家族の絆 〜夫婦(65):リルケ(ドゥイノの悲歌)〜


【映像時間】

78分[500円+税]

【内容の一部紹介】

前回の一番重要なポイントは「オルフォイスに寄せるソネット」で、彼があの詩に書かれた非常に軽やかな境地に到達することが出来たその前に大変な苦闘があるわけです。
 彼の大作に「オルフォイスに寄せるソネット」と「ドゥイノの悲歌」があります。前回紹介しなかった「ドゥイノの悲歌」を今回は取り上げます。
「ドゥイノの悲歌」(手塚富雄訳、アトリエHB)。
手塚さんの訳を非常に信頼しています。手塚さんの訳でゲーテの「ファウスト」という戯曲がありますが、大変な名訳です。それでこの方の名前を覚えるようになりました。大変な名訳が多く、この方はドイツ文学の文学者ですが、この方自身が詩人のような方なので、非常に訳が上手なのです。原文のリズムをできるだけ崩さないように上手く訳してくれています。それでもやはり原文にはかないませんので、リズムが崩れてしまうのはやむを得ないと思います。
 一から十の悲歌があって、全体としてある種のストーリーというか、段階を踏んでいますので、前半の第一、第二、第三の悲歌で歌われている歎き、悲しみが後ろの方でだんだん肯定されていったりとか、ある解釈ある理解に到達することによって前に否定されていたことが肯定されていく、そういう変遷をたどっていて、そういう意味で全体として一つの作品になっているわけですから、一つ一つは独立しているのですが、とても奥深い詩集です。
リルケの数々の作品の中で「ドゥイノの悲歌」が最高の作であると云うことは、だれでもそう思うと思います。この作品を読んでいなければリルケのことを知ったことにはならないというぐらい非常に大きなもので、人類が到達した最高の詩行の一つであろうと思います。

(講演内容を元に編集:文責シャンティ・フーラ)

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6件のコメント

  1. 参考になった(3)

    降りくだる幸福、嘆きと向き合う事で得られるもの。今までの一般的な幸福の価値観と逆のものにも幸福が見えてきました。

  2. 参考になった(3)

    リルケは「永遠の平安」とは歎き(孤独)を乗り越え、降りゆく幸福=若きゆく死にゆく者や、昇る幸福(高みに昇りゆく存在)に思いをはせる者=英雄と、詩の中に書いた。
     孤独から目をそらし、逃げたり避けていたら永遠の平安と真実の愛に到達できないと表現されました。

    しかし、竹下先生は、歎きや若き死にゆく者、英雄を超えて行くというリルケの詩から、深い悲しみを感じたと・・・。

    私はリルケという詩人を、先日知ったばかりですが、そのリルケの詩を解説し、それを”深く悲しい”と感じたことを素直に話され、真実の愛への道しるべを”夫婦の愛”だと開示してくださって下さる竹下先生が、もっとも偉大に思えました。

    次の映像配信のヘルダーリンという詩人も、出会えることが楽しみになってきました。

  3. 参考になった(2)
    ヒカリネコ on

    この回と、次の回(66)を見てから、
    実際に、「ドゥイノの悲歌」を読んでみました。
    (岩波文庫から、手塚富雄さん訳のものが出ていました)

    手塚さんの詳細な注釈がついていて、
    それだけでも十分理解できたのですが、
    さらに竹下先生に教えてもらった、「本来の作者」の境遇を頭に入れながら読むと、
    いろんな箇所で辻褄が合い、格段に分かりやすくなりました。

    引用部分だけでなく、作品全体を読んでみると
    「本来の作者」の当時の心情が、より深く理解できました。

  4. 参考になった(2)

    哲学や詩は、難解な気がして遠ざけてきました。
    でも、竹下先生が解説してくださるリルケ「オルフォイスに寄せるソネット」は、ただひたすら美しく感動的でした。
    リルケに興味を持って、今回2回目ですがこな講義を新たな気持ちで拝聴しました。

    先生の解説を聞いていなければ、自力ではこの詩人の表現したかった深いところまで到底理解出来ませんでした。
    それに講義をきくことにより、
    リルケもそうですが難解そうで近づくことすら出来なかったキルケゴールがとても近しい「友」のように感じられます。
    苦しみや孤独をあの様に表現できるのか…、と。
    何年かぶりに拝聴した講義ですが、前回とは全く違う新たな感動がありました。
    ありがとうございました。

  5. 参考になった(6)

    欲望を一切離れた完全に純粋な境地に至るには、嘆き(夜、孤独)から逃避する生き方をしてはいけないとのこと。逃避せずに、むしろ味わい尽くすことが重要ですね。

  6. 参考になった(2)

    急に、指導者との別れが起こりました。こんなものかと、あっけなく感じていましたが、胸に占めてた寂しさと、しっかりと取り組もうと思いました。7つのチャクラのCDを聞きなら。子供みたいに声上げて泣いたんですよ。お蔭で、今悩んでる人間関係への糸口も見えてきました。そんな時にN様のコメントに触れて、あーここだったと、うれしくて、もう一回、聴き直したいところに、導いてくれました。コメント欄て、ホントに素敵なコーナーですね。