元自衛隊西部方面総監・用田和仁氏によるウクライナ戦争の分析 〜 ウクライナ側アゾフ大隊の国際法違反が疑われるマリウポリ、キエフ、ブチャ

 本物の軍事研究家、元自衛隊西部方面総監(かつての陸軍大将)の用田和仁氏が、プロの目でウクライナ戦争を分析しておられ、とても興味深い内容でした。読者の方々からも投稿をいただきました。
用田氏は、ロシアを擁護するお立場では全くありませんが、それにしても今のメディアは冷静に戦局を見ていない、煽り立てるのみで、もしも日本が戦になった時、このように国民が好き勝手にコントロールされてしまうことを危惧されています。
 メディアでは「キエフに対するロシアの攻撃が失敗した」と高らかに煽っていますが、用田氏によるとキエフは「助攻撃」で、つまり主攻撃のための囮だった可能性があるとのこと。そもそも、キエフのような市街地に戦車・装甲部隊を突っ込むことはタブーで、損害を想定した上でキエフに注目をロックオンし、そしてそれは成功したと。主攻撃はヘルソン、ここはドネツクからの通路を作ろうとしていた要所で成功しています。用田氏は「プーチンの言うことも聞かなければならない」と苦言を呈しておられますが、プーチンへの「もう少しスピードを上げた戦ができないのか」という質問に対して、「できるけれども損害が大きくなる、ネオナチをシラミ潰しにしながら、住民をできるだけ死傷しないよう戦っている」と答えていて、まさにそのようにゆっくり動いていることは間違いない、信ぴょう性があると分析されています。
 キエフはさておき、マリウポリだけはクリミアとドネツクを結ぶ回廊なので、お互いに絶対に落とすわけにはいかないポイントで、しかも、このマリウポリはアゾフ大隊、極右の本拠地なので重要だと用田氏は指摘されます。
「マリウポリで住民を囲い込んでいるのは、どちらか?」
国際法上、住民保護の観点から、防護側は住民を囲ってはいけない、巻き込んではいけない、陣地と住民を混在させてはいけないことになっています。
 ロシア側からすれば、住民が紛れていると戦えないので、速やかに逃したい。事実、NHKの情報でも、マリウポリの北側に1ヶ月間ずっと「抜け穴」があったことを用田氏は見逃さず、つまり逃げる通路は確保されていたそうです。現在は完全に封鎖されていますが。
 ところがアゾフ側は(用田氏の言葉で)「もともと前科者」、アメリカですら2018年のウクライナ支援の際、「アゾフという連中は人間の盾を使う」という理由で予算をカットしているし、国連の高等弁務官事務所でも「アゾフのやっていることは拷問、監禁など戦争犯罪をするネオナチだ」と認めている。それらを前提として考えると、ロシア系住民を標的に人間の盾とする戦い方は彼らのメリットと動機があると見ています。キエフも同様で、ワシントンポストの記者がキエフで、住民がいる場所に陣地があり、大砲があることは国際法違反だと指摘したがウクライナ軍は耳を貸さなかったそうです。キエフの住民が自発的にウクライナ軍に協力しているのか、かなり怪しい状況です。ブチャもアゾフの準拠点であることを考慮して状況を見なければ、正しい判断ができません。
 用田氏は、ウクライナの戦況を解説されながら、常に日本の今後を懸念されています。中国、北朝鮮、ロシアの三正面作戦では、大東亜戦争末期よりもひどい、軍事的には処置のしようがない状況だと言います。「最悪の事態に備えるのが軍事、しかし外交の大きな仕事は戦争の芽をつむこと、紛争の芽をつむこと」「盲目的にアメリカに付いて行っていいのか」と、軍事のプロは指摘しました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
配信元)





【01の要約】
 本物の軍事研究家、元自衛隊西部方面総監の用田和仁閣下によるウクライナ問題の解説
旧軍であれば陸軍大将。
現在の(ロシアを敵に回す)日本の状況は三正面作戦、歴史上、三正面で勝った試しはない
ロシア、北朝鮮、中国という世界の大敵を相手にするなど、大東亜戦争末期よりもひどい。
軍事的には処置のしようがない状態だ。

戦車の専門家として、今回のロシア軍の戦車の使い方は兵力の分散。

キエフに対する攻撃が失敗したとメディアでよく言われている。
結論から言うと大きな損害を被ったかもしれないし、兵站もうまくいっていなかったかもしれないが、
なぜそんな攻撃をしたかが重要。
キエフのような市街地に戦車部隊を突っ込むことはタブー。
戦車部隊や装甲部隊が取る目標ではない。損害を被るそういう役割だった。

斬首攻撃の可能性があったがこれは失敗している。
その後、残りの部隊はキエフを取り囲んだまま動かなかった。
合理性があるのは囮だと言うこと、つまり助攻撃だ。

主攻撃はヘルソン、クリミアからドネツクから通路を作ろうとしていた。
キエフにロックオンしていたのにまんまとはまった。
だから1ヶ月で戦車は引いていった。

プーチンに対する質問で、「もう少しスピードを上げた戦ができないのか」
「できるけれども、損害が大きくなるから少しずつネオナチを潰しながら、しらみ潰しにしながら住民をできるだけ殺さないように、死傷者を出さないように戦っている」と言っている。
まさにそのようにゆっくり動いていることは間違いない、信ぴょう性がある



マリウポリだけはお互い、クリミアとドネツクを結ぶ回廊なので絶対に取らなければならない。
もう一つ、アゾフ大隊、極右の団体の本拠地なので、
マリウポリで住民を囲っているのはどちらなのかと考えると

住民保護の観点では、防護側は住民を囲ってはいけない巻き込んではいけない。
陣地と住民を混在させてはいけない。それは国際法違反になる。

【02の要約】
一般市民が戦場でどう振る舞えばいいのか。
民間防衛である「スイス型」とは違って、
「文民保護」は、戦闘地域を分けなければいけない。

マリウポリで、ロシアが住民を混在して戦うメリットは何もない。メディアで叩かれるだけ。
住民を巻き込んだ戦いになるので早く逃したい

NHKは時々素直な情報を出すが、マリウポリの北側に穴がある。この1ヶ月ずっと空いていた。
つまり逃げる通路はずっと確保していた。
現在は完全に封鎖された状態。

ところがアゾフの連中はもともと前科者だ
アメリカですら2018年、ウクライナ支援の時に「アゾフという連中は人間の盾を使う」という理由で予算をカットしている。アメリカはよくわかっている。
また、国連の人権高等弁務官事務所は、「アゾフのやっていることは拷問、監禁など戦争犯罪をやっているネオナチだ」と認めている。
それを前提として考えると彼らはそういう戦い方をしてきた。標的となるロシア系の住民もたくさんいるので、彼らのメリットと動機はあると言える

ここでの国際法違反はウクライナ側で、キエフもそうだ
キエフは住民がいて、そこに陣地や大砲があったので、ワシントンポストが指摘したが聞かない。

歴史的に無血開城しなかったところは住民混在で戦った。一緒に戦わせた方の責任だ。

戦闘員と非戦闘員を識別して区別する義務がある必要がある。
ところがゼレンスキーは民間人を避難させずに戦闘行為に参加させた。
3/10には、民間人によるロシア兵の殺害を合法化する法案を可決した。
これは国際法違反


ロシアからすれば、これらの民間人はゲリラ、テロリストで、軍法会議にかけられない、どんな殺され方をしても保護を受けない存在だ。
似たようなものが民間の軍事会社アメリカのブラックウオーター、ロシアのワグナーなどがあり、彼らも自己責任で戦っている。
はっきりいって、彼らはどんな違法行為も虐殺も平気でやる。
今、ものすごくウクライナに入っている。
イギリスの特殊部隊や軍服を着てない連中など。
これはまさに違法な戦いだ


ブチャはアゾフの準拠点でもある
ロシア側は白いテープ、ウクライナ側は青いテープ、何もつけていない人は中立。
そういったこともよく見ないといけない。
バイデンの言動(ロシア悪)はフライングだ。
冷静に戦局、状況を見なければならない。
今のメディアは煽り立ててよろしくない。真実かどうかわからないのに日本はほぼ一色だ。
日本が戦になった時に好きなようにされてしまう。人心を好きなようにコントロールされる情報戦だ。

文民保護の国際的標章がある。戦闘員でないという証明の印、ワッペンで日本の市区町村にあるそうだ。
直接、自衛隊と共に戦いたい民間人には「予備自衛官補制度」というものがある。

しかし問題は、憲法上「戦力ではない自衛隊」に戦時国際法が適用されるのか?
根本的な問題として、軍隊でなくていいのか?
囚われた時、「軍人なのか」「公務員」「多分、軍隊ではないと答える」

日本には、国防のドクトリンがない。本来はドクトリンに従って予算を組むべき。

最悪の事態に備えるのが軍事、もっと言えば、
外交の大きな仕事は戦争の芽をつむこと、紛争の芽をつむことだがなされていない。
盲目的にアメリカについていっていいのか

Comments are closed.