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概要
前回はニーチェの思想の全体像を示した。今回は「ツァラトゥストラ」をテキストとしてニーチェの思想のより細かいところ、そして彼の豊かな詩才・文才をも示す、国家などに対する非常に的確で見事な批評・批判を見ていきたい。
目次
1.ニーチェの思想:超人は大地の意義 (00:00:00)
ニーチェの思想は、多くの学者からスピノザとの近似性を指摘されているが、実際には禅(臨済)と同一であると前回触れた。その哲学的な根拠となる文章「感覚と精神は道具であり・・それらの背後になお『本来のおのれ』がある。・・君の肉体の中に、かれが住んでいる。・・」について、意識の展開図を用い、朱子などと比較しながら詳細に解説していく。
2.ラクダの精神から飛び出す勇気 (00:38:45)
前回見たように、ニーチェは精神の三様の変化をラクダ、獅子、子供にたとえ、子供の精神に達した者を超人と呼んだ。国家体制、世間体、常識の中に収まっているラクダの精神のままでは絶対に自由にはなれない。だが、ここを飛び出して獅子の精神に至るには勇気がいる。これに関する具体的な事例を見ていく。
3.国家批判1(主に政治) (00:47:52)
「国家は善と悪についてのあらゆる言葉を使って嘘をつく。・・国家が何を持っていようと、それは盗んできたものだ。・・」というニーチェの文章は、3.11 の大震災を経験した今の私たちには非常によく分かる。本章では、政治家が逆の意味で言葉を使うこと(風評被害=実害など)や、彼らと協調した「死の説教者(宗教家、御用学者・・)」の役割など、国家・支配層が国民を欺く手口について実例を交えながら語る。
4.国家批判2(主に経済) (01:07:36)
前章に続き「・・彼らは権力・・多額の金銭を欲する・・よじ登る・・この猿ども・・の狂気は、幸福が王座の上にあるかのように思い込んでいることだ・・」という文章を見ながら、グローバリズムや世界を支配する銀行家の手口などについて話していく。
5.虹へ向かって歩め (01:31:25)
「・・国家が終結するとき・・かなたを見よ・・あの虹を、あの超人への橋を。」という文章は、個人の精神の進化を促すだけではなく、現在の国の支配体制を変えていく事にもつながっている。
終わり(01:39:57)
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参考文献
- 「ツァラトゥストラ」ニーチェ著・手塚富雄訳、中公文庫
7件のコメント
いつも本論ももちろんですが、現実的な寄り道話も大好きで今回も楽しく拝聴させていただきました。どうもありがとうございました。
私たち一人一人が自分の責任でちゃんと物事を判断して行動していけばこんな社会にはなっていかないのではないかと思っています。
ついつい頭のよい方や専門家の意見を鵜呑みにしてしまいがちですが、あくまで参考意見としてのみ取り入れ 自分でちゃんと考えていくことの大切さを痛感しております。
国から何をしてもらえるか?ではなく自分が何ができるか・・・一人一人の微々たる力が何よりも大きな力になるのだと信じています。
いつも興味深く拝聴せていただいています。
今回の講演は秀逸でした。私の心にスマッシュヒットでした。
特に日銀についてのコメントは、非常に勉強になりました。
「銀行にお金を配るのではなく、必要なところにお金を配ればインフレは起こらない」についてもう少し勉強してみようと思います(三種体癖で頭がないメリベなのでイマイチ理解できていません。笑。何となく自分なりの答えはあるのですが。。。自信なし。)。銀行が利益を追求してはいけないことは分かります。
真実を知って、良い社会にしていきたいですね。
今の国家を良くしていくためには、身近な所でも金で動かされない者が増えないと絶対に変わらない・・・。当たり前だよなー。大丈夫かなー、無理そうだな・・・、うーん、自分だけでも努力してみよう!
ニーチェの超人を、
自己ー自性ー意識ー個我ーというように図を使って説明して下さるので、理解しやすかったです。そうでなければ、わからなくて読みながら通り過ぎてしまうところでした。
ニーチェとスピノザがある方が似ていると言われているのを、りんざいの方が似ていると先生が言われました。
それは、表現の仕方、性格の違い、気質の差であり西洋の人は禅を知らないから、ニーチェは超人とかという名詞を使ったのだと・・・
世界的に天才で素晴らしい人は、意識が肉体だけではなく顕在意識・潜在意識にまで繋がっているということ。
私もそういった意識にまで心が繋がっていたいと思いました。
「あの虹を、あの超人への橋を、見たい」
ツァラトゥストラが語ったように・・・
一人でも多くの人々が、どう生きて行ったらいいのかを・・・気付かれて欲しい。
そして、超人への橋へかかる綺麗な虹をたくさんの人々と一緒に見たいです。
「欲を肯定、、、」
が、聞こえて俄然面白くなってきました。今までの全てが肯定出来た瞬間でした。うれしくて聞いてるうちに、次の講義で、もっと肯定を確かなものに出来そうです。足元から確信が持ててホントに嬉しかったです。
自立している人は国に何かをしてもらおうとは思っていなく、自分が国に何ができるかを考えているとのこと。 自立の観点からみて、初めてケネディの言葉の真意がわかりました。
小泉、竹中・郵政民営化の頃はまだまだグローバリズムの洗脳の中にいましたが、その後、「エコノミックヒットマン」や「ショックドクトリン」、堤未果氏の書籍等々を読み、シカゴ学派から端を発する新自由主義・グローバリズムの酷さがどのようなものかを知って、ただただ愕然としたのを思い出しました。
独立した「超人」になることの大切さがこれほど身につまされる時代もないと思います。
「情報は探せばあるのだから、一瞬一瞬の選択の責任は全部自分にある」との先生の言葉、心に刻みたいと思います。