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- 65分
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概要
ナーガルジュナは説一切有部を論破したつもりになっているが、実際には自性の定義を誤っていること、さらに「自性でない」と「自性がない」を混同したため議論が全くかみ合っていないことなどを前回説明した。今回は、この事をもう少し具体的に見ていく。(注:なお、前回に続きホームページ「 空の思想 --- ナーガルジュナの思想 ---」から文章を拾って説明していくので、一読しておくことをお勧めする。)
目次
1.五位七十五法の復習 (00:00:00)
説一切有部(アビダルマ論師ら)の五位七十五法は、サーンキヤ哲学の展開論に当てはめると非常に優れたものだと分かる。これが大乗仏教によって葬られたのは残念なことである。
2.内在する究極のエネルギー (00:16:43)
アビダルマ論師は、「諸々のダルマには自性が内在している」と主張する。「自性」を我々に馴染みのある物理学の言葉で置き換えると、彼らの主張の意味や自性の性質が良く理解できる。
3.ダルマ(法)は変化するのか (00:28:35)
『「因縁があるから転変なし」ともいわれ、「因縁があるから転変あり」ともいわれる。』というアビダルマ論師の主張を解説していく。
4.アビダルマ論師は「無常」を否定したか (00:44:34)
「自性の思想が仏教の基本思想「無常・無我」と矛盾する」というナーガルジュナからの批判に対する、アビダルマ論師の反論を見ていく。
5.縁起と自性 (00:54:17)
縁起と自性を対立させて「無自性」を説くナーガルジュナの論理を検証していき、彼の業績と中論の正体を明らかにする。
終わり(01:05:16)
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3件のコメント
上に紹介されているホームページの文章を先に読んでから拝聴したので、良く理解できました。次回はもっと詳しい中論の講義ということなので楽しみです。
ダルマ自体の性質を執持し散壊させないのが自己(プルシャ)の役割とのこと。自己は常住不変だから、それが可能なのでしょう。
竹下先生の準備の素晴らしさが表れた回でした。
ここで、前もって解説された説一切有部や、ナーガルジュナの自性の定義の誤り、
「である」と「がある」の違いが生きてきます。
これがなければ、ナーガルジュナの言っている事やその誤り、中論の正体も分かりませんでした。
自性をエネルギーとして捉えると、大変分かりやすいですね。
物質レベルと意識レベルという違いはありますが、
現代物理学に照らし合わせると、サーンキャ哲学の世界観がイメージしやすいです。
アビダルマ論師たちの成果が、レベル違いの的外れな批判で投げ捨てられてしまったのは、本当に残念ですね。