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概要
前回は儒学の流れを説明した。今回はその中の朱子学を説明していく。朱子によってこの上なく明快に理論化され、体系化された思想を、意識の展開図を用いてこれまでの哲学者の思想と比較しながら、また、体癖の理論も取り入れわかりやすく解説する。
目次
1.朱子と朱子学 (00:00:00)
宋の時代に朱子が大成した朱子学について解説する。これまで解説してきたスピノザ、デカルト、孟子の思想を意識の展開図に基づいて復習し、比較することによって朱子の思想の概観を捉える。
2.朱子学の思想(1)理気二元論 (00:19:30)
理気二元論で述べられている「理」という概念は、日本人なら大変良く理解出来るものである。深い部分で良く知っているこの感覚とは一体何か。また、解説者が間違いがちな点について説明を加える。
3.朱子学の思想(2)「性即理」 (00:29:22)
朱子学では宇宙を統べているものを「理」とし、人間は誰しも「理」を一つ授かっており、それを「性」とした。人間の一番深い所の本然の性を他の哲学者の概念を用いて解説し、感情や欲求の根源である気質の性の概念を体癖の概念を用いて説明する。
4.朱子学の思想(3)「居敬窮理」 (00:48:54)
窮理、居敬という2方向は、朱子学の学問、修養の方法として重んじられており、これによって気質の性から本然の性に帰ることを目指している。また、今回取り上げた参考書の間違った解釈を正し、その根拠を別の文献によって明らかにする。
5.朱子学の思想(4)「太極」「陰陽」「五行」 (00:55:10)
理は「太極」とも言い、個物のものを「性」と言うが、「性」も「太極」に他ならないとする。「太極」がまず陰と陽の二気に分かれ、それが凝集して五行が現れ、五行が組み合わさり表象が出てくるとする。五行を体癖と対応させ、表象である五常を捉える。
終わり(01:14:55)
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参考文献
- 「MY BESTよくわかる倫理」Gakken
- 「倫理用語集」山川出版社
- 「大学・中庸」金谷治訳注、岩波文庫
- 「朱子学と陽明学」島田 虔次著、岩波新書
5件のコメント
体癖のお話がとてもおもしろかったです(^^)/
多くの人は自分の体癖の本来の性質(仁・義・礼・智・信のどれか)を開花させておらず、逆の性質であるという話は、なるほど~~っと思いました。
意識の展開図を用いて考えると、
いろんな哲学者の思想を整理して捉えることができてすっきり爽快です!
でも、今回一番驚いたことは、教科書に間違った部分があるということ。
そんなことは今まで考えたこともなく、
その教科書に添って理解しようとしたら、若い人は混乱していまう!!!
ひいてはその混乱を引きずり倫理から遠ざかることもあり得る。。
う〜ん。。
それにしても、体癖の理論を知っていると、一見難解な理論もわかりやすい。
体癖は必修ですね。
「朱子学は、よくワカラン」と、踏んだり蹴ったりの様に聞いていたのですが、この講座を取って大正解♡せっせとメモって得意げになって、人間が一番というあたり、思わず「何が10時間?」と、隣の娘に聞き返しました。現代文に取り組んでたらしく、「聞いてない!」。最後に表にして頂いたので一層頭が「パッチリ」しました。最近は興味を持ったのか、娘曰く「ねぇ、私何?」「開閉ね~、もう一つはまだワカラン!」と、なかなか、将来が楽しみです。学校でも体癖って、教科になるといいのにと思いました。
気質の性(体癖)は絶対に乗り越えられないから、上手にそれと付き合って生きることが本然の性にかえることとのこと。ありのままの自分を受け入れる悟りの境地ですね。
陰陽の二氣にわかれそして五行が現れて…の説明がとても納得がいったのですが、東洋医学セミナーにおける五元との違いや関連性が分からなくなりました。セミナーでは確か五元は「星の波動」とおっしゃっていたので分けて考えるものなのかなと思っていますが、今振り返ると東洋医学セミナーにおいてとても重要な五元というものの本質を良く理解していないことにも気づきました。先生の解説をいただければありがたいです。
それから、五常(仁義礼智信)についての正確な解説がなされている書籍や、先生の配信動画があればお教えねがいますか?