試聴映像
- 1. テーマ:神智学の理解のために必要な"三部の教え"
- 2. 女性原理が排除された"三部の教え"
- 3. ロゴスの半身とは
- 4. イエス・キリストの受肉や受難のグノーシス的解釈
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概要
前回は、グノーシスの『ナグ・ハマディ文書』の三部の教えという非常に重要な教えの概論を、大まかな全体図を掴まえる目的で、翻訳者の秀逸な解説の部分を取り出し説明した。今回は三部の教えの本文から、概論に添ってストーリー、あらすじを追いかけることによって、神智学のルーツを探る。
目次
1.導入 (00:00:00)
現代の宗教を語る上で避けて通れない神智学であるが、基本的用語の意味一つにしても他の宗教と違う概念を持つ。その神智学の宗教としての根拠をきちんと理解するため、発祥の部分であるグノーシスの神話から理解する必要性がある。虚構であり妄想ではあるが、その中に、後に繋がってくる重要な部分がある。
2.三部の教え(1)父(至高神) (00:05:31)
至高神、御子、教会についての考え方を読み解くと、プトレマイオスの教義の男性原理、女性原理という対の思想とは全く違っている事が分かる。この事から正統派キリスト教との関係性も推察できる。
3.三部の教え(2)父、御子、教会の意味と関係性 (00:09:34)
「独り子」の概念から「父」と「御子」の関係性が明らかになり、「教会」の理解にも繋がる。頭の中で作り上げた矛盾の多い教義に対し、現実的な解釈も試みる。
4.三部の教え(3)ロゴスとそこから生じた者たち (00:31:55)
物質的な世界が生まれる原因はロゴスの混乱によるもので、独特の概念による創造の様子が見て取れる。そしてグノーシスの神話の流れの不自然さは、女性原理を排除したことによる。三段階の人間のレベルについての考察は鋭く、共感できるものがある。
5.三部の教え(4)キリスト、救い主、イエス (01:00:05)
御子、キリスト、イエスに関するストーリー、そして哲学は、プトレマイオスの教義と全く違ったものであり、時代が下ってくるに従い折衷されてきたことがわかる。しかし、この三部の教えのキリスト、救い主に関する考え方の中に神智学が受け継いでいる部分がある。
終わり(01:31:09)
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参考文献
- 「ナグ・ハマディ文書Ⅱ 福音書」岩波書店
3件のコメント
どんなに噛み砕いて言葉で説明していただいても真から分かった様な気がしない難解な部分ですが、
例えをイラストで示し、面白いくらいに納得できる回になっています。
『あっぱれ!』としか言いようがありません。。
面白いです。。見事な解説ですっ。。
グノーシス教徒は、一番レベルの低い存在を「自分たち自身によって存在しており、始原を持たない者たち」だと考えているとのこと。傲慢さとレベルの低さ、謙虚さとレベルの高さは比例すると解釈しました。
久々に大声で笑いながら見ました。
絵入りなので、わかりやすいです。
一人で読んでいたら、おもしろくなくて投げ出していただろうと思います。