NATOが新たに採択する「戦略概念」で、初めて中国にも言及する方向になっている / スプートニク「日本は中国や北朝鮮といった隣国の敵になる可能性があるが、それは、日本領内に、これらの国にとって脅威となる米軍基地や米軍部隊が配備されているからである」

竹下雅敏氏からの情報です。
 NHKニュースによれば、NATOの首脳会議に日本の総理大臣として初めて出席する岸田総理大臣は、日本の防衛力を抜本的に強化する方針を伝え、国際社会の最大かつ共通の戦略課題は中国だと指摘するようです。
 “NATOが新たに採択する「戦略概念」で、初めて中国にも言及する方向になっている”と言うことなので、会議をする前からNATO首脳会議の中身は決まっているわけです。
 “続きはこちらから”の動画で三橋貴明氏は、“今日本は代理戦争やる実力すらないから、とりあえず防衛費増やせ、武器買え、空母買え。その時に(アメリカが)どうするかというと、代理戦争をさせる。別のやつに中国と戦わせればいいんです。…つまりはアメリカとしては、中国と日本がですね、ガチガチやって核ミサイル飛んできたって、どうせ東京じゃないかということで。…ウクライナは、核保有国のロシアと戦っている事実上アメリカとかNATOの代理戦争みたいなもの。それが東アジアをやろうとした時に、日本以外にできる国はないよね。ウクライナの立場になる国はない。日本国民は核うたれる可能性を感じつつ中国と戦うっていうのが一番、アメリカにとって一番都合が良いんです。”と言っています。
 スプートニクは、“日本の近隣諸国には、日本と軍事紛争を起こすための根拠などない…尖閣諸島や竹島問題など、それほど深刻でない領土問題は存在しているが、それらは戦争の引き金となるようなものではなく、話し合いによって解決しうるものである。”とし、“日本は中国や北朝鮮といった隣国の敵になる可能性があるが、それは、日本領内に、これらの国にとって脅威となる米軍基地や米軍部隊が配備されているからである。”と指摘しています。中国、北朝鮮、ロシアの脅威はアメリカなのであって日本ではないという訳です。
 “古い政治的対立が再燃すれば…日本にとっては必要のない戦争に参戦せざるを得なくなる。…日本の自衛政策は…地域でくすぶる紛争を平和的に解決するための外交的努力に基づくべきだ”と言っています。
 こうした状況を考察すれば、日本は憲法9条のおかげで守られてきたことが分かります。東アジアで、中国との代理戦争を日本にやらせたいアメリカは、先に日本の憲法改正をさせなければならないからです。
 このことから分かるように、今回の参院選では改憲・創憲派の政党には票を入れてはいけないのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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岸田総理 NATO首脳会議に出席へ 日本の総理として初 対中国で連携強化を表明へ(2022年6月29日)
配信元)
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首相 中国対応強化でNATOとの協力内容まとめた文書大幅改訂へ
引用元)
スペインを訪れている岸田総理大臣は29日、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席し、中国への対応を強めるため、NATOとの具体的な協力内容をまとめた文書を大幅に改訂することを確認する見通しです。
 
スペインのマドリードを訪れている岸田総理大臣は、日本時間の午後から開かれるNATOの首脳会議に日本の総理大臣として初めて出席します。

この中で岸田総理大臣は、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを踏まえ防衛力を抜本的に強化する方針を伝えるとともに、自由や法の支配など価値観を共有する国々との安全保障での協力を強めていく方針を示すことにしています。
(中略)
そのうえで、国際社会の最大かつ共通の戦略課題は中国だと指摘し、NATOが新たに採択する「戦略概念」で、初めて中国にも言及する方向になっていることへの支持を表明するものとみられます。

さらに中国への対応を強めるため、日本とNATOの具体的な協力内容をまとめた文書を大幅に改訂することを確認し、サイバーや海洋安全保障など新たな分野での協力を進展させる方針で一致する見通しです。
(以下略)


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日本が防衛費を上げようとする裏で動く画策、逆に狙われていることに気づいていますか?【切り抜き,三橋貴明】
配信元)
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自衛は武器だけでなく、外交によっても達成できるもの
転載元)
日本の岸田文雄首相は防衛費を、現在の5兆4000億円から、そのほぼ2倍の10兆円に増額するとの提案をおこなった。これは日本のGDP(国内総生産)のおよそ2%にあたる。ちなみに、2022年の中国の国防費は2295億ドルで、予定されている日本の防衛費は750億ドル、つまり中国の国防費の32.2%である。一方、軍の規模で言うと、中国人民軍の兵員は203万5000人、自衛隊の兵員は24万7000人で、これは中国の12%である。
 
中国軍は、兵員に年間平均で11万2700ドルを費やし、自衛隊は現時点で平均16万1900ドルを計上しているが、首相の提案ではこれが年間29万9500ドルに引き上げられることになる。
 
今のところ、自衛隊員の増員に関する問題は提起されていないことから、防衛費の増額は、兵器の刷新に充てられるものと考えられる。そしてこの兵器の刷新は、戦闘が行われる可能性があると想定される敵国に、軍備で質的に上回ることを目的としたものである。
 
日本は必要のない戦争に巻き込まれる可能性がある

これは非常に興味深い状況である。というのも、日本の近隣諸国には、日本と軍事紛争を起こすための根拠などないからである。尖閣諸島竹島問題など、それほど深刻でない領土問題は存在しているが、それらは戦争の引き金となるようなものではなく、話し合いによって解決しうるものである。日本は中国や北朝鮮といった隣国の敵になる可能性があるが、それは、日本領内に、これらの国にとって脅威となる米軍基地や米軍部隊が配備されているからである。そして、これらの基地や軍部隊が攻撃される可能性があり、日本も攻撃に対処する必要に迫られるわけである。
 
このように、日本は、自衛の原則を違反することなく、しかし自らの意思に反して、戦争に巻き込まれる可能性がある。米軍は地域にも、日本国内にも配備されており、とりわけ、中国と北朝鮮を敵対する陣営に分けるようなかなり以前に起こった政治的対立の結果、置かれたものである。米国は韓国と台湾を支持すると表明した。そして、米軍部隊の存在と世界最強の軍事大国との軍事紛争の可能性が生まれたことにより、この対立は凍結された。
 
しかし、対立は解決されたわけではなく、今もくすぶり続けており、いつ爆発してもおかしくない状態となっている。地域のパワーバランスは近年、中国と北朝鮮に有利な方向で変わりつつある。このことにより、古い政治的対立を力によって解決しようとする試みの条件が生み出された。
 
もしこの対立が再燃すれば、日本はある瞬間、国内にある米軍基地へのミサイル攻撃を受け、本質的には、日本にとっては必要のない戦争に参戦せざるを得なくなる。
 
こうしたことから、日本の自衛政策は、最新の航空機、艦船の購入だけでなく、地域でくすぶる紛争を平和的に解決するための外交的努力に基づくべきだという結論を導き出すことができる。
(以下略)

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