竹下雅敏氏からの情報です。
やはりこれまでお伝えしたように、プーチン大統領のほぼ完全な勝利だということです。今後アメリカがちょっかいを出して来るとは思いますが、大勢に影響があるとは思えません。この記事によると、ロシア軍は100万人であり、ロシアは1万基の戦術核兵器を保有しているのに対し、西側諸国はたったの500基とのこと。ロシアが国家として一丸となっているのに対し、NATOはバラバラで誰もロシアと戦う気などありません。戦争になれば、NATO軍に勝ち目はありません。こういう状況下でプーチン大統領は冷静に対処し、ことごとく戦争の芽を摘んでしまいました。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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西側メディア、ウクライナ和平をプーチンの勝利と呼ぶ
転載元)
The Voice of Russia 14/9/7
ウクライナ南部・東部情勢が西側メディアで盛んに議論されている。「USAトゥデイ」はウクライナのポロシェンコ大統領と義勇軍が表した和平に関する声明をロシアのプーチン大統領の政治的完全勝利と呼んだ。
オレン・ドレル氏の「ウクライナ和平―プーチンの勝利」という記事によれば、ドネツク・ルガンスク両州における停戦で、キエフの両地域に対する支配は弱まり、西側との経済的・軍事的同盟の可能性は減るという。
また、ドイツ紙「ターゲシュピーゲル」には、「ウラジーミル・プーチン勝つ」と題された同趣旨の記事が載った。
「ザ・ナショナル・インタレスト」には、米国の歴史や外交政策に関する複数の著書のあるロベルト・メリー氏のコメントが掲載された。氏は最近の出来事を分析し、クレムリンはウクライナでホワイトハウスに勝利した、との結論を導いている。「オバマ大統領は、プーチン大統領が彼を完封したことに、気付いてすらいない。どころか、ウクライナ問題において、自分の言葉には未だに何らかの重みがあると信じ込んでいる。これこそ、オバマ大統領が現実との接点を喪失していることの証左だ」。
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NATOはウクライナを愛することにした、ただし婚姻届なし
転載元)
The Voice of Russia 14/9/7
NATOウェールズサミットが5日、閉幕した。NATOのハイレベル会談では最近しばしば見られることだが、開幕時は盛んに気炎が上げられたものの、最後には妥協的な決定が相次いだ。結局NATOは、ウクライナとは友人関係を結ぶものの、メンバーには加えない、ということになった。NATOとしてはキエフに武器を供給せず、供給するとしたらNATO加盟国がそれぞれの判断で、ということになった。
NATOが欧州の安全保障や新たなる脅威についてロシア抜きで、またアフガニスタンの安定化と将来についてアフガンなしで議論することを、多くのウォッチャーが奇妙に感じている。
OSCE議長を務めるスイス大統領ディディエ・ビュルカルテ氏は5日のサミットで、「欧州の安定についてロシア抜きで話すことなど不条理である」と断じた。NATO指導部や米国指導部を落胆させる発言だった。その言い様はこうだ。「ウクライナや欧州の安定を回復するには、ロシアとの協力が不可欠だ。ロシア抜きでウクライナ危機は解決され得ない」。
今回のNATOサミットで、ウクライナへの1500万ドルの支援も決まった。ただし、直接ではなく、特別基金を通じての支援となる。その範囲は物流、指導と監視、サイバー防衛、軍事医学、戦傷者の復員などにわたる。しかし、ドイツの強いこだわりにより、NATOからキエフに直接、軍人や武器が送られることはない。
ヤツェニューク内閣やポロシェンコ大統領の側に立ってロシアと戦争することなど、明らかに、誰も望んでいない。もちろん、西側諸国が新たな対ロシア制裁に踏み切る可能性はある。しかし、それが厳格化されることさえ、もはやありそうに無い。ヘント(ベルギー)国際研究所のスヴェン・ビスコプ氏はそう語る。
「ロシアと戦うためにNATOがウクライナに戦闘員を送り込むとは思えない。NATOはこの問題に関しては非常に慎重である。NATOの軍人は今のところ一人もウクライナには入っていない。ロシアとの国境に兵員を配備することは、領土の不可侵性を強調するためとは言え、NATO加盟諸国の目にさえ、過剰な保険と映る。たしかに、目的ははっきりしている。軍事侵攻を阻止することだ。しかし、我々は、クリミアがロシアの一部となったことを、実際上、容認している。よってこの措置は、せいぜい体面を保つためのものだ」
ウクライナのポロシェンコ大統領は総括記者会見で、NATOの一部諸国は既にキエフにハイテク兵器を送り込んでいる、と述べた。米国、ポーランド、バルト三国は、この発言にコメントを控えている。
ウェールズサミットでは「環大西洋宣言」が採択され、軍人4000人からなる「即応部隊」が創設されることが決まった。これに向けてポーランド、ルーマニア、バルト三国は武器その他のストックを始めている。しかし、バルト三国がNATOの常設基地を東欧に設置するよう求めたのに対しては、ドイツ、フランス、イタリアが固く拒んだ。ロシアを挑発しないため、として。
なお、今回のサミットでは、ラスムセン事務総長の退任も決まった。後任はノルウェー元首相イェンス・ストルテンベルグ氏、10月1日の就任。