ラジャビー解説員
アメリカの新聞ワシントンポストは、「サウジアラビアを統治するサウード一族が、石油収入によって、年間数十億ドルを蓄えている一方で、この国の各地では貧困や失業が広がっている」と報じました。
ワシントンポストは最近、報告の中で、サウジアラビアで、失業と貧困が急速に拡大しているとしました。この新聞は、「サウジアラビアでは、400万人が貧困ライン以下の生活を送っている」と報じています。サウジアラビア政府は、このような懸念すべき統計を気にかけることもなく、私腹を肥やすことだけに神経を集中させています。サウジアラビア発行の新聞、アルリヤドは、サウード家の石油収入が増加していることを明らかにしました。
シリアのテレビチャンネル、アルアフバリヤも、「民主主義の擁護を訴えながら、シリアのテロとテロリストを支援しているサウジアラビア王家は、市民の貧困と苦しみを見て見ぬふりをしている」と報じました。さらに、政府は、国民を貧困から救うための計画に取り組んでいないとしています。サウード家の人々は、自分たちの利益のみを考えています。
サウジアラビアのメディアは、国内の貧困について伝えることを禁じられており、国民はますます貧しくなり、政府の腐敗に対する怒りを増大させています。メディアの報道によれば、サウジアラビアの200万人から400万人が、毎月、35ドル以下で生活している中で、サウード家の人々は、蓄財ばかりを考え、貧しい人たちの土地を差し押さえています。サウジアラビア国王の個人資産は、およそ180億ドルと言われ、世界で三番目に裕福な国王だということです。
一方で、サウジアラビアの首都リヤドやその他の地域には、低所得層が住む住宅地の他、スラム街もあり、住民たちは、様々な病気にかかっている他、人間としての最低限の生活すら営むことができていません。サウジアラビアは、世界最大の産油国であり、政治、軍事、経済の点で、中東最大のアメリカの同盟国です。
2年前からのイスラムの目覚めにより、中東・北アフリカの独裁政権が次々に打倒されていきました。サウジアラビアの人々も、反政府運動に立ち上がっています。この国の各地では、1年前から、民主政府の樹立、社会的な差別の停止、自由を求めるデモが実施されてきました。
しかし政府は、抗議者を弾圧しており、これまでに多数の死傷者が出ています。
やはり中国の指導部は賢明だと思います。
日本は紙切れをたくさん手にして、世界の債権国だと言っている人がいるようですが、紙切れ同然のクズドルをいくら持っていても、本物の資産になりません。
経済システムが激変する時、通貨は現物に裏付けられていなければならないのです。