[山本太郎議員]内閣委 五輪開催で野宿生活者追い出しは人権侵害!「余りにも軽く見てないですか?」

 東京五輪が決まってから、ホームレスが公共の場から強制排除されていますが、山太郎議員の「社会的弱者に対して寄り添う気持ちがあるのか」という質問に対して、丸川珠代・オリンピック担当大臣は、まともに答えられないばかりでなく、「半笑い」で聞いていたようです。動画を見ても、「半笑い」の様子にカメラが向けられていないのが残念です。
 野宿生活者は、都が用意した収容施設ではなく、自分たちの尊厳を保つことが出来る公園を求めているのですが、都は人目につかない収容施設以外の選択肢を認めないようです。そこで、山本議員がオリンピック担当大臣に、都と野宿生活者の間に入って話を聞くように散々お願いしているのですが、そのフリすら出来ないようです。
 「土人」発言に対して「間違いと言う立場にない」と述べた鶴保沖縄相同様、オリンピック担当大臣の存在意義が問われます。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
配信元)


————————————————————————
2016.10.20 内閣委 五輪開催で野宿生活者追い出しは人権侵害!「余りにも軽く見てないですか?」

○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち改め、自由党の山本太郎です。社民党との会派、希望の会を代表いたしまして質問いたします。

(中略)…オリンピックの根本原則が書かれたもの、これオリンピック憲章ですよね。(中略)…言わばオリンピックの憲法とも言えると思うんです。そのオリンピック憲章をより具体的に目標そして目的を定めたものがオリンピックムーブメンツアジェンダ21。二〇二〇年東京オリンピック開催国のオリンピック担当大臣として、このアジェンダ21を尊重する、遵守するというお気持ちは、大臣、あられますか。

○国務大臣(丸川珠代君) 
(中略) 

東京オリンピック大会の開催に関する契約をIOCと結んでいるのは東京都であり、契約の当事者ではない国には行動規範が適用されるわけではありません。(中略)…
(中略) 

○山本太郎君 済みません、質問に対する答えになっていないと思うんですよ。社会的弱者に対して、そこに寄り添う気持ちがあるかということをお聞きしているということですよね。それについてどうのこうの言われても、全然質問と答えがかみ合っていない、そういう話なんですよ。

行きますね。東京都でオリンピック開催が決定した次の月、二〇一三年十月から都立明治公園で東京都そしてJSCによる野宿生活者の追い出しが始まったんですよ。国立競技場周辺にある都立明治公園、これ古くから野宿生活者、がテントとか小屋とかを建てて命をつないできた場所です、古くから。オリンピック開催決定後の追い出しの後も、これ東京都主導で野宿生活者は二度ほど公園内を移転させられて、また二〇一六年は一月二十七日、明治公園の大部分がJSCに無償貸与された後、JSCによる法的根拠のない追い出しというのが行われたんですよね。その先にも、また四月十六日、JSCによる土地明渡し仮処分が執行、野宿生活者四名が強制排除。

野宿生活者らは、これ明治公園の一部で近隣にあるこもれびテラスというところにテントを設営されているんですけれども、でも、これいつまでそこにいれるか分からないという不安な日々が続いていると。しかも、ここも東京都によって九月三十日、廃園にしますという話になった。理由は何でって、来年の夏着工予定の高さ六十メートル、地上十四階の超高層ビル、日体協・JOC新会館がこのこもれびテラス、この建物の敷地として利用するからだという話なんですよ。

(中略)…アジェンダ21、社会で最も恵まれないメンバーに特に注意を払わなければならないということに対して、こういう追い出しがあったりとか、半笑いで見ていただいていますけれども、大臣、こういうことってあり得ないと思うんです。

海外ってどうしているんですかということだと思うんですよ、こういうオリンピックに対して。(中略)…
シドニー・オリンピックをきっかけに、オーストラリアでは、ホームレスには路上の権利、つまり公共空間である路上に滞在する権利があるということを定められたと。公共空間にいる権利議定書を複数の州が締結された。イギリスで開かれたロンドン五輪、仕事に就いておられない方々対象に七万人を五輪大会関連事業の競技場建設、運営スタッフにする計画を掲げ、実際には六万八千九百人を雇用したと。職業訓練、就業、収入を得る機会につながったなど、これオリンピック開催国として、このアジェンダ21にも言われているとおりの社会的に弱い立場におられるという方々に対して寄り添うという気持ちを確実に前に進めているんですよね。

で、一方、この国はどうなんだって。日本は、JSCによる野宿生活者の追い出し、これアジェンダ21にある社会で最も恵まれないメンバーに特に注意を払わなければならないという部分に対して反していないですか。どう思われます。また関係ないこと言わないでくださいね。この件についてどう思われます。

○国務大臣(丸川珠代君) 明治公園に起居していた野宿者の方々には、公園の管理者であった東京都において、関係法令に基づき、公園からの退去と併せて、ホームレスの自立の支援に関する特別措置法に基づき、福祉施設等を活用して自立を促してきていたと承知をしております。

JSCにおいては、新国立競技場の整備に当たって、明治公園の跡地を工事用地として使用することから、整備事業について説明し、工事開始前までに立ち退いていただきたいと約二年半にわたって繰り返しお願いをしてきたと伺っております。しかしながら、立ち退いていただけなかったことから、JSCにおいては、二〇二〇年東京大会に確実に間に合うよう新国立競技場を完成させるため、本年四月、法律に基づき適切に対応を行ったものと承知をしております。

○山本太郎君 それが行政側の言い分だったということですね。東京都は話合いを持とうとしないと、皆さんそうおっしゃっています、現場の方々。JSCとは何度か団体交渉したって。でも、新国立競技場の新たな公募以降はまともに話合いには応じてこなかったって。話があったとしても、いつも追い出しありきだって(中略)…、基本的には施設収容前提なんですよ。遠くの方に連れていくという話なんですよね。そういう話以外は出てこないと。野宿者の生活を考えるような対応ではなかった。野宿生活者は東京都に対して、生活の場にほかの公園などへの移転を求めているんですよ。けど、(中略)…福祉利用してください、代替地は用意しません、こういう態度だという話なんですよ。

(中略) 

追い出して終わりというような態度というのは、これアジェンダ21というものにも反していないんですかね。

(中略) 

○国務大臣(丸川珠代君) (中略) 

東京都に確認をいたしましたところ、東京都においては、このホームレス生活というんでしょうか、路上生活者の皆様方への事業として、東京都と区の共同事業で自立支援システムを構築して路上生活者対策施設設置を行っておられると伺っております。東京都内を五つのブロックに分けまして、それぞれに寮を設けて、そこにお入りをいただく、あるいは借り上げのアパートを確保してお入りをいただいて、そこで就労自立支援や自立準備、また自己負担、済みません、自立準備を行っていただくというような事業をされているということでありまして、この五つのブロックそれぞれに寮があるわけですが、それぞれ全て一人部屋で三食付いているということでございます。

こちらの施設にお入りいただけないかということでずっと御相談をしていたそうでありまして、当初この四名の皆様方、前向きで、自立したいということをおっしゃっていて、施設への入居も検討されていたやに伺っております。再確認したところ、東京都は、四名の方に関しては、本人の意思表示があればいつでも入居の手続を始める用意があるというふうに伺っております。


○山本太郎君 自立していなかったみたいな話、やめてもらえませんか。自立されている方々ですから、自分たちで路上で生活をしながら。人の人生はそれぞれ選べるという自由があるじゃないですか。それをどうしてわざわざ自分たちが用意したこの中に入れって。

おかしくないですよ。考えてみてくださいよ。まあ、もちろんきれいな生活しかしたことがないような先生方にとっては全く意味が分からない話かもしれない。でも、そのような施設、寮というところに入れられたときには人間関係が生まれてくる。そこで、過去にさんざんいろんな目に遭って、それだから嫌だということで、福祉に頼るのではなく路上に出たという方々も中にはいらっしゃるんですよ。ということは、これ全員一緒ねというような、じゃ、全員こういうくくりでいけというような話じゃ無理だということですよ。個別具体的に話を聞くというような姿勢を、当然じゃないですか、その方々が住まわれていた場所ですよ。路上にいる権利だってあるでしょう。

(中略) 

人間の尊厳の問題じゃないですか。全ての個人が尊厳を持って生活をしという、アジェンダ21に書かれていることを御存じでしょう。これからオリンピックを呼んでホスト国となられる。お互いに知恵を出し合って世界に歓迎される二〇二〇東京大会にしたいって、広告代理店が作ったようなキャッチコピー、格好いいの言っていたじゃないですか、さっき。

(中略) 

少なくとも、この追い出しを食らっている人たちは路上の生活を望まれている。明治公園が駄目だって言うんだったら、代わりの公園行かしてくださいということなんですよ。(中略)…何のしがらみもなく、自分一人で気心知れた仲間と御近所さんで暮らしていけたらいいんだと、これ、路上の権利じゃないですか。(中略)…
大臣、半笑いで聞いてくれていますけど、いかがでしょう。間に入って話をしてくれますか。

JSCと東京の間に入って、当事者の話をもう一度聞いてもらえるような、このアジェンダ21にもあるような、全ての個人が尊厳を持って生活できるって書いてあるんだから、社会で最も恵まれないメンバーに特に注意を払う必要があるということを。ホスト国であり、そして東京オリンピックの担当大臣であるあなたが、JSCと東京の間に入って、この四人の方々、それ以外の方も含めてお話を聞いてもらえるような機会、セッティングする気はないですか。

(中略) 

○国務大臣(丸川珠代君) この四名の方々が、二年半前に、東京都と最初に、この都と区の共同事業の路上生活者対策設置施設という、寮ですね、一人部屋の寮ですが、これで自立支援事業を受けるということに対して、当初は前向きであったと。ところが、途中からその自立したいという考え方が変わったというのがどうしてなのかというのは非常に不思議だなと思うところでございますけれども。
いずれにしても、東京都においてこの事業を進めておられる中で、東京都としてはきちんと向き合い、またJSCとしては丁寧に二年半掛けてお話をされる中で、やむなく裁判所という場所で、改めて裁判所という独立した立場で話を聞かれる方のところへ行って手続をしたということだというふうに理解をしております。

(中略) 

私は一度も裁判所に足を運んだことはありませんが、地方裁判所で行政からも政治からも独立をして話を聞かれるというのは、ある意味非常に公正な手続を踏まれたのではないかと思っております。

いずれにいたしましても、東京都、JSCにおいて丁寧に話を聞き、また様々な支援を用意して待っておられるということであろうと思います。

(中略) 

○山本太郎君 (中略) 
準備されていることだろうと思うということじゃ困るということなんですよ。だとしたら、担当大臣という人は要らないということなんですね。

(中略) 

この質問は続けていきたいと思います。ありがとうございます。

Comments are closed.