[ラジオイラン 他]イラン革命防衛隊総司令官、「米ISIS対策は見せかけ」

竹下雅敏氏からの情報です。
 上のイランの見解は、大変興味深いものです。ISISがアメリカの支援によって作り出されたこと。イスラム世界の弱体化を目指したものであること。シリアのアサド政権を崩壊させる目的であること。これらの事はこれまでお伝えして来た通りです。さらに“このテログループがある時、彼らを攻撃するようになるのを恐れ、反ISIS連合を結成…しかしこの連合に対してほとんど希望はない”とのこと。
 以前こうしたテログループのマインドコントロールが解け、銃口が自分達の方向に向く時が来るのではないかと言及したのですが、正にその事を恐れ、反ISIS連合を結成したとのこと。やはり予想通りの事がおこっているようです。
 下の記事は、シリア空爆に関してパリで国際会議が緊急に開かれたということで、この会議でフランスが米国に“かなり強い調子で、米国自体が…紛争の元を作り出し…軍事作戦を始めた事実を指摘した”とのことで、やはり予想通り、アメリカの思うようにはなっていないようです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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イラン革命防衛隊総司令官、「米ISIS対策は見せかけ」
転載元)
681cd07b7f1053dc636184ee48a1456c_Lイランイスラム革命防衛隊のジャアファリ総司令官が、「テロ組織ISISに対するアメリカの措置は見せ掛けのものだ」としています。

ジャアファリ総司令官は、16日火曜、記者会見で、「ISISは世界的な覇権主義者とシオニストに対するイスラム世界の抵抗力の弱体化を目指した動きである」としました。
さらに、「今日、ISISはアメリカの支援によって作り出されたことがすべての人に明らかになっている」とし、「イランは西側とアラブ諸国によるイラクのISIS対策会議に招かれていたとしても、このような会議には一切出席していなかっただろう。なぜならアメリカは自らの目的を遂げるためにこうしたことを行っているからだ」と語りました。

また、「西側はISISもまた地域での彼らの目的を実現することはできないことがわかったとき、このテログループがある時、彼らを攻撃するようになるのを恐れ、反ISIS連合を結成しようと決めた。しかしこの連合に対してほとんど希望はない」と述べました。
ジャアファリ総司令官は、「イラン軍はイラク北部アメルリでのISISに対する作戦に参加した」と語り、「この作戦でのイランの役割は、戦略を立てる上での顧問としての思考的な支援である」としました。
さらに、シリア情勢について触れ、「シリアでの陰謀の敵の目的は、この国の現在の体制を消滅させることだ。それはシリアの人々がイスラム革命の前線に立ち、抵抗しているからだ」と述べました。

また、シリアにおけるアメリカのあらゆる軍事行動に対するイランの立場について、「イランの政策はシリアの現行体制を支持することだが、この国では直接軍事的な介入はしない。同国に対するあらゆる軍事行動を非難する」と強調しました。
ジャアファリ総司令官は、シオニスト政権イスラエルに対するイスラムの抵抗の勝利について、「ガザの人々の51日間の抵抗は実際、地域でのシオニスト政権や覇権主義体制に対する彼らの永続性を示すものだった」と強調しました。

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パリ国際会議;「イスラム国」と戦うイラクを援助
転載元より抜粋)
© Photo: AP/Brendan Smialowski; Pool

© Photo: AP/Brendan Smialowski; Pool


米国は、イラク軍の攻撃作戦を支援する目的で、首都バクダッド近郊にある、テロ集団「イスラム国」戦闘員らの陣地を空爆した。又米国は、シリア領にある「イスラム国」の陣地も空爆する可能性がある。

 これに関連して、ロシアのラヴロフ外相は、イラク情勢に関するパリでの国際会議で、パートナー国に対し今一度、自分達の行動がもたらす結果をよく考えるよう求め、テロとの戦いにおいてはダブルスタンダードを排除するよう求めた。


 イラクのみならず、それに同意していないシリアの領内でも「イスラム国」の陣地を空爆するつもりだとのオバマ米大統領の声明が出された事で、パリで国際会議が緊急に開かれる運びとなった。会議でフランス側は米国に対し、かなり強い調子で、米国自体が現在の中東での紛争の元を作り出し、10年前にイラクで軍事作戦を始めた事実を指摘した。

 ラヴロフ外相は「ロシア政府も同様の見方を取っている。自分達の行動の結果を思い出すことが重要だ」と指摘し、次のように続けた―

 「我々は、かなり以前からすでに、テロの脅威拡大を許さないという共通の目的よりも、体制打倒という課題を上に置いた『アラブの春』が吹き荒れた後、中東やアフリカ北部で急激に活発化したテロの問題を提起していた。我々は、過去に対する『罪の分配』としてではなく、今国際社会の構築を試みている新たな行動が、完全に過去の教訓を考慮するよう、もっぱらそのために、この会議をしている。テロとの戦いにおいてダブルスタンダードなど不可能だとの結論が、出されるようにすることが大切だ。テロリストに『よい悪い』は存在しない。首尾一貫することが必要であり、テロリズムとの戦いという共通の課題よりも政治的なプロジェクトを重視するようなことがあってはならない。 

 パリの会議に参加した30カ国すべてが、イラクに緊急援助する必要性で意見の一致を見た。具体的に援助に何が含まれるかは、最終コミュニケの中には述べられていない。しかし、すべての措置は、イラク当局が必要とし求めるものに厳しく合致したものとなり、国際法に応じたものになるだろう。

 ロシア議会下院・国際問題委員会のアンドレイ・クリモフ副委員長の見解を聞いた―

 「重要なのは、実際中東で何が起きているか、西欧がよく知るようになることだ。EUは『イスラム国』がイラクやシリアに生じた事は、アサド体制を排除するために手段を選ばず、シリアの反政府勢力に武器を与えた米国の愚かな政策の結果だと分かっている。欧州は。ちょうどよい時に、国連安保理事会を、そして、あらゆる危険な戦闘行動は安保理事会の承認を得なくてはならないという事を思い出したのだ。」 

 今のところフランスは、紛争ゾーン上空の偵察飛行の用意があると発表した。カナダは、イラク政府軍に砲弾や銃弾を供与すると約束した。日本は、軍事的な貢献は拒否したが、人道援助を行う意向だ。

 残念ながら、パリでの会議には、シリアやイランの代表が参加しなかった。彼らは、最もひどく「イスラム国」との戦争に巻き込まれているにもかかわらず、米国やサウジアラビアの求めにより招かれなかったのだ。つまり「イスラム国」のテロリストと戦うため幅広い国際的連合創設を目指すと米国は口で言ってはいるが、彼らにとっては、実際よりはやはり、政治的な要素が重要なのである。

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