シャンティ・フーラのブログ

[スタッフ日誌]第266回 身体が喜ぶダージリンティーをもっと楽しむ

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[スタッフ日誌]第266回 身体が喜ぶダージリンティーをもっと楽しむ

皆様、こんにちは。るぱぱです。

すっかり秋の空になりました。サツマイモ・栗・リンゴなどが出回りはじめる時期で、それらを使った美味しいスイーツの食べごろでもありますね。「身体が喜ぶ紅茶」でのティータイムが、いっそう楽しくなる時期ではないでしょうか。

さて今回は、身体が喜ぶ紅茶のダージリンティーをより楽しむ情報を提供したいと思います。

ダージリンティーは熟成を続ける烏龍茶

本物のダージリンティーは、分類上は紅茶なのですが、実質は烏龍茶です

紅茶は茶葉を酸化発酵させて作ります。この酸化を十分に行なったのが、アッサムティー。酸化を途中までに留めたのが、ダージリンティーです。酸化が不十分なダージリンティーは、烏龍茶となります。 (参考:「ダージリンティは烏龍茶? - お茶の専門店HOJO」

左:アッサムの茶葉/右:ダージリンの茶葉

酸化が不十分、ということは、製品化されたあとも発酵熟成を続けて、味や香りが変化していきます。特に当社のダージリンはファーストフラッシュ(春摘み茶)なので、もともと発酵度合いが低く、より熟成に適しています。

…実はあらゆる種類のお茶が熟成します。
(中略)
また、発酵度が低めのお茶ほど熟成した場合の変化が大きく、紅茶などでも、ファーストフラッシュのような発酵が低めのお茶の方が熟成に適しております。…

製造から1年半熟成したファーストフラッシュ2019

製品化されたあとも発酵熟成…とはいっても、単に茶葉を置いていたのでは香りが飛び、品質も劣化します。お茶の専門店の方は、酸素を断った密封状態での熟成を推奨しています。

…窒素充填或いは、脱酸素状態のお茶を常温で放置します。
(中略)
重要なのは、酸素が全くない状態で保管することです。酸素がないと、お茶は熟成されないと思われるかもしれませんが、それは違います。酸素が無くても、酸化は進み、お茶は徐々に熟成します。…

当社の商品は、インドから空輸した茶葉を開封後、すぐに脱酸素剤とともに密封性・遮光性の高いアルミ袋に少量ずつ包装し、常温保管しています。貴重な香りが逃げないという利点もありますが、熟成にとっても最適な状態のようです。

無酸素状態のダージリンティー

開封してからしばらくガマン

さて、長い間眠っていた茶葉を開封したときは、数日間空気に晒したあとに飲むほうがよいそうです。

…長期間熟成されたワインは開栓後すぐ飲むのではなく、暫く時間が経過した後に飲んだり、デカンタを用いてデカンティングを行うことで香りがより華やかに変化する場合があります。 (中略) 実はお茶に関しても同様の現象が観察されます。私の経験上、開封後、数日間〜1週間くらいおくことで、華やかな花やフルーツの香りが形成されます
(中略)
特に烏龍茶は水分が低めに押さえされているため、湿度の高い日に空気にさらすとより香りが強くなり、口当たりもやわらかくなります。

空気に晒すといっても、袋の端をちょっとだけカットして置いておくやり方がいいそうです。特に、他の容器に移したりして光に晒すのはNGで、劣化の原因なのだそうです。

袋の端を少しだけカット

実験してみた

空気に少し晒すことで、本当に味や香りが変わるのかどうか実験をしてみました。ダージリンティーを開封し、上の方法で空気に晒します。①開封したて、②数日後、③1週間後、の3つのタイミングでの、淹れたときの味や香りを比較してみました。

左:開封したて / 右:1週間経過

①開封したて

ファーストフラッシュのストレートな青い香りそのままという感じです。他の人に聞いてみると、「渋い」「香りに濁りを感じる」との声もありました。

なお、袋を開封したとたんに鼻にフワッとくるのは、久しぶりの青々しい香り。最初に茶葉が届いたときにくらべ、香り自体は健在であるように思います。

②数日後

ストレートな青い香りだけでなく、少し花のような香りが出てきた気がします。ひとことでいえば、"さわやか感"がアップしました。香りは、このタイミングが一番楽しめました。

味も少しまろやかな気がします。ただ、渋みは依然強めに感じます。

③1週間後

香りが落ち着いて紅茶らしくなりました。数日後に比べると、無難でおもしろくないと感じます。それでも、烏龍茶らしい良い香りは健在です。

また、渋みがとれて味がまろやかになりました。最初に「渋い」と言っていた人は、「まろやかで飲みやすい、渋みがなくなった。不思議。」と言っていました。

私の場合は、開封後数日間だけ空気に晒し、あとは再び密封するのが一番楽しめると思いました。皆様もぜひ、開封後の香りや味の変化を調べてみて、ご自分に一番合った楽しみ方を見つけてみてください。

また、今買った紅茶を、温度が低くならない場所(=熟成の進みやすい場所)で数年ぐらい保管してから飲むのも面白いかもしれませんね。ご自宅でビンテージ茶を製造するというわけで、特別な日に出したいような貴重なお茶ができるかもしれませんよ。

身体が喜ぶ紅茶で、秋の素晴らしいティータイムをお過ごしください!

◇ おまけのコラム:お湯の空気の量が大事 ◇

インドの方から、お湯に空気をたくさん含ませると、口当たりがまろやかになると教えていただきました。次のような方法で、できるだけたくさんの空気をお湯に含ませることができるそうです。

お湯は沸騰させる直前で火を止めたものを使う。
・上の写真のように、お湯またはお茶を注ぐときは、高い所から注ぐ

どちらかのポイントをご存じない方は、ぜひお試しください。

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