宗教学講座 初級コース 第121回 不二一元論(流出論)


【映像時間】

76分[500円+税]

【内容の一部紹介】

シャンカラの不二一元論(アドヴァイタ)を説明したいと思います。「インドの「一元論哲学」を読む」(宮元啓一著、春秋社)の最初の部分はシャンカラの著作を解説しています。良くまとまっていて非常に優れているので、その部分を取り上げたいと思います。シャンカラは隠れ仏教徒と言われており、その哲学は仏教とほとんど差がありません。唯一の違いは何かというと、アートマンを認めるということです。仏教はアートマンやブラフマンを認めません。ここだけが違うというぐらいで、思想的な部分は仏教に依存しているのです。

これまで非常に長い間、大乗仏教を丁寧に説明してきました。かなり難しいこと、大学の東洋哲学の哲学科の人も分かっていないような、研究者の方もはたと膝を打つ内容をやってきているつもりです。だからこれまでついて来れた方は、シャンカラの不二一元論はものすごく簡単です。仏教はプルシャとプラクリティを認めないが故に支離滅裂になっていて、何を言いたいのか全然分からないということになってしまうし、各派閥によって言っている意味が全部違っています。そういうことが、シャンカラの場合は一人の哲学ですからないわけで、非常に明晰なのです。そういう意味で言うと、最も分かりが良く簡単だということになります。それは大乗仏教の知識を前提として簡単であるということです。大乗仏教とか唯識論、サーンキヤ哲学を全然知らないで、シャンカラの哲学だけ最初に読んだら全く分かりません。歴史的にも順番にそうなっており、前のものの基礎を前提としてある程度理解できている人は、シャンカラが何を言いたいかという要点さえ掴めば、これは非常に明解で簡単、シンプルな哲学であるということです。

(講演内容を元に編集:文責シャンティ・フーラ)

50:00頃に登場するスライドで、下から2行目が「重して」となっておりますが、正しくは「住して」です。

【概要&目次】
今回から、シャンカラ(8世紀前半)の不二一元論を説明していく。今回は宮元啓一氏の文章をテキストとして、歴史的な流れや不二一元論の輪郭を捉える。シャンカラの思想は、ある一点を除き仏教と大差がなく、大乗仏教の講義に何と無くでもついて来れた人にとっては、非常に単純明快なものである。
1.シャンカラの業績と歴史的経緯 (00:00:00)
  • シャンカラが属したヴェーダーンタ学派は、流出論的一元論を説く「ブラフマ・スートラ」を根本教典とした。しかし、この一元論には二つの難問が付きまとうため、一貫して合理的な解釈を与え得た者はなかった。シャンカラが初めて「ブラフマ・スートラ」の全面的な註釈に成功するまでの歴史的な流れを概観する。
2.言葉の問題 (00:26:45)
  • 前章の二つの難問について、哲学的立場から問題の本質を解き明かす。
3.宇宙の創造神話1 (00:35:50)
  • なぜ、どこをとっても同質な、一元なるものから流出した世界に清浄なものと不浄なものがあるのか。それは宇宙の創造神話と深くつながってくる。そこで本章と次章では創造神話をいくつか見ていく。
4.宇宙の創造神話2(ユーモア? 真理?) (00:46:47)
  • 皆さんは、これまで哲学をそれなりに理解して下さっているので、伝授されるに値すると判断して、レイノルズ一家に伝わる秘中の秘・創造神話をついに皆さんに公開する時が来た。これに内包されている、幾重にも深い真理を汲み取っていただけたら良いと思う。
5.シャンカラの哲学 (01:02:30)
  • 最後にシャンカラの哲学的立場を概観する。彼は一元論を守るために流出論を排斥(詳細は次回)することで「ブラフマ・スートラ」の注釈に成功した。そして「隠れ仏教徒」だと非難されるほど、仏教から多くを拝借して不二一元論・世界幻影論を完成させた。
終わり(01:16:38)

【参考文献】
  • 「インドの『一元論哲学』を読む」宮元啓一著、春秋社
【キーワード】
DNA、「プラクリティ」「プラダーナ」「ブラフマン」「マーヤー」はみな「原質」を意味する同義語である、はなつ する かます こく ひる、アインシュタイン、アホーターケートゥ、サットヴァ、サーンキヤ・カーリカー、シュヴェータケートゥ、スヴァー、タット、タマス、ナーガルジュナ、ブラヴァッキー婦人、ブー、ヘコータレッテ・アールニー、ヤージュニャヴァルキヤ、ヨーガ・スートラ、ラジャス、ヴワー、光すなわち永遠の闇、全ての人はハゲである、唯一にして第二のものなかりき、唯識論、宇宙の根本原理ブラフマン、完全無欠、密閉された球状のガラス容器、幻影・マーヤー、最高自己、梵我一如、汝はそれなり、無明、男尊女卑、空、聖なるアクシュミー・マントラ、自己・プルシャ、自己完結、自己相似、自性・プラクリティ、誰が? があるはずがなかろう、金魚、非実在

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12件のコメント

  1. 参考になった(1)

    レーノルズ一家楽しそうです。幾重にも重大な秘密が隠されているらしいのですが、私には一つしかわかりませんでした。

  2. 参考になった(0)

    レーノルズ一家の神話の中にあるという深い真理を解き明かしていきたいと思いました。

  3. 参考になった(0)

    今日、実は、私も16個以上の創造をしました。カルマ(ン)渦が生じるほどの流速でした。

  4. 参考になった(0)

    「真理をくみ取って下さい」と言う先生のお言葉に、思い至る事がありました。以前野菜を育てる時に、最も濃密で実体を伴う第4の創造タットをくみ取っていました。これは第5の創造だったのでしょうか?

    Re:竹下雅敏氏より
    『最も濃密な実体を伴うタットは、ガス状であり、これが凝固して、目に見える形状になります。宇宙がこのように形成されてきたことは、現代物理学の知見と合致します。創造神話は、現代物理学が解くことの出来ない最初の一撃の謎をすべて説き明かしています。地球がこのようにして誕生したということを得心して、宗教学講座第67回即非にて紹介した名曲「ブリーフ」へとつながってゆくのです。』

  5. 参考になった(0)

    ご一家の神話に吹き出して笑ってしまいました。先生のこういったセンスは本当にピカイチで大好きです。

  6. 参考になった(0)

    ガヤトリーマントラを唱えさせて頂いている時に、
    この先生の講座を思い出してしまいました。
    吹き出しそうになってしまったじゃないですか(泣)
    これぞ「苦行」と思いました(大泣)

  7. 参考になった(1)

    5のコメントを書いたものです。
    直々にご返答いただきました事、心より感謝致します。
    改めて不滅の名作「ブリーフ」を聞き、自分の理解がまだまだ至らない事が痛感されました。
    今後は「梵我一如」を遥かに超える真理「うんが一如」を目指し精進致します。

  8. 参考になった(0)

    創造神話について、

    頭が硬いのか、うーん、うーんと、りきんで考えておりましたが、ストンッと落ちるようにわからせていただいたような気がいたします。

    合 掌

  9. 参考になった(0)

    世界(有なるもの)は「有」から生じたと考えるより、「無」から生じたと考える方が自然だと思います。「有」の概念は、それ自体では意味をなさず、「無」との対比によってのみ意味をなすものだからです。また、「無」についても、それはある仕方で「有」るものです。

  10. 参考になった(0)
    めいこちゃん on

    サーンキヤ哲学、シャンカラの哲学、仏教の思想のいったいどこが違っているのかが、よく理解できました。
    仏教は世俗には真なり〜仏教が俗っぽいイメージがあるのは、自己と自性を説かない思想だからなのかな、、、それから、言葉の定義を明確にしなければ理解も変な方向へ行きかねないということで、、、皆、愚にもつかない議論をして悦に入ってしまっているのかなと思ったりしました。

    同質もフラクタルで考えると深いです。
    自己(プルシャ、またはアートマンとか)って、なんなのかな、証明不可能、誰なのか(自己なのに)言ってはならないし言えない?宇宙に遍満してある自己?ただそれは在ってくれなくては、、、と思いました。

  11. 参考になった(0)

    Q&Aで「ガヤトリー・マントラのことをガヤマンと略す人には、少し違和感を感じるのは確かです。ガヤトリー女神に敬愛を感じている人が、このような省略形を使うだろうかと思うからで、例えて言うと天皇陛下に対して“天ちゃん”と言うようなもので、本人は親しみを込めて言っているのかも知れませんが、相手は至高神です。
    私が軽はずみな人が多いということの意味を少しでも理解してもらえるとありがたいと思います。」とおっしゃられていた竹下氏が創造神話のお話の中でガヤトリー・マントラをもじったマントラをガヤトリー・マントラの節で唱えられていたのを聞いて、違和感を感じました。