[Sputnik]フィリピン大統領来日!日本人専門家、暴言の裏にある意図を語る 〜ドゥテルテ大統領の訪日の目的〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 フィリピンのドゥテルテ大統領についての、わかりやすい記事です。記事では、“彼のフィリピンにおける人気は絶大”とあり、米国の帝国主義に嫌悪感を持っている人々の間では、世界的に人気を集めているのではないかと思います。
 ドゥテルテ大統領が、日本に対し好感を持ってくれているのはありがたいです。ただ、あべぴょんではどうにもならないという気がします。天皇陛下との会見も予定されているとあるので、こちらがメインなのではないかと思います。
 板垣英憲氏の情報では、ドゥテルテ大統領の訪日の目的は、新金融システムによる資金の配分に対して、天皇陛下に感謝の気持ちを伝えることだと言っています。案外、これが真相なのかも知れません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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フィリピン大統領来日!日本人専門家、暴言の裏にある意図を語る
転載元)
25日、フィリピンのドゥテルテ大統領が来日した。到着早々に行われた在日フィリピン人の集会では熱烈歓迎を受け、会場に入りきれないほどの聴衆が集まった。滞在は3日間で、安倍首相との首脳会談や経済フォーラム、天皇陛下との会見も予定されている。

ドゥテルテ大統領と言えば「米国と決別する」「(オバマ米大統領へ向かって)地獄へ落ちろ」などのセンセーショナルな発言を繰り返し、麻薬撲滅戦争で密売人の殺害を容認するなど、その過激なキャラクターに注目が集まっている。大統領は東京に着いた途端、フィリピンの麻薬犯罪対策に批判的な米国やEUをさっそく「バカども」扱いし、喝采を浴びた。彼のフィリピンにおける人気は絶大で、すでにフィリピンという国に世界の関心を集めることに成功している。

ドゥテルテ大統領とはどのような人物で、彼の発言はどこまでが真意なのか。フィリピンの政治に詳しい名古屋大学大学院・国際開発研究科の日下渉(くさか・わたる)准教授がインタビューに答えてくれた。

(中略) 

日下氏「ドゥテルテ大統領が大学に通っていた1960年代、フィリピンでも学生運動がありました。(中略…)当時の彼の恩師は、後にフィリピン共産党(CPP)を作るホセ・マリア・シソンという人です。(中略…)彼には『米国の影響力から抜け出たフィリピンを作りたい』という思想があります。

(中略) 

ドゥテルテ大統領は先月、ラオスでの米比首脳会談の前に暴言を吐き、そのためオバマ大統領が会談をキャンセルしました。

(中略) 

米国は、フィリピンを20世紀初頭に武力で侵略して以来、政治・経済・軍事的な影響力を行使してきました。いわば、親米路線は揺らがないだろうと、釣った魚に餌をやってこなかったわけです。今、米国はその魚に逃げられてしまい、大変なことになっています。

(中略) 

中国を封じ込めるための最先端にあるのがフィリピンなのですから、そこのトップに逃げられたというのは、オバマ大統領の大失態です。ラオスでの会談をキャンセルしなければ良かったと、今頃後悔しているのではないでしょうか。」

(中略) 


「フィリピンにとって米国との貿易は相対的に減っており、中国、日本、ASEANとの交易が増えています。もともとフィリピンでは、国内の大地主がサトウキビのプランテーション・ビジネスを通じて、砂糖を米国に売り、それによって富と権力を蓄えた人たちが政界を牛耳ってきたわけです。前大統領のアキノ氏もその一味です。ドゥテルテ大統領は、国内政治で、そういう100年以上米国と付き合って富を蓄えてきた既得権益者とも戦っているのです。

(中略) 

南シナ海の権益についての裁判で、ハーグ仲裁裁判所は中国の主張を退け、フィリピンの主張を認める判決を下しました。フィリピンはそれをむしろ武器にして、中国から最大限に利益を引き出したいと考えています。そして、中国と日本をフィリピンへの投資や開発支援で競わせる。おそらく、そのようなシナリオにもっていけば、米国不在でもやっていけるという目論見があるのでしょう。」


(中略) 

ドゥテルテ大統領の発言の中にはロシアにシンパシーを感じるようなものもある。

(中略) 

米国の外交政策に同意しない露中と組んで、何かしらの政治機構を作りたい考えだ。

ドゥテルテ大統領の、これからは中国とロシアとフィリピンで組んで世界と戦うのだという旨の発言は、フィリピンでも驚きをもって受けとめられました。」

(中略) 

「トルコのエルドアン大統領も然りですが、小国の大統領で感性の鋭い人たちは、『米国の手先、尖兵でいることはあまり良くない。むしろ露中と手を組んだ方が有利ではないか』と感じているのではないかと思います。これまで、米国の国際戦略のなかで、トルコは中東のイスラーム諸国、フィリピンは中国を封じ込める尖兵として役割を与えられてきました。しかし米国は、内政に関して人権などの理念を押し付けてきたりするわりに、軍事・経済的な支援は十分ではない。他方、ロシアや中国とは、経済的な利益のみで交渉できて付き合いやすいという感覚が、彼らの中に芽生えてきたのだと思います。」

(中略) 

「今回のドゥテルテ大統領訪日において、日本のミッションは重いものです。米国はフィリピンとの関係が悪化していますので、日本を通じてフィリピンに対する影響力を維持したいと思っています。安倍首相も米国から、フィリピンが中国に寝返らないように何とかしてほしいと頼まれているでしょう。他方で、アメリカの肩を持ちすぎてドゥテルテ大統領を刺激すると、完全に中国の方に行ってしまう恐れがあります。フィリピンを繋ぎとめつつ、米国の要求をフィリピンに聞いてもらうという、なかなか難しい役回りです。

今回、日本政府は天皇陛下との面会というカードも使っています。そのカードを使ってまで、ドゥテルテ大統領を歓待するという態度を示し、フィリピンに敬意を見せようとしているのです。」


(中略) 

日本訪問の直後にロシアを訪問しプーチン大統領に面会するという話もささやかれており、フィリピン外交の行方はまだわからない。

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