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概要
今回は、日本に多大な影響を与えた本覚思想に流れ込む、重要な思想である如来蔵思想を取り上げる。以前、如来蔵とは自性清浄心・光り輝く心のことだと簡単に触れたが、この部分を詳しく解説して、如来蔵思想の内容を理解していく。
目次
1.「法華経」の政治的な意図 (00:00:00)
「般若経」などにおいては、仏を目指す菩薩乗(大乗)、阿羅漢を目指す声聞乗・独覚乗を異なる道として三乗が説かれた。しかし声聞乗・独覚乗も究極的には仏を目指すはずとして、「法華経」は「三乗を方便とし、一乗を真実と見る」と主張した。私(竹下氏)が「法華経」に感じるマイトレーヤの政治的な意図について述べる。
2.如来蔵の意味 (00:19:22)
「すべての衆生(全生命)は仏になる可能性をもつ」という主張が「如来蔵」の思想である。「如来蔵」の原意は「如来を胎に宿すもの=衆生」であったが、後に「成仏の可能性そのもの」を「如来蔵」、「仏性」と呼ぶようになる。ここでは法身、阿頼耶識、自性清浄心など「如来蔵」の同義語を考察して、サーンキヤ哲学の言葉で「如来蔵」の意味を特定する。
3.如来蔵説の特色 (00:45:32)
衆生と仏の共通点・相違点に関する見解や、煩悩の捉え方における如来蔵説の特色を見ていく。また、後に唯識説が説くことになった煩悩の除去方について疑問点を指摘する。
4.心の本性 (00:54:05)
如来蔵思想に属する経典「宝性論」においては、真如を不変異の実在とし、これを「心の本性」と理解している。では、真如とナーガルジュナの自性の概念に違いはあるのだろうか? また今回のテキストは仏教学者の無理解を露呈する。
5.宗教講座のこれまでと今後 (01:19:00)
これまで宗教講座で取り上げてきたサーンキヤ哲学やヨーガ・スートラには良いところがあったのだが、大乗仏教は最初から最後まで支離滅裂であり、教えるのが一番難しいところである。
終わり(01:25:00)
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参考文献
- 「大乗仏典〈12〉如来蔵系経典 」高崎 直道 訳、中公文庫
- 仏教の思想4「認識と超越〈唯識〉」服部 正明、上山 春平著、角川ソフィア文庫
5件のコメント
教師のはしくれとして、先生のお気持ちがほんの少し解るような気がしました。
「受験勉強」と同じく「その無意味さを悟る事」が目的のこの「宗教講座」において、特にこの一連の大乗仏教講座で、大きな成果がありました。
如来蔵を法身(コーザル体)=阿頼耶識と、自性清浄心=大(マハット)=真如=実相=法界=円成実性=法性=光り輝く心の二通りに解釈できることがわかりました。指示対象が同じなら、用語は統一した方がいいと思います。
竹下先生もこの時までは、初級は200回で終わると予想していたんですね。
随分と大延長してしまったようですが、これもご苦労の痕跡だと思います。
竹下先生から見た評価は下記のようでした。
ヨーガスートラ …優れている
バガヴァッド・ギーター …良いところは沢山ある
サーンキャ哲学 …間違いもあるけど、非常に分かり良い
小乗仏教 …良い。論理的に整合している
大乗仏教 …メチャクチャ、大変
密教 …もっとひどい
正しいものは説明し易いが、そうでないものは大変だとのこと。
東洋の宗教は、どこで苦労したかが一目瞭然ですね。
今回の解説では大乗仏教を、”思想としては理解できない。政治としては理解できる”として
様々な説を取り込んで、矛盾したものを一つにまとめようとした事が指摘されています。
定まった見解が無い言われた神智学も、同様なのではないかと思いました。
COCO様
竹下氏からの回答です。
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神智学は、まったく様相が異なるのです。実のところ地球上の人々で神智学を正しく理解している人は誰もいません。そこで宗教学講座で、その本来の意味を説明することにしたのです。シークレット・ドクトリンのスタンザ(詩節)は、サナカの作で、覚者も誰1人として意味を正しく理解していなかったからです。
中級では、これを説明し、さらにはるかに越えて行きます。
(竹下雅敏)
竹下先生、ご回答いただき、ありがとうございました。
覚者達が誰も正確に理解していなかったというのには驚きました。
中級を楽しみにしております。