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まみむのメモ(46)〈食べられる野草図鑑・春(5)〉
~ 目次 ~
カキドオシ(垣通し)
時期 | 早春に芽を出し、花期は4〜5月頃。 |
場所・環境 | 北海道〜九州に分布し、海外では朝鮮半島、中国、台湾、シベリア、アジアの温帯域に分布する。野原、土手、道端や畑のわきなどに自生する。日当たりの良い適度に湿った土地を選ぶ。半日陰でも生育し、つる性の茎をよく伸ばす。 |
花 | 葉腋(葉の付け根、腋芽が出る)に長さ1.5〜2.5cmの淡紫色の唇形花を1〜3個ずつつける。下唇は中裂し、側裂片は小さい。中央裂片は大きく前に突き出し、濃紫色の斑紋と白い毛が目立つ。雄しべは4個あり、上唇の内側に沿ってのびる。萼に15脈があり、萼裂片の先が刺状になる。 |
葉 | 対生し、長さ1.5〜2.5cm、幅2〜3cmの腎円形で鈍い鋸歯がある。葉や茎全体に細毛があり、香気がある。 |
実 | 花が散り、残った萼の中に数個の分果が出来る。萼の長さは約7〜10mmで茶色い果実は2mm前後。 |
根 | 浅根で、つるの節からも根をおろす。 |
見分けるポイント | よく似た花にサギゴケ属のムラサキゴケやトキワハゼなどがあるが、葉の形や付き方が違う。カキドオシと同じシソ科の花は唇形が多いが色や花のつき方が違う。カキドオシの茎は四角で、名前の由来の垣根を通り抜けるつる性で、葉や茎を揉むとシソとは違う独特の香りがある。また、連銭草(れんせんそう)という別名は丸い葉が並んで連なるところから。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 多年草。はじめ花がつく頃は5 - 20センチメートル (cm) ほどの高さに直立するが、花後の茎が伸張するに従ってつる状になって、地面を長く横に這い、節の所々から根を下ろして、長さ1メートル (m) 以上になる。所々からでる横枝は時に多少立ち上がって高さ30cm前後になる。 |
学名 | Glechoma hederacea subsp. grandis(Glechoma hederacea はハッカの一種につけられたギリシャ名 glechon に由来し、種小名は「キヅタ(木蔦)に似た」という意味からきている。) |
科名・属名 | シソ科・カキドオシ属 |
採取方法 | 4〜5月の開花期に地上部を刈り取り、陰干ししたものを生薬として使う。 |
あく抜き | 苦味があるので、塩茹でしてお浸し、和え物などに。 |
調理法 | 天ぷら、炒め物、塩茹でして和え物などに。花や葉を生でサンドイッチなどに。乾葉を軽く焙煎してお茶に。乾燥葉の4倍量のホワイトリカーなどに漬けて冷暗所で3ヶ月熟成して薬酒に。 |
他の利用方法 | 薬用、浴湯料に。 |
効能 | 小児の疳を取る薬になるところから、疳取り草(かんとりそう)と呼ばれ、疳や虚弱体質に1日5gを煎じて食間に3回に分けて服用。子供には苦味が強いので蜂蜜などで甘みをつけて。 また糖尿病治療薬として知られており、実話で聞いた話では1週間カキドオシを煎じて飲んで糖尿病が驚くほど改善。 血糖降下作用、体内の脂肪や結石を溶解させる作用があるとして漢方薬や健康茶とされる。血糖降下作用はタラノキ皮よりも強く、副作用が認められない薬草として、1968年日本生薬学会で発表された。 1日量10〜15gを約0.6リットルの水で半量になるまで煎じて、3回に分けて服用。 風邪、解熱、鎮咳、鎮痛、喀血、肺炎、泌尿器カタル、腎炎、陰萎、糖尿病、高血圧、神経痛、利尿、黄疸、胆石、腎臓結石、膀胱結石に有効。 胆石にはクマヤナギ(クロウメモドキ科)1日量5~10グラムとカキドオシ4グラムを、1リットルの水で3分の2量まで煎じて、3回に分けて。 腎結石には、カキドオシとウラジロガシを適量混ぜて、 糖尿病には、カキドオシ、ヤマノイモ、ドクダミと混ぜて煎じて服用すると良い。 たむし、水虫、打撲傷には生葉の絞り汁を湿布または塗布する。 魚の食あたりに生葉汁または、乾燥粉末を服用。 茶剤としては、強壮、かぜ、泌尿器の病気などに、熱湯を入れて数分してから飲用する。 カキドオシの薬用酒は糖尿病、肝臓病、虚弱体質、強壮、神経症などに。 |
その他 | ヨーロッパでも古くから民間薬として重要な位置を占めており、丸い葉から「ロンデット」「ロンドレット」と呼ばれていて、カロリンガ朝(8~10世紀)に出た「各種の熱病の処理」という医療書にもカキドオシが出てくる。利尿剤としての用い方は日本と同じだが、気管支と肺の病気に広く用いられ、とくに鎮咳、去痰、ぜんそくの発作を止めるなどの用法が知られている。肺の障害には、牛乳1リットルに乾燥したカキドオシをひと握り入れて沸騰させて毎晩寝る前に飲むそう。また、ギル茶と呼ばれるものは、カキドオシをハチミツと砂糖で味をつけたカキドオシ茶のことで、せきや感冒に使われている。 日本の民間薬として、センブリ、ドクダミ、ゲンノショウコ、キササゲ、カキドオシ、タラノキ、ウラジロガシがよく知られる。 動物実験で、発毛効果、血糖上昇抑制、血圧上昇抑制などが報告されている。 有効成分は、ウルソール酸、硝酸カリ、精油分のリモーネンなど。主成分はセスキテルペン類、フラボノイド類、揮発油、グレコミン苦味成分、サポニン、樹脂、タンニン類。 |
参照サイト・文献 |
ウィキペディア イー薬草・ドット・コム 松江の花図鑑 Green Snap 大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会 |
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キクイモ
キク科といえば、一番進化した植物とされ、タンポポの根やヤマゴボウとして知られるモリアザミの根などもキク科植物の根です。(注:ヨウシュヤマゴボウは有毒です。)
【ベストセラー】「花粉症は1日で治る!」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】では、抗生物質が体の炎症を引き起こしていて、アレルギーとうつ病は同じ病気で体の炎症であり、キク科植物の根が炎症を抑える酪酸菌を増やす一番効果的な食品だと紹介されています。その他、ニンニク・ネギ・玉ねぎ、イヌリン、ガラクトースオリゴ糖も効果があるそうです。
我が家では昨年秋〜今年の春キクイモが芽を出す4月頃まで約半年間、食べたい時にその都度掘っていただき、丸ごとご飯に入れて炊いたり、カレーにしたり、とても重宝しました。夏になった今でもキクイモの漬物は健在で、丸ごと漬けたぬか漬けや塩漬けは固くシャキシャキしています。キクイモといえば糖尿病予防の健康食品と思っていましたが、さらに素晴らしい健康野菜だったのですね!!
ヤーコンの葉
その他の手間いらずのほったらかし野菜といえば、ニラ、ミョウガ、ミツバ、オランダイチゴ、ラッキョウ、ニンニク、オオタカブナ、ワケギ、フキ、小豆、ミント、シソ、ヤマノイモ(ムカゴ)などです。