試聴映像
- 1. テーマ:ストア派は究極の唯物論
- 2. スピノザに通じるストア派の自然観
- 3. ズルワーン主義を継承しているストア派の哲学
- 4. "種子的ロゴス"をミトラ教に対応させると
- 5. 根幹で共通する思想を理解せずには何も分からない
映像を観る
概要
ストア派は、霊的な世界のものも含め、すべて物質から出来ているとする唯物論だが、その哲学は現代の物理学者が目指すべき方向性を持った、非常に優れた究極的な唯物論だと言える。今回はストア派が研究したとされる自然学、論理学、倫理学を丁寧に読み解き、この素晴らしい思想に触れるとともに後の哲学の理解のための重要な基礎を押さえる。
目次
1.前回の復習 (00:00:00)
前回の講義で、ストア派は自然イコール神と認識しており、万物の根源アルケーが、男性原理と女性原理に分かれ宇宙を造っていくとした。その時に、この宇宙のすべての生命、存在に種子的ロゴスが内在していると考えたストア派は、プラトンでさえ持っていた魂と物質との分離という概念を持っていなかった。すなわち、石や鉱物にも魂を認めているこの世界観は、非常に共感すべきものである。
2.ストア派における自然と論理学 (00:18:39)
ストア派は、万有、プシューケー、妖精・精霊、神々、それら全部を含めた統合体を自然(神)と捉えている。この自然が、植物には生育力、動物には欲望や感情、人間にはロゴスとして現れるとした。ここでは更にそこから一歩踏み込み、動物以下は本当にロゴスを持っていないのか、物事の本質を見るのに論理的思考能力は万全なのかということを詳しく検証する。そしてミトラ教の世界観と対比させることによって、そこから継承したものや相違点を読み解く。また現代の記号論理学に酷似しているストア派の論理学についても解説する。
3.ストア派の倫理学 (01:13:53)
ストア派は、哲学を精密化するよりも日常生活の中の実践を重視することで、賢者に到達しようとした。賢者というのは、東洋でいう悟りと同じで、到達する境地は同じだと考えられる。また、種子的ロゴスの概念を多方面から深く考察すると、全部の宗教が、根幹の部分は一貫して繋がっているということが明快に理解できる。これはポイマンドレースやカルデアンオラクル、神智学の理解にも欠かせないもので、後に取り上げる新プラトン主義のプロティノスの論文を読み説く際にも重要な基礎となる。
4.ストア派賢者の名言 (01:29:12)
ストア派の賢者とされるセネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウスの名言を取り上げる。ストア派は、このような本物の賢者を次々に生み出した立派な集団であるにもかかわらず、この哲学が世の中の主流になり得なかったことは非常に残念なことである。
終わり(01:53:29)
※詳しい目次は、映像を購入してログインすると見ることができます。
参考文献
- 「Webで読む西洋テツガク史」古代ギリシャ哲学 ストア派
- 「初期ストア派断片集3」 クリュシッポス 山口善久 訳 京都大学学術出版会
- 「河野與一と河野与一」ストア派/神的ロゴス/種子的ロゴス
- 「言霊.in」
16件のコメント
今回も竹下さんの驚異的な「教える力」が発揮されています。。
「〜ならば、〜である。」とかという、、いささかめんどくさい命題に対して、もう目からウロコ!!!の解説。。はあ。。すごい、、
そして眠くなりそうな所では、きっぱりと目を覚まさせてくれますっ
セネカさんご夫婦の在りようにも心打たれました。。
講義を受けると、なぜか親近感がわき、つい、ソクラテスさん、プラトンさん、セネカさんと
さん付けしたくなるから不思議です。。
何より今回は、個人的な祈りについてのアドバイスがあり、
これは聴いていて、何だか体が弛みました。。
なんというか、個人的な祈りに関しては、特にお金に関することとかはどこか後ろめたい思いがあったりしたのですが、どうか、是非映像配信で直に、「祈って下さい。」というところを聴いてみて下さい。
。
自分の願望にとらわれることが辛かったりするのですが、軽やかに手放せる術もはっきりします。
わたしの拙いコメントを「読んでいます」
と何人かの方におっしゃっていただき、つい調子に乗って長くなり申し訳ありません。
わたしはつい感情に走るので、他の方の知的なコメントの数々にも深く納得!感謝しております。構わない限りでたくさんの方のコメントが見れたらうれしいなあと思います。
「理性がふき飛ぶ!」とこころに刻み込みました。ヘーゲルやハイデガーはじゃんじゃん読んでますが、セネカは読んだことありませんでした。すごい賢者ですね。こんど読んでみよう。クリシッポスの名がでてきました。実はクリシッポスは哲学中級者にはすごい評判が良いのですが、日本では読めません。たしかショーペンハウアーの「意志と表象としての世界」に引用があってシビれたのを覚えています。ストア派はまた評価が高いです。クリシッポス、一年くらい前に探したんですが、読めないのが残念です。講義から逸れますが、私の哲学観として、現代ではヘーゲルは評価しません。研究者の愛好家はいますが、精神現象学ほど、そんなに御用にならなくてもいいだろ、国家に媚びすぎだろ、という哲学者はいません。五回くらい読みましたし、ほかの本もほとんど読みました。ヘーゲルの顔をみるとぞーっとします。いっぽう、ハイデガーは私はとても評価します。「存在と時間」より、ハイデッガー全集がすごいんです。進化段階は哲学者中最低の1.7です。この辺が不思議です。西洋哲学は低位メンタル体の遊戯でしかないと先生も同意なさるのではないでしょうか。一度でいいから、コーザル界とかに夢でいきたいです。気持ちの晴れない夢は毎日みるのですが。私ごとを書くとうっとうしい方もおられるでしょうが、黙るより、どんどん書くほうです。ナマイキッ!キラリ
久しぶりにコメントいたします。
初めから最後まで本当に素晴らしい内容でした!
竹下先生のお陰で、殆どの現代人が共通してもつ「狂った」思想からやっと抜け出せて、本来あるべき大事な感覚を取り戻しつつあります。現代人の「常識」は、真実の世界ではいかに「非常識」で間違った世界観であるかを感じます(真実ではなく、エゴによる妄想ですね。)。大昔から賢者によって正しい世界観が提唱されてきたにも拘わらず、そちらではなく、おかしな世界観の方を選択してきた愚かさを反省しました。そして、現代人はそれを加速させたように思います。今の私にもまだそのような傲慢さやエゴがあります。
反省して、地球の全ての生命に謝って、仲間に入れてもらえるように自分の内側に働きかけ、エゴを無くすように努力していきたいと思います。人間だけじゃなく、あらゆる生命で協力して良い社会を創りたいと強く思いました。
貴重なお話しをありがとうございました。
セネカさんの話感動しました。天界で夫婦仲良くしておられるのをうれしく思います。鉱物、植物、動物に意識を向けることで徐々に孤独感から解放されるかもしれないという気がしてきました。以前には、考えもつかなかった事です。ありがとうございました。
“上だ下だ、善だ悪だ…”
“バランスよく調和…”
“祈り…受け入れる…” 素敵ですね。
後、アリさんすご~い!!!
今日もありがとうございます。
幸せな気持ちになりました。
1時間40分あたりの「祈り」について
私的には必見です!!
ずっと祈ってきました。
苦しい時も幸せな時も...祈っても、うまくいかない!祈りなんて効かないとふてくされた時もありました。心が汚くて祈れない時もありました。
でも、ずっと祈ってきました。
最近、欲しいものが無くなって(少なくなって)きました。とても楽に生きることができるようになりました。そうしたら、気づきました。祈りによって私の願いが叶えられたということに...
私の願いは、穏やかな日々
を過ごすこと、楽に生きることだったのではないかと思います。
1ヶ月前くらいから、何かがふっきれたように楽チンに生きています(周りは迷惑かも〜〜??笑)。
しかし...
日々の仕事で、嫌〜〜な仕事をしなければならない事も多くあります。その都度「心を込めてこの仕事に取組めますように」と祈って仕事に向かいます。それでもやりたくな〜〜い病が出る事も多々ありますが、やっぱり祈っています。
まだまだ祈り続けます。もっと穏やかで楽に生きれるようになるために...
私の頭は、宗教学講座についていけていませんが、それでもいいのです。時々、竹下先生が私の頭にも分かるような内容(有益な余談のことです)をお話してくださるので...
祈りを教えていただき、ありがとうございます。
感謝
難しい宗教シリーズ、余談以外はいつも右から左でした。
でも今回は、すごく分かりやすかった!
お気に入りの回の一つになりそうです。
繰り返し観たいと思いました。
霊的な世界を、私たちに根気強く教えてくださる竹下先生に深く感謝します。
今回の目玉はフンニョーラちゃんと、セネカさんですね。
「食ったら・・」のくだりから、理解をあきらめかかった脳みそが再開し始め、かわゆいフンニョーラちゃんの出現ですっかり生き返りました。
セネカさん(はちコさんみたいに親近感をこめて)は、とってもステキなことばをたくさん残してくださってます・・って、先生のおっしゃってることと同じ!
私は、自分の身に何かが起きたら、それは神の計らいというより、霊的成長のために自分の高次の身体が選択したことだという意識があります。だから、自分に起きたことは、ただ受け入れるだけです。成長のために高次の身体が選択したことを肉体の祈りで打ち消すのは、馬鹿げているのでやりません。私は「御心のままに」という祈りはめったにしませんが、それに近い境地です。
祈りの素晴らしいお話をありがとうございます。
セネカさんご夫婦にも感謝です。
・・・フンニョーラちゃんも絶妙です笑
コメント見て、再視聴です。
最後の10分間で、正しい祈りかたを教えてくださってます。
ガヤトリーマントラを使わないほうがいい祈り、使ってもいい祈りを
区別して、どんどん祈っていこうと思いました。
私たちの祈り、行動で、素晴らしい時代が来ますように!
ストア派の大賢人の言葉が胸に刺さりました。
「その通り、その通り」と思うけれど、
実際に賢者のような生き方ができているかは疑問です。
それでも日々シャンティ・フーラで学ぶことで、
正しい生き方やものの考え方が随分と染み渡ってきた気がしています。
祈りについても、具体的な内容を祈りたいと思うことは減ってきて、
「御心のままに」の気持ちが強くなってきています。
それでも病気や生死に関することについては
「良くなってほしい、死なないでほしい」と思ってしまいます。
そう思っているうちは、そのように祈ろうと思います。
竹下先生 こんばんは。
ストア派の人たちの考え方や生き方などに、共感しながら拝聴しました。
根底に愛があると深いところから、人にたいしても物事にたいしても、
その見方や捉え方が、よりいっそう良いものになると思いました。
ありがとうございました。
「祈り」に対するアドバイスは大変参考になりました。
つい最近、個人的なことで神に祈りたいと思ったことがあったのですが、
どの神様に祈ればいいのかな?誰でもいいのかな?
こんなこと祈っていいのかな?と、
ちょっとあたふたしたことがありました。
講座でいろいろ勉強させていただいてから、ものの考え方が変わり、
ずいぶん楽になったのですが、昔は「神に祈る」ことができず、
個人的なことをお願いするのはダメかもとか、
自分にはそんな資格はないとか、
自分の中で「神様」とは、ちょっと怖い得体の知れない存在で、
神社に行くこともなかったのですが、
行ってもササッと挨拶して帰るという感じで、
たぶん神様アレルギー?だったように思います。
なんだかめんどくさい性格でしたが、今はだいぶ和らぎました。
公共的なことにガヤトリーマントラを使ってはいけない事は注意して
これからは祈りを大切にしていきたいと思います。
神様にお願いするときの心構えを教えて下さいました。
プラトンの「魂は不死なのだから富や名声に縛られず徳や品格を身に付けなさい」というのと
マルクスの「人に善くしてやった時、それ以上の何を君は望むのか。君が自己の自然にしたがって行動したということだけで充分ではないか」という言葉がこの世のモノとは思えないほど美しく、現実に今、プラトンやマルクスが語りかけてきたような衝撃が襲ってきました。
東のエデンというsfアニメがあるのですが主人公の滝沢くんが
「金の払い方は5歳のガキでも知ってんのに
もらい方は大人でも知らなかったりするんだよね(略)
俺は金は払うよりもらう方が楽しいって社会の方が
健全な気がするんだけどなあ。」
こんなことを言っています。すごく素敵な言葉でマルクスの言葉と似たような雰囲気を感じます。
セネカは「どんなに豊かな土壌でも、耕さなければ実りをもたらさない。人の心も同じである。」と言っています。
なのでこれらの言葉を胸に刻みながら、できるだけポジティブな意識を保ち、「善い」人生を送れるように楽しく努力していこうと思います