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- 70分
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概要
前回、仏陀はアートマンが存在するという立場も、存在しない(無我)という立場も共に愚かなものとして捨て、アートマンの存在に関する質問などには返答せず沈黙した事を説明した。今回は、仏陀がこの様な態度をとった真意、意図を別の角度から見ていく。
目次
1.誤解された仏陀の戒め(沈黙) (00:00:00)
自己に関する形而上学的な質問に対し、仏陀が沈黙した最大の動機の一つは、形而上学的議論は重要ではなく、まず苦しみから脱出する事が大事であると弟子たちを戒める事だった。だが仏教徒は、それを誤解し無我説をとるようになった。
2.沈黙はアートマンの直接の顕れ (00:11:48)
まず仏陀がアートマンを知り、体現していた事を裏付ける仏陀自身の言葉を示す。そしてインド正統派の賢人ラマナ・マハリシの教えを参考にしながら、仏陀が沈黙で表した、より深い意味を探っていく。
3.解脱者・悟得者と一般人の違い (00:30:04)
「自己実現した人はどう変わるのか」という類の問いに、ラマナ・マハリシや仏陀は答えないが、私(以下竹下氏を指す)なら丁寧に答える。そこで、本題からは逸れるが、高い悟りを得た人と凡人の違いを説明して、上記の問いに答えてみる。
4.神(アートマン)は言語に絶したもの (00:42:23)
合理的な言語表現が可能な世界(世俗の真理)と不可能な世界(究極の真理)について整理し、さらに私の言語体系に基づき、「存在」や「非存在」など一つ一つの言葉が言及できる領域を図示する事で、仏陀の沈黙をより明確な理解へ導く。
終わり(01:10:32)
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参考文献
- 「インド哲学七つの難問」宮元啓一著、講談社選書メチエ
- 「仏教(上)」ベック著、岩波書店
- 「ラマナ・マハリシの教え」ラマナ・マハリシ著、山尾三省訳、めるくまーる
- 「空と無我」定方晟著、講談社現代新書
5件のコメント
「沈黙は全宇宙をおおっている」
竹下先生の講義を、楽しんでいます。
仏教を客観的に見る視点に気付かされました
竹下先生の説明は素晴らしくシンプル、
大変 すっきりした気分です、有り難うございます
自己(アートマン)は沈黙として体現・表現されるとのこと。ウィトゲンシュタイン流に言えば、「語る」ことはできず、「示す」ことしかできないものですね。
だんだんと、頭がこんがらがってきたようにも思いますが、仏陀とマハリシは 沈黙 というカタチで自己(アートマン)を表現したのだな、すごいなあと思います。
話すことも、考えることも超えてるのが自己
自己は宇宙を覆っているから、仏陀やマハリシのようなものが出てくると存在するだけで世界は救われる。というのはすごいなあ〜と思います。
仏教の事が非常に分かりやすかったです。
ここまで、明確に説明してくださると、ありがたいです