増え続けるマイクロプラスチック ~魚介類はもちろんのこと、ペットボトル飲料水や食塩、水道水などにも混入~

 家庭や企業から出てきたゴミや排水、不法投棄された廃棄物などは、河川を通して最終的には海へと流れ込んでいます。その海のゴミは増え続けることがありこそすれ、減ることはありません。
 太平洋上にはゴミが7万9000トンもあるそうで、そのゴミはフランス国土の2倍に相当する160万平方キロメートルも有するそうです。そのうち99%はプラスチックであり、半分が漁獲用の網などで、4分の1がペットボトルや箱などのマクロプラスチック、残りが太陽や水、風などにより細かくなったマイクロプラスチック(5mm(もしくは1mm)以下のプラスチック)とのこと。
 マイクロプラスチックは、検査したカタクチイワシ、ムール貝からそれぞれ8割、10割も検出されており、魚介類の体内にはたくさんのマイクロプラスチックが混入していることが分かってきています.ヨーロッパで一番貝をよく食べるベルギーでは、年間に一人あたりおよそ1万1千個のマイクロプラスチックを食べるだろうと計算されています。
 これは魚介類だけにとどまりません。ドイツでは、調査対象となったビール24の全銘柄からマイクロプラスチックが検出されました。ペットボトル飲料水や食卓塩、水道水、砂糖、蜂蜜などの中から続々と検出されています。こちらのサイトによると、14か国で収集したサンプルに基づく研究結果、水道水から人の体内に入ってくるプラスチック粒子は、年間3000~4000個にも上るそうなのです。またパリでは年間10トンほどのプラスチック繊維が街に降り注いでいることが2015年に明らかになりました。
 マイクロプラスチックは体内に入っても排出されるという学者もいるそうなのですが、海洋生物がマイクロプラスチック自体と、それに付着した有害物質(PCBやDDTなど)を摂取してしまい、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されているそうです。また、微細な「マイクロプラスチック」が生態系に悪影響を及ぼしていることを強調している報告書もあります。
 さて、わがゴミ大国 日本。日本周辺海域では世界の海の27倍にも及ぶマイクロプラスチックが存在しており、「マイクロプラスチックの"ホットスポット"」であるという状況なのです。それゆえに、その日本こそが世界の先頭に立ってこのマイクロプラスチック問題解決に向けて舵取りをする立場にあるはずだと思うのですが、今の素晴らし過ぎる現政権では…。今のところ、国にも自治体にも規制をする動きは全くないようです。
 まずは僕らの身近なところからはじめてみましょう。
(ぺりどっと)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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太平洋のゴミ、想像以上の規模だと判明
転載元)
太平洋のゴミは7万9000トンに上る。論文は英科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載された。
スプートニク日本
この量は以前の推定量をはるかに越えるものだった。以前、漁獲網にかかったゴミから推計し、太平洋上には4.8トンのゴミが浮かぶと考えられていた。推定量で最大のものでも、集められたゴミと目視による評価を基にしたもので、2万1000トンだった。

今回の研究でチームは船や飛行機で集められたデータを基にした数学モデルを作った。

ゴミは160万平方キロメートルを覆い、これはフランス国土の2倍以上の面積だ。さらにゴミの99%はプラスチックだと判明。ほぼ半分(46%)は漁獲網の一部で、4分の1がペットボトルや箱などのいわゆるマクロプラスチック、残りが太陽や水、風により細かくなったマイクロプラスチックだった。

また、ゴミの量は幾何学的に増加中。チームは、ゴミの推定量の増加は分析手法の向上や海洋へのゴミの流出に関係していると仮設を立てた。例えば、2011年の東日本大震災では450万トンのゴミが海洋に流れた。一方、うち70%はすぐに沈んだ。

太平洋に浮かぶゴミは、カリフォルニア州とハワイの間にある、「太平洋ゴミベルト」を形成している。

太平洋に浮かぶゴミは海の生物に危険を及ぼす。ゴミの大半は太陽光を阻害するうえ、海の生物が誤ってマイクロプラスチックを体内に取り込む可能性がある。
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マイクロプラスチック
転載元)
マイクロプラスチック(英: microplastics)は、(生物物理学的)環境中に存在する微小なプラスチック粒子であり、特に海洋環境において極めて大きな問題になっている。
(中略)
海洋生物がマイクロプラスチック自体と、それに付着した有害物質(PCBやDDTなど)を摂取し、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。科学的な検証・検討は途上であるが、発生を減らす取り組みが始まっている。
(以下略)


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配信元)







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日本の海に世界の27倍ものマイクロプラスチック 人体に影響が出ることも
引用元)
(前略)
◆日本は「ごみのホットスポット」だった!

(中略)
「海洋ごみ問題に対する日本の取組(東京都環境局)」によれば、’15年時点で日本周辺海域では北太平洋の16倍、世界の海の27倍にも及ぶ、マイクロプラスチックが存在しています。「マイクロプラスチックのホットスポット」であるという状況なのです。

◆規制が進む欧米に比べ、遅れをとる日本

 こうした海洋プラスチックごみ、マイクロプラスチックの現状を踏まえて、欧米ではプラスチック使用の禁止や規制が進んでいます。今年5月にはEUが、一部の使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する新たなルールを提案しました。
(中略)
 では、日本は? 今のところ国にも自治体にも規制をする動きはありません……。規制がないから、なにも変えなくてよいのでしょうか? 世界でもっとも多くの量のごみを廃棄している国が日本です。なにかしらのアクションを起こす必要があることは間違いありません。
(以下略)
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“海を殺す”マイクロプラスチック汚染、日本周辺は「ホットスポット」にも
「世界での平均的な海に比べると、日本は(マイクロプラスチック密度数が)一桁多い」
引用元)
 先々週、カナダで開催されたG7。プラスチックごみによる海洋汚染について協議され、合意文書が取りまとめられたが、日本は国内法の未整備などを理由にこれに署名をしなかった。
(中略)
 このような事態を受け欧州連合(EU)は先月、海洋生物保護のために使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する法案を提出した。フランスでは、既に小売業でのプラスチック製ポリ袋は使用禁止となっている。また、土に還るバイオマス原料のポリ袋でなければ罰金を科されるなど、プラスチック削減に向けた取り組みが盛んに行われている。
(中略)
 一方、マイクロプラスチックよりも小さな「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチック粒子も今問題となっている。

 マイクロビーズは、成分にもよるが汚れを落とすためのスクラブ剤などがそれに当たり、洗顔料や歯磨き粉、化粧品などに含まれていることもある。排水溝から簡単に海へ流出してしまうマイクロビーズ。そして、その小ささゆえに、かなりの小型生物でも体内に取り込んでしまう恐れがあり、環境への影響が懸念されている。

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