試聴映像
映像を観る
- 時間
- 70分
- 価格
- 1.0 枚 500 円 ( 税込 550 円 )
概要
後期中観派は大乗仏教思想を完成していくが、その詳細は次回以降に回す。今回は仏教諸派の四種類の認識論(世界の見方・認識の仕方)について、それぞれを象徴する写真を用いながら解説する。哲学的で難しい部分もあるが、ここまで続けて受講している方は恐らく理解できると思う。また、最後に私(以下、竹下氏を指す)自身の認識論を紹介する。
目次
1.後期中観派の概略 (00:00:00)
8世紀末、中国の禅者摩訶衍(まかえん)が属する頓門派は、修行の階梯は不要であり一瞬で悟りは得られると主張した。一方、インドの後期中観派・漸門派は、修行の階梯なしに智恵は得られないとし、仏教の主な四学派を序列化し壮大な修行体系を完成させた。
2.認識論1.無形象知識論と有形象知識論 (00:14:01)
説一切有部と経量部の立場は、共に外界が存在することを認めるが、外界の物そのものを知ることができると考えるか、できないと考えるかに違いがある。
3.認識論2.無形象唯識派と有形象唯識派 (00:31:45)
唯識派は、外界は存在せず世界は表象・イメージのみとする立場である。そして無形象唯識派は中観派と極めて近い立場であり、表象と思惟(言葉)は同じもので共に迷妄と捉えている。一方、有形象唯識派は認識の表象を「形象+思惟」と捉え、思惟の解釈を除けば迷妄から解脱すると考えている。
4.結論:竹下氏の認識論 (00:44:35)
以前、自性・プラクリティが意識と心・物に展開すると述べたが、これこそ全ての哲学の解答である。この立場から私の認識論を説明し、唯識・中観派やカントの認識論の誤りを指摘していく。
終わり(01:10:43)
※詳しい目次は、映像を購入してログインすると見ることができます。
参考文献
- 「中観と空Ⅰ」梶山雄一著作集 第四巻、春秋社
8件のコメント
2回目をみせていただいたときに、目が爛々とするほどおもしろく感じました。毎回のことですが、たとえで出される写真がものすごく的確で何をいわんとしているのかがよくわかりました。それぞれの学派や哲学者や竹下先生がどういうふうにこの世界を見ているのか垣間見させていただきました。大乗仏教にはいって、正直難しく感じることや学術的な内容が多くなり、もっと竹下先生の世界観を学びたいと感じるときもありましたが、これまでの大乗仏教の講義がなければ、今回のような知的な興奮はなかったかもしれないなぁと思いました。これから初級中級上級といったいどんな内容になっていくのかすごく楽しみです。いつもいつも素晴らしい講義をありがとうございます。
感 謝
本当の自己にたどり着くための「ガイドブック」
星の数をほど数多く存在する哲学書、宗教文献、形而上学本はあくまであるルートにたどり着くための地図帳なのであって、それ以上でもそれ以下でも無いということがよく分かりました。
なので、竹下先生の教えられることも絶対的な真理として捉えるのではなく、『至高の愛』を実現するための「ガイドブック」なのであり、これは正しい、真実であるからと他者に押し付けるのはやめておこう!と深く理解することが大切なんだなと思いました。
こちらもオススメです!
というか、どれを見ても光を観じます。
それは竹下さまが伝えようとしている到達点ゆえなのでしょうか。
その初級における、この吸引力に魅かれている私たちは幸せものですね。
中身に!お声に!おヒゲに!(笑)
リンギング・シン
おもしろい回でした。
夫婦の「カント」のノートを引っ張り出して復習しながら見ました。
心の定義も、意識と心の関係も、心と物の関係も、聞くたびにいつも「そうだったんだ!」と一粒で何度も感動しています。
今回は順を追って拝聴しました。
この一年、わかりやすい地図にはまり続けています。
光と闇の結婚が色彩(ゲーテ)において、意識の光が照らす清く輝く心!の解説には言葉を失いました。
プルシャの子たる意識という地図・・・イセエビ(宗教83)のように透明になります。
どんぶらこ
人の心が変化すると大気成分の濃度が変化するのが確かめられる時代が来るとのこと。江本勝氏の氷の結晶写真も、心が物を変化させる例ですね。
会員登録でいただいたチケットでどれを視ようかと視聴映像を150本見てから随分迷った挙句に選んだこの講義。
眼ウロコであり、余りの講座内容の質の高さに驚愕、感激しました。
1963にノーベル医学生理学賞を授与されたジョン・C・エックルス卿(John Carew Eccles)は脳神経科学の大家ですが、卿の考える人間の認知は有形象知識論と同じでありカントの哲学に基づいていたのだなと、この講義で気づかされました。
ナーガールジュナの悟りと釈尊の悟りのレベルの違い、プルシャとプラクリティを否定して排除してしまった仏教の誤謬と唯識、中観、空の思想の誤謬・・・この一本を拝見拝聴しただけで、これまで読んで「分かるようで分からない独りよがりだな」という感想しか持てなかった、仏教(殊に大乗)関係の解説書の誤謬が見えて、自分で読み解く視点の確かな足掛かりが与えられました。
竹下師の博学と明晰な思考、解説の分かりやすさにこの一本で心服致しました。
ありがとうございます。
竹下先生の最後の解説は本当に分かりやすく、納得のいくものでした。
これまで、外界は存在しないとか、世界はホログラムのようなものだとか、世界は自分の心を見ているようなものだとか、いろいろ説明している方の話を聞いても、疑問に感じていました。自己は無いとか、無だとか、様々な説で混乱するばかりであったのが、竹下先生の解説でスッキリと分かった気がします。
これまでは、象の全体像を見ていない人が、象の鼻や足や頭だけを説明していて、象の全体像を見て、説明してくれる人がいなかった感じに近いです。
机上の空論の哲学…。
わからないはずです。(~_~;)
簡単でシンプルで分かりやすいので、あっ、そうか、と納得できる素晴らしい内容の超オススメの講義です。