宗教学講座 初級コース 第200回 プロティノス(流出論)

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  • 1. テーマ:プロティノスの哲学
  • 2. "プロティノスの流出"のイメージ
  • 3. プロティノスの世界観①
  • 4. プロティノスの世界観②
  • 5. エネデアスの本編と解説で自説を検証する

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概要

前回はプロティノスという人物について触れ、真の哲学者の1人に数えられる傑出した人物であったことを話した。今回からプロティノスの哲学の本格的な説明に入る。「エネアデス(抄)Ⅰ.Ⅱ」という本を中心に説明していくが、この本だけでは難しくわかりにくい。そこで、前回も取り上げた「神秘主義思想史」というブログで大雑把な流れを押さえる。その後、プロティノス自身の言葉や専門家による解説に、私自身の説明を加えながら細かく読み解いていく。

目次

1.プロティノスの論理の流れ (00:01:25)

プロティノスは高い存在から低い存在が次々と生み出されていくという世界観を、初めて哲学的に体系化した。その過程を「流出」という思想で説いたが、哲学的には支離滅裂で理解不能なものである。この部分を噛み砕いて説明する。

2.プロティノスの世界観 (00:18:19)

分かりやすい図を用いてプロティノスの世界観を説明し、ミトラ教やポイマンドレース、ストア派の思想とも比較しながら解説する。プロティノスを読み解く際は、文体や前後の関係を見分けながら正確に読まなければわからないのだが、そのポイントを押える。

3.「エネアデス」からプロティノスの世界観を読み解く (00:33:49)

プロティノスの思想体系は、一者を頂点とした秩序と順序に沿った階層性によって成り立っている。プロティノス哲学の根幹である「観照の説」「流出論」とともに、その成り立ちを詳しく見ていく。その中で、ヌースと魂に関しては、狭義の意味で言っているのか、広義の意味で言っているのかという点、また、2つの違う意味を持つ「三つの魂」、「ピュシス」という言葉がそれぞれどちらの意味で使われているかという点を精査しながら読み解いていく。プロティノスの世界観はミトラ教やポイマンドレースのそれとは全く違ったものであり、ミトラ教であるプラトンを正確に理解できていなかったことがわかる。

終わり(01:20:37)

※詳しい目次は、映像を購入してログインすると見ることができます。

参考文献

7つの遊星天、「エロスについて」、「海はふりむかない」、ぼやき、アルコーン、イデア界、エイドス、オーラ圏、カルデアの神学、ジュナーナ、ゼウス、テオリア、デミウルゴス、ト・ヘン、ハリウッド、ビデオ、プネウマ、モデル事務所、一者、不動不変、世界卵、両性具有のズルワーン、中西さん、人間、似像、個霊、兜率天、全霊、共振作用、力、動物魂、叡智界、善、善のイデア、夢、天上のアフロディテ、太陽系、女性原理、女神、宇宙人、宇宙霊、宇宙霊の影、完成度、実有、形相、忽然、思考意識、性的なニュアンス、性的な感性、恒星天、悪、情欲、惑星天、感性界、技術的な火、振り返る、日常意識、星辰界、映画、月下界、植物魂、模造品、欲望、母ソフィア、気息、熟睡状態、父ズルワーン、猿、理性、界層、発出、直知作用ノエーシス、知的な作業、知的素材、神々、空間、精神性、素材、美人、美男美女、耶麻天、胚珠、脳、英知界、西郷輝彦、観照の説、認識主体、認識対象ノエトン、諸生物の生命原理、質料、通俗的なプラトン理解、造物主、霊気、騙し絵、高度の魂、高校生、高貴に満ちた光、魂の復帰
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5件のコメント

  1. 参考になった(0)

    漫才が出てきたのには、びっくりしました。
    まさか、、、
    難解といわれるプロティノスの哲学の講義と漫才、、
    講義の内容を漫才に繋げた機転には脱帽です。。神技ですね。。(あ、なるほど笑)
    たぶん、、この講義を聴かなければ、
    きっとプロティノスはわたしには理解できなかっただろうと思います。
    今回も素晴らしい講義でした。
    ありがとうございました。

  2. 参考になった(2)
    ぴょんぴょん on

    空間に注目したプロティノスって東洋的でおもしろいと思います。

    脳の外にかなりの容量の外付けハードディスクみたいなのがあるとすると、頭をオーバーヒートするほど使わなくても外から良いアイディアを拾えばいいし、そこに漂っている他の人のすぐれたアイディアももらえる。
    頭を使うよりも、ぼーっとしていた方がずっと得なことがわかります。

  3. 参考になった(1)

    哲学を勉強していない一般な人の感覚を説明していただけるので、分かりやすかったです。しかし、何でこんな事を考えているのでしょうか、人間が向かうべき方向を純粋に説いているのでょうか。上位の界からきたプラトンやプロティノスが低位の界の人々の方向性を修正するのに竹下先生などの解説をもらい、これだけの時間を要するのも感慨深いです。現代は、すべてお金と物質だけに絡めて物事が説明されるので、心が清められる気がします。時事ブログのアースリングスを見た後なので、この世界をつくり出している責任、すべての自然が調和できるよう、差別意識を下げていけたらと思いました。

  4. 参考になった(1)

    頭の周りの空間が意識(観照作用)だというプロティノスの考えは面白いと思いました。シンクロニシティやテレパシーなども、この考えで説明できるように思います。

  5. 参考になった(1)

    自分の周りの空間に意識があるという考え方は興味深いです。
    脳は考えるものではなくて、どんな意識を取り込むか
    アンテナみたいな働きをしているんでしょうか。

    言葉を明確にしないプロティノスに対する
    竹下先生のディスりっぷりも面白かったです。