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- 76分
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概要
前回まで、般若経を取り上げ大乗の基本的な考え方を説明した。今回から、大乗思想の二つの山(中論と唯識論)の一つ、ナーガルジュナの中論に入っていく。今回は最重要部「帰敬偈(ききょうげ:不生・不滅の縁起)」のみを解説する。
目次
1.ナーガルジュナ(ナーガルジュナ)の業績 (00:00:00)
ナーガルジュナ(150~250年頃)は、釈迦が説いた縁起を拡大解釈して「空」の思想を展開した。これにより、後の大乗仏教に決定的影響を与え「大乗八宗の祖」と仰がれている。彼は説一切有部を徹底的に論破していく(つもりの)中論を著した。
2.中論の難解さ及び中観思想家の実態について (00:08:20)
中観思想家は世界を空・夢と見なしたが、哲学は理想を表しただけで、実際には心の平安とはほど遠く狂瀾に満ちた生涯を送った。彼らが現実に見たものは、醜い人の世の悪夢だった。
3.「世界は空」の証明と反論 (00:33:54)
般若経や中論では、「もし、ものが実在するならば、因果関係、生滅変化の世界を説明できない。従ってものは空である。」と主張して、「空」を証明したつもりになっている。ここでは、これが本当に証明になっているかどうかを検証していく。
4.不生・不滅の縁起 (00:44:00)
帰敬偈(不生・不滅の縁起)は、ナーガルジュナが説一切有部の原子論的世界観を論破するために、仏陀の縁起を彼なりに解釈したものである。これについて、空の思想と原子論が対立する根本原因を明らかにし、また中論における議論の飛躍を指摘する。
5.今回のまとめ (01:03:59)
三枝充悳の著作「ナーガルジュナ・親鸞ノート」から文章を拾い、今回の講義内容の正当性を確認していく。最後に、「実在」の定義についての私(竹下氏)の立場を述べる。
終わり(01:16:38)
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参考文献
- 「空の思想 仏教における言葉と沈黙 」梶山雄一著、人文書院
- 「ナーガルジュナ(ナーガルジュナ)空の論理と菩薩の道 」瓜生津隆真著、大法輪閣
- 増補新版「ナーガルジュナ・親鸞ノート」三枝充悳著、法蔵館
3件のコメント
実体である原子で世界が構成されているという説一切有部を大乗仏教は否定しているとのこと。説一切有部を全否定するより、実体の定義を見直す方がずっと建設的だというのは、その通りだと思います。
悟りを得て覚醒している人が、世界をどう見ているかが語られています。
改めて、ネコの偉大さを再確認いたしました。
現代物理学を通して、説一切有部と般若経典の立ち位置を説明し、
実体の捉え方を考えなおした方が建設的だとする解説は、
現代人に分かりやすく、柔軟性に富んだ、スッキリした考え方だと思いました。
物理学者が五唯を発見したらどうするのか?、と竹下先生が指摘されてましたが、
中西さんの通信文からも分かるように、その内、意識をもって話しかけてくるクォークなどが
発見されるかもしれませんから、変化に対応できる考え方の方が、世界を上手く説明できますよね。
違うかもしれませんが、ミクロとマクロの関係が解ったような気がします。
人間の意識と独立した素粒子は存在しない。
観ている素粒子 イコール 観ている人間の意識、ミクロとマクロはフラクタルのように関係している。
素粒子、ミクロは、観察によってマクロの物として世界として立ち現れてくる?
マクロしか見えない世界なのですが、それは、ミクロでもある。
でも、意識をすでに持っているクォークというのは、何ですか?えっ、わたしの意識との関係性は?混乱してしまいます。