家族の絆 〜夫婦(66):ヘルダーリン(ディオティーマ)〜


【映像時間】

93分[500円+税]

【内容の一部紹介】

ヘルダーリンの詩を紹介したいと思います。ものすごい詩人で、恐らく世界最大の詩人の一人であるということは、ほとんど誰もが同意するのではないかという気がします。ゲーテより上だと思っていますが、ゲーテを超えるような詩人を捜すのは難しいです。僕が知っている範囲ではヘルダーリン以上の詩人を探すのは難しいと思います。

『シュティフト(神学部)の後期の友人として特記すべきのは、同年齢のヘーゲル、5歳下のシェリング。同室になったこともあり、共に読書し、哲学上の究極の問題について語り合った。その際詩人であるヘルダーリンは、より多く与える立場にあったと言われている。元来、世代的にこの3人がカントを頂点とするドイツ理想主義(観念論)の文化的空気の中に育ったことは、いうまでもないことである。従って教条的信仰や伝習的教会制度に盲従する気持がこの3人にないのは、自明のことである。しかし、そういう文化的恩恵を受けながら、この若い世代がひそかに目ざすのは、より本源的な世界原理である。』(「ヘルダーリン全集」河出書房新社、p357-359)

より本源的な世界原理をこの3人は目指していた。他の二人は哲学者ですから、より本源的な世界原理の哲学体系を構築することであるし、ヘルダーリンはそこに至ること、それを体現すること、そしてそれを詩として歌として表現することを目指していたというのは明らかです。彼の生涯の詩作を読んでいると、痛々しいぐらいの苦闘としか言いようがない努力の跡が見えるんです。

『1795年の歳末にマイン河畔のフランクフルトに出て、同市の銀行家ゴンタルトの家の家庭教師となる。27歳のズゼッテが主婦として、9歳のヘンリーを頭に4人の子を育てていた。やさしい、美しい、おちついた心をもった女性で、文学や音楽を理解した。取引所での市況が最大の関心事である夫との仲は、魂の領域におよぶものではなかったろう。この夫人(ヘルダーリンの作におけるディオティーマ)とヘルダーリンとの心がしだいに触れあい、その愛は、ヘルダーリンの詩作のうちに不朽のものを結晶させるのである。』(p364−365)

(講演内容を元に編集:文責シャンティ・フーラ)

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9件のコメント

  1. 参考になった(3)

    死後、真実の愛でつながったふたりであっても結婚できないことがあるという事実に、驚愕し、深く悲嘆しました。。
    こんな悲劇に、立ち上がられ、天界の大改革を成し遂げられた御方に、感謝してもしきれません。。

  2. 参考になった(2)

    最後に竹下先生からあった話は、感動しました。
    孤独に耐え、自立しないと・・・。まだまだ、嫉妬、妬みから開放されていない気がする〜!

  3. 参考になった(2)

    ヘルダーリンは、生の弧線という言葉を使っているのだけれど、その言葉の美しさは、詩人の最高峰であることを感じさせる。自然と永遠の瞬間である恋の肯定的な終わりを描かせれば、ヘルダーリンの右にでるものはいない。
    しかし、私は、ヘルダーリンにならぶとはいえないかもしれないけれど、谷川俊太郎の「62のソネット」が大好きである。シンプルな表現だが、哲学者の父のもとに生まれそだった、谷川は、哲学色と東洋的宗教観を、なんといっても日本流のわび、さびをもってかたりかける。
    ヘルダーリンは全集よりも、印刷の感じからしても、岩波文庫のヘルダーリン詩集がよいようにおもえる。もちろんいくつかの詩の抜粋になるけれど。
    そして、私は、ヘルダーリンに負けじ劣らず、「62のソネット」が気に入っている。
    ヘルダーリンを読んだあとは、日本の詩がどれほどのものか、確かめてみるのもいいかもしれない。

  4. 参考になった(2)

    ヘルダーリンとスゼッテが本当に愛し合っているのに、結婚が出来ない境遇に苦しんでいる姿に、せつなくて悲しかったです。
    それなのに、天界でも、同じように身分の差や人妻ということで、本来なら結ばれるお二人が、結婚できないということに、悲しくてつらかったです。

    メノーンのディオティーマの哀悼歌の詩の
    ヘルダーリンとスゼッテの真実の愛に・・・

    世の中のたくさんの女性が、欲望や愛着でない本当の愛に到達でき、平安で幸福な結婚生活を過ごせるように願ってやみません。

    かなり昔と違って今の現代では、
    二人がよければ、人種や身分、年齢等関係なく、結婚がしやすいように感じます。
    そんな現代に、生きていながら、三高(高収入、高学歴、高身長)なんかで相手を選ぶなんて・・・悲しすぎます。

    スゼッテやヘルダーリンのような悲劇は、見たくないです。

    せつないです。

  5. 参考になった(6)

    本当に心に残る愛のお話でした。
    見終わった後も、ズゼッテとヘルダーリンの愛の歴史が
    心象風景のようによみがえってきました。

    この講義で、真実の愛の大切さ、
    というか、本当にそれしかないのだ、ということ
    あらためて実感しました。

    真実の愛に至るには、
    真に孤独を知り、自立してあること。
    とても、心に響きました。

  6. 参考になった(2)

    言葉にすれば、嘘になるというより制約を受けてしまうので、どうしても後は受け取る側に任せなければならない。これ、きびしいです。伝わらない時は身近な人であれば、それこそ孤独です。リルケの苦しみにしても、野心となってしまう自分の心を偽れない、それが苦しみなのかと、おもいました。

  7. 参考になった(0)
    眠れる森もはち on

    天界の改革、バンザイです。
    改めて考えてみると双子の魂って不思議です。なぜ魂は双子なんでしょう。

  8. 参考になった(1)

    孤独とは精神的自立であり、何も求めない純粋な愛に不可欠とのこと。相手から何も奪わないために、自立する必要があるのですね。

  9. 参考になった(2)

    天界の改革後、愛する二人は天界で結ばれたという事で、本当に良かったです。ヘルダーリンもズゼッテも、天界の改革が起こるまでは、全く何の希望を持てずに天界でも生きていたのだから、強い方々だと思います。こういった不条理が無くなる事を切に望みます。

    「双子の魂は、双子という事は兄弟なのにどうして結婚出来るの?」とふと思いまたが、魂が双子であって、肉体が兄弟でないのと同様に、幽体も兄弟でないので天界で結婚出来るという事ですね。それとも、天界には兄弟は結婚出来ないなんていう霊律がそもそもないのかも‥‥と素晴らしいお話の後につまらぬ事が気になってしまいました。