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- 86分
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概要
大乗は「空」をいかに理解するかにかかっているが、説一切有部は正反対の「実体」を認める哲学を展開した。従って有部の思想を理解しておくことで、逆に「空」の意味が良く分かる。このような理由から前回、前々回は難しい有部の思想を説明したが、その甲斐もあり今回は非常に分かり易いと思う。
目次
1.導入 (00:00:00)
五位七十五法は、仏陀が無常と説いた五蘊を細分化した有為法と、虚空、涅槃などの恒常な無為法に分けられる。
2.仏の十大弟子を超えたヴァスミトラ (00:06:54)
説一切有部:『品類足論』の著者ヴァスミトラが到達した最高の意識レベルは、仏の十大弟子の誰よりも高い。従って彼が展開した五位七十五法は、問題があるものの、それほど無意味なものとは思えない。また、ここで魂の進化に伴う自己(プルシャ、パラマートマン)の上昇について述べる。
3.有部の思想の総括 (00:36:28)
これまでの復習という形で説一切有部の思想を総括する。その過程で「無常であるから苦」と言う仏教の思想に対する私(竹下氏)の見解や諸行無常、諸法無我という言葉は五位七十五法を意識したものであることを説明する。また、永遠の本体と化身(肉体)の具体例(写真)をお見せする(ユーモア)。
4.有部の真意 (01:15:09)
説一切有部の思想は説明不足のため、論理破綻と見なされ歴史から消えた。しかし、私(竹下氏)なりに彼らの真意を汲み取ると、彼らの理論はそれなりに理解できるものであり、再研究の必要性を感じる。
終わり(01:26:59)
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参考文献
- 「ナーガルジュナ」中村元著、講談社
- 「空の思想 仏教における言葉と沈黙」梶山雄一著、人文書院
- 梶山雄一著作集第四巻「中観と空1」春秋社
4件のコメント
説一切有部という、まったく初めての概念を勉強させていただきました。
難しいけどおもしろかったです。
最後の先生の結論は、的に当たっていると感じます。
アナログの、実の詰まった、直流の世界を体験した方でなければ、このような結論は出てこないでしょう。
袋小路となった説一切有部にとっては、新たなよみがえりの視座となるのでしょうか。
またまたお見事な一本でした!
まるで、錬金術のようです。
プルシャの自己実現を、ある人は自己と言い、ヴァスミトラは択滅無為であり自己ではないと言うが、言葉として前者の方が便利とのこと。後者の場合、自己を定義した上で、それでないことを説明しなければならないので、手間が余計にかかりますね。
システムを超えて進化・浮上するプルシャやパラマートマンのことを聞き、サーンキヤ哲学がなぜプルシャ(自己)とプラクリティ(自性)の合一から世界が展開すると説明するのかやっと納得できました。
クローン技術については、竹下先生がご指摘の通り、魂のレベルまで考慮して技術を確立する必要があると実感いたしました。時事ブログによると、宇宙人が作ったグレイなどはヒューマン型ではありませんが魂は動物レベルにあるとのこと。同じことがヒューマン型クローンでも起これば、宇宙の秩序を乱す行為にならないか心配です。人類は既にクローン技術を取得しており、この問題に対処すべく霊的な科学の発展が急がれると思いました。
説一切有部が説明しきれなかった「刹那滅」。もし竹下先生の解釈に近いものだったなら、デジタルが理解されている現代に再浮上してくるかもしれませんね。この世界が無常で必ず変化するのなら、良い方へ変わっていきたいと願います。