「蚊の撲滅」を目的としたブラジルでの「成虫になる前に死ぬ遺伝子操作」を施された蚊の放出実験が大失敗していたことがネイチャーの論文で発覚。遺伝子を操作された蚊たちは数世代で元通りに
ロシアの報道で、「
ブラジルで行われていた、遺伝子操作により蚊を撲滅させるプロジェクトが失敗した」という内容の冒頭の報道を見つけました。
(中略)
当時、
ジカ熱とデング熱、そして黄熱病やマラリアなどの、それぞれ蚊が媒介する感染症が流行していました。
特に
ブラジルでは、妊娠した女性が感染すると、お腹の赤ちゃんに障害が出る可能性が高いジカ熱と、高熱と痛みに苦しめられるデング熱が大変に流行していまして、
これらの感染症の拡大を防ぐために、
「遺伝子操作を用いて、蚊を根絶する計画」
を実施することにしたのです。
オキシテック社(OXITEC)というイギリスにある
昆虫の駆除やコントロールをおこなう企業が、遺伝子操作により、ジカやデング熱を媒介するネッタイシマカだけを撲滅させるプロジェクトを
ブラジルで行う実験を開始しました。
この遺伝子操作は、
「
次の世代の幼虫が成虫になる前に死ぬように遺伝子を組み替えた」
もので、
その蚊たちをブラジルに一斉に放出したのでした。
このような遺伝子操作ですので、
計画通りなら、この蚊の子孫たちは死に絶えることになります。
(中略)
このやり方は、WHO も、世界中の企業に呼びかけていました。
(中略)
(中略)
いくつかの組織が、この試みを開始し、中でも英オキシテック社は、ブラジルで大規模な「蚊撲滅実験」を実施したのでした。
実験が成功していれば、ブラジルに放出された蚊と、その子孫は、今はすべて死んでいる「はず」で、その遺伝の繰り返しの中で、ブラジルの蚊は、大幅に減少していた「はず」でした。
ところが、
現実には、
「放出された蚊たちは、大繁殖を再開していた」
ことが米イェール大学の調査でわかり、その結果が、9月10日の科学誌ネイチャーに掲載された論文に記されていたのでした。
つまり、実験は失敗したわけで、
それどころか、予想外の悪影響の可能性だけを残したということになりました。
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