンナがけをするべきなのですが、現実には業者は電動カンナだけで済ましてしまいます。電動カンナは木に紙ヤスリをかけるようなものなので、木の表面に細かい繊維状の物が残り、これが水切りを悪くします。
よりカビが生えやすくなるのです。しかし現代の建築家の実情を考えると手抜きだとばかり非難できない部分があるのです。

大工はまず、カンナの刃をとぐところからしなければならないわけですが、忙しい現代では、この時間が取れない。
そこで仕方なく、替え刃式カンナを使うのだが、1本の柱を仕上げようとすると、替え刃は1枚800円するので、大工さんの時間給すら出ないわけです。替え刃の代金は大工持ちなので、生活のために電動カンナを使わざるを得ないわけです。
(今の若い大工は、電動カンナが良くないということすら分かっていない)

よい仕事をしたいと思っている大工ほど、このことはつらいことだと思うのです。現代は、万事がこの調子なので、家の寿命は20年から30年というとてもひどい物になっています。

本当はこういう部分こそ、時間とお金(手間賃)をかけるべきだと思うのですが、安ければ良い。早ければ良いという現代の感覚には合わないのかも知れません。

しかし、少しの手間を惜しんで20年しかもたないボロ建築に何千万円もかける感覚は、私には理解し難いものがあります。おそらくこれは、人々が建築の実情を知らないためだと思うのです。私は誠実な仕事をするというのは、こういう部分で手を抜かないと言うことだと思うのです。

たとえば、宮大工はとてもよい仕事をするのですが、彼らは柱の上下の方向までもきちんと揃えています。すなわち、柱の幹の部分であった方をきちんと下にして使うのです。それだけでなく、南側を向いていた方をきちんと南側に揃えて使うのです。

こんなことは、どうでもよいように思われるでしょうが、実は、柱を逆さにして使うと、本当に気の流れが悪くなり、健康によくないのです。

宮大工はこういったことを現代に受け継いでいると思うのですが、彼らがもはや存続出来ないほどに現代の建築は混乱していると言えるかも知れません。

なお、小さな家は在来工法です。はじめ在来工法で業者に頼んでいたのでログハウスに替えることができませんでした。竹下先生にお聞きしたところ、このままで良いとのことでした。

第3話へ続きます!

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