[Sputnik]日本は年金受給者の金を失っている? 〜2年間で約30兆円も縮小 安倍政権は責任をとって7月29日に退陣せよ〜

 今回の参院選で、改憲の次に争点になるのが年金だと思いますが、この2年間で年金機構の規模が試算で3000億ドル(約30兆円)も縮小したことをSputnikが報じています。
 また2015年度の公的年金の運用損が5兆円以上であることが厚生労働省に報告されていますが、これを公表するのは参院選後の7月29日になっています。7月29日に安倍政権は責任をとって退陣するべきだと思います。板垣英憲氏の情報でも、参院選後の安倍首相の退陣、自民党の分裂、新首相誕生の話題が出ています。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)



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日本は年金受給者の金を失っている?
転載元)
タチヤナ フロニ

日本は2014年12月の時点ですでに、証券市場支援のために年金のプールに手を付けるリスクをおかす覚悟だった。この際すべての希望はアベノミクス、つまり企業の収益回復と成長の長期戦略にかかっていた。アベノミクスの中には、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)にとっても良好な収益率が得られることも計画のうちに入っていた。しかし、その時からGPIFの規模は縮小。今日、年金機構の規模は試算で1兆1000億ドル。だがわずか2年前には1兆4000億ドルだったのだ。

(中略) 

もし今、日本政府が長期債券にシフトし始めるのならば、年金受給者の負担で、国民の購買力を維持することもできるだろう。しかし、日本政府の経済顧問らがポートフォリオのバランス回復という目的をGPIFが達するにはさらに6~12か月は必要と確信しているため、それは起きていない。

モルガン・スタンレーの試算では、GPIFは9兆8000億円の有価証券を売り、4兆2000億円の株を買う必要に迫られている。残念ながら、日本にとっては何かを変えるには遅すぎるかもしれない。現在、日本全体が、アベノミクスこそ唯一の解決策だとやっきになって証明しようとしている日本銀行に捕らわれの身になっている。


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公的年金運用の失敗か - GPIFの10兆円マイナスを考える -
転載元)
<半澤健市(はんざわけんいち):元金融機関勤務>

《GPIFの大損発生はアベノミクスの破綻》

 「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)の2015年度決算(2015年4月~16年3月)で、運用資産に巨額のマイナスが発生したと報道されている。その上、今期に入り英国のEU離脱による世界株価の下落で更にマイナスが拡大した。『東京新聞』(2016年7月5日)は、野村證券の西川昌宏アナリストによる推計をもとにして、GPIFの巨額損失を報じ、日本総研の西沢和彦氏のコメントや、「解説」記事で、政府の説明不足を厳しく批判している。

私の金融機関勤務は20年前に終わり知見は陳腐化していると思うが、それでも昨今のメディア報道や政治家の論議はあまりに幼稚だと思うので一言したい。
以下の3点に絞り問題点を述べる。
一つは、運用成果の開示について。
二つは、投資期間の長短について。
三つは、投資成果の測定基準について。

《運用成果は日々分かっている筈だ》 

 GPIFは、約140兆円の資産を運用する世界最大の機関投資家である。
確かに巨額である。しかし、その運用資産は国内外の債券、株式、金融派生商品であり、常識で理解できないような難しいものではない。読者は、証券投資信託(投信)には馴染みがおありだろう。日本国内でも何千種類の投信が発売されている。その基準価格は日々発表され、投資家はその価格を見て、売買をしている。基準価格とは、簡単に言えば組み入れ銘柄の株数に当日の株価を乗じたものの合計である。今、株価や証券価格はインターネットで容易に検索できる。読者は、たとえば、Bloombergという金融情報会社のサイトを開けば、東京やニューヨークは勿論、ブラジルでも、バングラデッシュでも、モンゴルでも、株式市場の指数をリアルタイムで見ることができる。

GPIFは、金額が大きい投信と考えればよいのである。GPIFの内部では、おそらく時々刻々に、保有資産明細(ポートフォリオ=書類挟みの意)が端末の画面に表示されている筈だ。とりわけ日本株については毎秒単位で銘柄別損益が計算されていると思う。同じ画面は首相官邸からもアクセス可能だと思う。

報道によれば、GPIF資産内容の3月末データは7月末でないと発表できないといっている。国会議員は何をやっているのか。国政調査権は行使できないのか。官僚出身議員は本当に知らないのか。メディアの経済部で何十年も証券市場をカバーしている記者は、こんなことも分からないのか。国民は年金官僚にナメられている。


《安倍晋三は長期・短期を都合良く決めるな》 

 安倍晋三首相は、アベノミクスで株価は2倍以上になったと強調している。
しかし株価が下がると「年金資産」運用は、長期運用だから一時的な下落に一喜一憂する必要はないと発言する。これは古今東西、プロの資産運用者が、顧客に対して叫び続けてきた常套句である。
私自身も運用者のはしくれだったときに同じ言辞を弄した。

(中略) 


《通信簿の点数基準をみない金額論争》 

 メディアの報道や国会論戦は、何兆円「損した得した」という話でいつも終わっている。私は、そういう数字を挙げて国民の関心を呼び起こす手法は認める。問題は、話がここで終わり年金資産の「投資成果の測定基準」に議論がつながらないことである。投資成果測定というと難しく聞こえるか、年初に100だった資産が年末に110になった(資産自身の値上がりが8、配当が2)、即ち年間収益率(利回り)は10%である、というのが投資成果である。常識でわかる話である。

(以下略)

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