宗教学講座 初級コース 第107回 大乗仏教(唯識説:中辺分別論)

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概要

今回は唯識説の最終回になる。難解なマイトレーヤの詩頌に世親(ヴァスバンドゥ)の解釈を加えた経典「中辺分別論」を見ていき、唯識説の締め括りとしたい。また適時、大乗仏教の支離滅裂さや論理破綻を指摘し、最後に、有形象・無形象唯識両派をスッキリ説明できる、私(以下竹下氏)の立場による三性の再定義を提案する。

目次

1.詩頌[1・1]:空性(円成実性)の定義 (00:00:00)

マイトレーヤの立場による三性の意味や用語(虚妄なる分別=依他起性など)を復習しながら、空性の定義が述べられた詩頌「虚妄なる分別はある。そこに二つのものは存在しない。しかし・・・」とその解釈を見ていく。

2.詩頌[1・2]:変化してきた「空」の意味 (00:27:00)

一見すると意味不明な詩頌「それゆえに、すべてのものは空でもなく、空でないのでもないと言われる。・・・」を見ていき、様々な学派を一つの大乗仏教としてまとめようとした、マイトレーヤの試みの問題点を説明する。

3.お金と心の問題 (00:53:18)

余談になるが、国は学者を養っているのにスポーツなどの分野の人は養わない。ここにはお金・経済の問題があり、詳しくは夫婦の講座で解説する。また、お金と心の問題を切り離してきた宗教について私見を述べる。

4.詩頌[1・3~6]:空性・真如のみ残る (01:05:00)

詩頌[1・4d]において、マイトレーヤの立場を明確に示す言葉が語られ、彼にとっての「解脱」の意味が明らかになる。彼とナーガルジュナや八千頌般若経の立場の違いを説明する。そして最後に「自性⇒意識+心・物」とする私の立場から三性の再定義を提案する。

終わり(01:27:38)

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参考文献

  • 「大乗仏典〈15〉世親論集(中辺分別論)」長尾 雅人・梶山 雄一・荒牧 典俊訳、中公文庫
あまったもの、アサンガ、アハンカーラ・我執、イメージ、カルマ・ヨーガ、シークレット・ドクトリン、チッタ・心、ペシャワール会、マナス・意、マハット・大、ラーマクリシュナ、中村哲、中道、五蘊=空、他によるもの、国会の答弁、妄想されたもの、完全に成就されたもの、実有、対境、幻影として存在する、映像、有情、民主党と自民党の大連立、照明作用、現行識、知られるもの、知るもの、神智学、空⇔満、空間、自性がない、自我、自衛隊はあるが軍隊はない、表識、言葉、飯のタネ
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5件のコメント

  1. 参考になった(4)
    ぴょんぴょん on

    それまでのなぞなぞのような文章の連続で「どうせ・・読んでも理解できないよ」モードでしたが、最後の「三性論」の解説で、脳みそがパッチリと目覚めました!
    そうです、これです、わかりやすい!

  2. 参考になった(2)
    フィロソーマ on

    シンプルにおさまった解説に、宿便が取れたかのようです。
    つい最近、N式酵素玄米をはじめたので、実際にうnnこ浮くのが楽しみです!
    ・・・意識が照明します。

  3. 参考になった(0)

    対象が存在しなくても、見るものが存在しないということにはならないので、阿頼耶識も存在しないというのはおかしいとのこと。自分の立場を離れて、一般的な観点から命題の真偽を判定する必要がありますね。

  4. 参考になった(6)

    ”空だ無だと言ったって、それで救われる人は実際にはいない。ラーマ・クリシュナは飢えている人に宗教を説くなと言った。” ペシャワール会の中村哲さんを例に、正しい行動をしているだけで現地の人は分かる。これが本当の宗教でカルマ・ヨーガだというご指摘は大変腑に落ちました。この辺が宗教が完全に崩れているところで、そのなかで一番ヘンなのが大乗仏教だとのこと。
    空の意味がお釈迦様、八千頌般若経、ナーガルジュナ、般若心経、唯識論でどんどん変わっており、そんな大乗仏教の世界を国会答弁になぞらえ、正に”空”だとしたのは爆笑ものでした。
    最後に、”仏教というのは、ワザと分かりずらくして、皆を混乱させているのではないかと疑いたくなる。”という思いは、講座を聞かれた方々も同じではないでしょうか。そして、同じ疑念は神智学にも共通しています。

  5. 参考になった(0)

    大乗仏教はほんとうに政治家の国会答弁と同じですね。
    長々と説明したあげく、結局何を言っているのかわからない。
    でも最後のシンプルな解説にホッとします。

    「空」の反対語はすぐにわかっちゃった♪
    そこだけ冴えてました。