今日の排除アート。「居てほしくないところ」の密度が高いので
— 「おいしい昆虫記」発売!蟲喰ロトワ(むしくろとわ) by おいしい昆虫生活® (@Mushi_Kurotowa) April 12, 2021
意図がバレやすい。ステルス性の低いタイプか。 pic.twitter.com/t1gRAYRiBo
排除アートと過防備都市の誕生。不寛容をめぐるアートとデザインhttps://t.co/6zZG5V2d1v
— ウェブ版美術手帖 (@bijutsutecho_) April 7, 2021
ベンチと言えば、これはアメリカの事例ですが、日本もこういうの多いですね。https://t.co/ooYFy3jReP
— みー (@littleikarus) April 7, 2021
TOKYO BENCH PROJECTがついに実装!京橋の「東京スクエアガーデン」に、12台のベンチが常設されることになりました。アーティストグランドレベル(田中元子+大西正紀)がデザイン監修をしたベンチが、これからずっと新しい京橋の景色を作っていきます。(続く#tokyobench #tokyobenchproject pic.twitter.com/JU3p2YqaA6
— 東京ビエンナーレ (@tokyobiennale) March 30, 2021
2019年ツバメアーキテクツによるデザインで、赤いベンチが登場。イトーキさんがそのDNAを最大限に引き継ぎ、活かして、今回の恒常的設置バージョンが生まれました。関係者の皆さま、本当にありがとうございました。ぜひぜひ、座ってって\(^o^)/ https://t.co/6o6mjYAf62
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) March 30, 2021
京橋のデカいモンベルの前に、北欧っぽい可愛らしいデザインの〝排除〟ベンチという、コンセプト的にはバンクシーが嫌がらせで設置する様な代物だよなと思った。 pic.twitter.com/kKYpsqIc2f
— 🖖濁山ディグ太郎🖖 (@DiRRKDiGGLER) April 11, 2021
ご指摘、ありがとうございます。こちらをプロデュースしたのは、わたし共です。最後の最後まで、いじわる突起に抵抗しました。 https://t.co/7Am9uatg6M
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
いじわる突起をやるなら降りる、と言えば済んだ話なのかどうかと、今も思う。でも、わたしが降りても誰かがこうすることになる。
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
いじわるデザインなんか嫌だ、と思う人が多くなってくれたらと切に願う。特に大手、行政やデベロッパーに。
死ぬ気で手掛けた結果、こーなるわけなんだよ。わたしはいじわるデザインのベンチの、生みの親になってしまったわけだ。このベンチの突起も実は可動式で、突起自体の高さ的にも、寝ようと思えば寝られるんだけど、そんなことはどうでもいー話だよな。
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
さらにこのベンチ設置を公道にまで広げ、背もたれに広告を出すつもりだ、と聞いた時は、わたしがやっていることは、まちのなかに広告面を増やすことでもあるのか、と血の気が引いた。いじわるすら止められなかったのに!
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
悔しくて煮え繰り返るけど、やり続けるしかない。すこしずつでも変えるように。
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
そもそも日本には、特に東京には圧倒的にベンチがない。いじわるデザインは憎い、広告面を増やす気なんてない。様々な要素の足並みが一つに揃わない。その間わたしの考えと結果は時にバラつき、グレーだと思う。すごく嫌だけど、ベンチのない世の中のままでいいとも思わないから、少しずつでも、やる。
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
ちなみにここで排除の対象となったのは、ホームレスではなくスケートボーダーで、突起はスケボー対策で考案されました。管理者は次々と設置物が傷つくので困るとのこと。個人的には、公的に感じられる屋外空間で何でもピカピカのまま永久に、なんてそもそもあり得ないと思っています。
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 11, 2021
ベンチの件、ご関心を寄せてくださって、ありがとうございます。態度としては、障害物のないフラットで普遍的なベンチが恒常的に設置されることを求める、ということは常に一貫させていますが、それがいつでも叶うわけではない。結果はできた/できなかったの二項対立ではなくチューニングで見ています
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 12, 2021
わたしはベンチだったら何でもいいのではなく、むしろ本当に増やしたいのは、公的な場所や空間が、誰をも気持ちよく受容する態度をとり、それが具体的な形として表れることです
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 12, 2021
それが一朝一夕にできないのであれば、現状の中で、そこに少しでも近づけるように全力を注ぐことだと考えています。全力を注いだ結果があの、可動式であれデフォルトでは突起がついたベンチです
— 田中 元子 a.k.a. オイラー (@hanamotoko) April 12, 2021
可動式なので、とれます(!)
ところで、2017年頃からトウキョウ・ベンチ・プロジェクトという街づくりの取り組みがあり、その一環で先ごろ都会の風景によく似合う可愛いベンチが設置されました。そしてそのベンチがまさに「排除アート」「排除ベンチ」としてツイートされ、話題になっていました。なるほど横になるにはじゃまな仕切りがあります。テキトーな補助金事業なのかと思いました。
ところが、そのベンチのプロデュースをした女性が「排除ベンチ」ツイートに対して率直な声をあげられました。その内容は思いがけないものでした。プロデューサーの田中元子氏は可愛いベンチに「いじわる突起」を付けることに「最後の最後まで抵抗」されたそうです。「いじわる突起」には厳然とした「上」の意思があったのでしょう。彼女は、街中のベンチが人々を癒し、街が活性化することを望んでいたのに、相反する「いじわる突起」を命じられた上に、ベンチを広告板にされてしまう暴挙に晒されました。しかし抵抗の末、彼女が仕事を降りたとしても誰か別の人が「いじわる突起」の作品を出すことは明らかでした。
そこで田中元子氏は「いじわるデザインは憎い、広告面を増やす気なんてない。(中略)すごく嫌だけど、ベンチのない世の中のままでいいとも思わないから、少しずつでも、やる。」と心に決め、ご自身とご自身の仕事を裏切らぬよう全力で対応されました。聞いてビックリ、彼女の仕上げた「いじわる突起」は可動式なのだそうです!一方に寄せたら枕になるかな?
なんとカッコいい方だろう。人々の喜びのために全力の仕事ができるって、なんと幸せなことだろう。