宗教学講座 初級コース 第227回 秘密伝承(アーサー王伝説:伝説の創造)

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  • 1. テーマ:アーサー王伝説の本質や由来
  • 2. アーサ王伝説の時代背景とモデルとなった人物候補
  • 3. アーサー王のモデルと伝説を創作した一団

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78分
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概要

前回の講義ではアーサー王伝説の全体像を説明した。今回は、アンヌ・ベルトゥロの著作である「アーサー王伝説」という本から要点の部分を取り出し、アーサー王伝説の本質に関して説明をする。

目次

1.講義の前に (00:00:00)

ここでは基本的に何も知識を仮定していないので、この講座だけでも理解出来るように解説をしているが、前回の講義で概観を捉えておくとより一層わかりやすいと思われる。

2.アーサー王のモデルとなった人物は誰か (00:02:20)

イングランドの歴史的背景を押さえ、アーサ王のモデルとされる侵略者と戦った百人隊長アルトリウスについて検証する。彼自身の生年とアーサー王物語の時代設定にはズレがある事などからも、アーサー王物語自体が勝手に作り上げられたフィクションである事がわかる。

3.アーサー王物語の首都キャメロットはカドベリー・カースルか (00:22:53)

グラストンベリー修道院が一枚噛み、政治的プロパガンダによってアーサー王伝説地図が描き上げられたという論証を詳しく検証する。そうすると、ここでも現実のアーサー王との矛盾点が明らかになる。

4.アーサー王伝説が作られた意図とその工作〜(1)王家の正統性 (00:30:34)

アーサー王物語は何のために描き上げられたのか。王権の成り立ちから検証し、血筋を正統化するために、「ブリタニア列王史」、「ブリュ物語」、「アーサー王伝説」、「聖杯物語」という長期に渡る伝承を作り上げていった様子を検証する。

5.アーサー王伝説が作られた意図とその工作〜(2)「ブリトン人の希望」の粉砕 (00:52:36)

プランタジネット朝はブリテン人を味方につける必要があったが、アーサー王の復活を望む伝承がそれを阻んでいた。それを打開するためにいかなる方法を用いたか。権力者たちが人々に嘘を信じさせ、支配していく長期計画の全貌を明らかにする。

6.アーサー王の本当の子孫は誰か (01:06:31)

現在のイギリス王家のエリザベス女王は、自分たちがアーサー王の子孫だと言っているが真実ではない。サンクレア家とテンプル騎士団の繋がりを検証し、サンクレア家の傍系であるシンクレア家について言及する。

終わり(01:18:46)

※詳しい目次は、映像を購入してログインすると見ることができます。

参考文献

  • 「アーサー王伝説」アンヌ・ベルトゥロ著、創元社
1066年、「センチュリオン」ゲルマン民族の大移動、アイルランド、アングル人、アングロ・ノルマン人の僧ワース、アンジュー伯ジョフロワ・プランタジネット、アンジュー朝、アントニヌスの長城、アンドリュー・シンクレア、アヴァロン島、イエスの子孫、ウィリアム・サンクレア、ウインチェスター地方、ウェセックス伯ハロルド、ウェールズ、エディンバラ、エドワード懺悔王、カトリーヌ・ド・サンクレア、ガリアの族長、キャッスル・キャリー、キングストン・アポン・ハル、ギリシャの王族、グウィネヴィア、グラアストンベリートー、グランドマスターの家系、ケルト人、コーンウォール半島、サクソン人、シオン修道会、ジェフリー・オブ・モンマス、ストーンヘンジ、ソールズベリ平原、ダルタマティア、テームズ川、トロイの王族、ニブン・シンクレア、ノース・キャドベリー、ハドリアヌスの長城、ハロルド2世、ハンバー川、パーシヴァル、ピクティ、フリーメーソン、フン族、ヘイスティングス、ヘンリー1世、ペインティング、マケドニア、マティルダ、マーリン、メロヴィング朝、ユリウス・カエサル、ユーグ・ド・パイヤンス、リゴタムス、リチャード獅子心王、ロスリン教会、ヴァイキング、入れ墨、円卓の騎士、征服王ウィリアム、王位継承権、第4代ローマ皇帝クラウディウス、簒奪帝マクシムス、聖杯の探求、英仏海峡、蛮人
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3件のコメント

  1. 参考になった(3)

    数年前かと思いますが、子供向けのテレビドラマで、アーサー王とマーリンの物語があり興味深く観ていました。若きアーサーと修行中のマーリンの友情物語で、洞窟に住む竜なども出てきておもしろかったのを覚えています。
    その前後に、アーサー王伝説は小説であり、この場所で執筆されたであろうという歴史番組も観ましたが、ドラマで演じられたふたりの「友情」「信頼」「正直」などのテーマが沁みついて、悪意ある意図は覆い隠されるのに貢献していたと思います。

    今回の講義で「マーリン」のことは詳しく語られませんでしたが、アーサー王伝説の重要な目的になっているように思います。「時を超える聖伝説」という本があり「マーリン」が語る形式をとっていますがとても影響を受けました。
    ほんの少しの事実がちりばめられている手法に、たくさんたくさんだまされてきて、これからも気をつけなければと学ばせていただきました。

  2. 参考になった(1)
    ぴょんぴょん on

    何がどうつながるのか、おもしろくなってきました。
    次回が待ちきれません!

  3. 参考になった(0)

    プランタジネット朝の者たちは100年がかりの嘘をついたとのこと。世界中の神話が嘘だらけなのも考えると、この世界は相当病んでいると思います。嘘は嘘つきの名前を明らかにした上で、事実と区別すべきですね。