試聴映像
- 1. テーマ:ミトラ教の概説とキリスト教の様相
- 2. 西方ミトラ教(中期:B.C.312~A.D.395)
- 3. プラトン哲学はミトラ教!?(1)
- 4. プラトン哲学はミトラ教!?(2)
- 5. 西方ミトラ教とキリスト教
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概要
これまで、イエスが磔に遭って以降の、正統派キリスト教の異端と言われているグノーシス、ヘルメス文書、カルデアの神託を見てきた。これらは多少の違いはあるが通底する部分が基本的に同じで、非常に似通った世界観を持つことがわかった。グノーシスもヘルメス文書の発展系と捉えて、ヘルメス文書とカルデアの神学の源流であるミトラ神話、ミトラ教の流れを見ていく。
目次
1.ミトラ教の講義をするにあたって (00:00:00)
ミトラ教、ミトラ神学という分野はあまり研究されておらず、きちんとした文献もほとんどない状況である。今回は「ミトラ神学」という本を取り上げるが、著者である東條真人氏は精力的に論文を発表しており、原典の翻訳も非常に参考になる。この分野のことがわかると、イエスが属していたエッセネ派の正しい理解にも繋がる。
2.ミトラ教とは (00:07:51)
ミトラ教は古代ペルシャの神話を母体にして、ミトラを中心に宇宙の支配者であるとする宗教である。前期が原始ミトラ教、中期が西方ミトラ教、後期が東方ミトラ教と呼ばれる。そしてミトラ教勢力地図から、ミトラ教は広範囲で盛んだったことがわかり、現在のイスラムに繋がる重要な事実も解明される。
3.初期ミトラ教の誕生とストア学派の誕生 (00:22:05)
紀元前2000年頃、アーリア人が分かれて一方はインドで「リグ・ヴェーダ」、もう一方はイランで「アヴェスター」が編纂される。両文献には一番古い層にミトラが現れており、元々の原宗教はミトラ教であったと思われる。この推測の根拠として天上の支配の変遷を説明する。初期のミトラ教は占星学とイランの宗教が融合して生み出され、その後古代ギリシャ思想と融合しストア学派が誕生する。かなり大きな勢力となったストア学派を見ていく。
4.西方ミトラ教の師たち (00:43:52)
西方ミトラ教の師として、プラトンとアリストテレスを入れることに対して西洋の哲学者は違和感を感じる所であるが、多方面から考察をし、正しいことを解説する。そして、師たちは神話を自在に融合させ作り出し、悟りを伝えるための手段として用いたが、その手法は宗教を正しく理解する時に落とし穴となるものでもある。
5.西方ミトラ教とキリスト教 (01:10:50)
現在の宗教学で明らかになっているかはわからないが、キリスト教固有と思われているエピソードの数々が、もともとは西方ミトラ教の神話であることを詳細に説明する。これにより、キリスト教の教義への疑問が明らかになる。
6.宗教と神話について (01:18:36)
それぞれの宗教、哲学には中心となるポイントが存在する。それはシンプルなエッセンスであるがゆえに、権威付けとして作られたのが神話であると考えられる。そして一様に宇宙の起源を探るというようなことをしているが、矛盾があり説明がつかない部分がある。量子力学ですら同じである。その点について納得のいく世界観を提示する。
終わり(01:34:10)
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参考文献
- 「ミトラ神学」 東條 真人著 国書刊行会
6件のコメント
最初の5秒間位は、「あれっ?パソコンの音声が壊れたのかな?」と思いましたが、そのあと真相がわかり、面白すぎて大笑いしてしまいました!!私も誰かにプレゼントしようかな?
古代の文献は少ないなかで、先生はよく全体のなかに位置付けて把握ができていることに驚いています。現代神智学も、また文献が少ないですが、とくにシークレットドクトリンは人類発生論(下巻)の翻訳が抄録しかなく、サンキャ哲学のブッディやマナス他の原理についても、同様に文献が少ないです。この講座を聴いて、論文、書籍をあたってみたりもしたのですが、いくつか出てきただけで、全然わかりませんでした。初級では、ブッディ、マナス、などについても、図の紹介に留まっていましたが、きっと中級になると先生から現代神智学にからめて、お話があるかと思います。聴き逃していたらすみません。今回も内容が濃かったです。最後の宇宙論はクラクラしました。眠っているあいだも、どこかに「存在」があるはずだ、とは私もよく考えます。物質とは違う精神の空間があるはずだ。眠りのあいだに帰っているはずの空間が。普段は肉体のなかに、自分だけの意識として充足されているものは、夢のなかや、決定的には熟睡状態でもどこかにあるはずなわけで、死後には、肉体や物質の空間としてではなく、熟睡状態でもあるはずの、そんなような空間に移行するような気がします。現時点では。
非常に面白い内容でした。一番面白かったのは冒頭の先生の嬉しそうな表情ですが(笑)。最後の余談も興味深く拝聴しました。妄想が膨らみます。
イデアとは霊界のことだという意見に同意します。知覚できる世界がすべてであり、イデアや霊界など存在しないと言う人が結構いますが、何と狭い世界観でしょう!もしそれが事実なら、今苦しんでいる人は自殺すればよいということになります。あの世で後悔することもないでしょうから。この苦しみに満ちた世界がすべてなら、私は生きる意味が見いだせません。
底流するミトラ教を通して、グノーシスのエッセンスそして神話の部分の役割がすんなりと正しく理解できました。
また、最後のところの宇宙論には胸がふくらみました(^ ^)
ミトラ教、再度、みました。
神話といのは、悟りを説明するだけの文学的表現にすぎなかったのですね、神話に翻弄されてしまうと争いになりかねません。
本質的な部分を人類は見失っているのですね。
学派は違っても、大きく方法論が違うだけで行き着く先は同じ、その道筋で人類は寄り道をしているのですが、それは学びなのでしょうか。そんなことだらけの日常です。
キリスト教にはオリジナルな部分はほとんどない・・・なのに、こんなに世界を覆い尽くしてしまっています、こわいですね。
意識の焦点は、持っている身体によってずれるだけ、、、なんとなく理解できましたが、瞑想をしないので熟睡状態に入っていくのはできないのですが、
人類が熟睡したらどこかに集合的意識で身体がないと宇宙も消えてしまう・・・この世も無くなるということでしょうか。
深すぎてイメージできないのですが、そんなことがあるとは驚きました。