注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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ヒラリー・クリントン:ウォール街の負け馬? 憲法の危機? 終盤はどうなる?
転載元)
創造デザイン学会 16/11/4
Prof. Michel Chossudovsky
Global Research, November 1, 2016
FBI長官 Comey の米議会への第2の手紙が明らかになって以来、大統領選は燃える枯草、コントロール不能の状態になった。2大政党制は危機を迎えた。
「私、FBI長官[James Comey]は、ここにあなた方に対し、調査チームが昨日、この問題について私に報告したこと、私は、FBIが適正な調査措置を取ることに合意したことをお知らせいたします。これは、調査官たちがこれらのeメールを精査し、そこに極秘の情報が含まれているか否かを判断し、それらが我々の調査にとってどれほど重要かを査定することを、許可するものです。」
2つの重要な問題がある――
このeメールを公表したウィキリークスの背後に、誰がいるのか?
FBI長官ジェイムズ・コーミーの背後に、誰がいるのか?
どちらの場合も、我々は、強力な利益集団を相手にすることになる。誰の利益になるのか?
企業エリートの確固たるヒラリー・クリントン支持に、変化があったのか?
それともエリートたちが分裂したのか?
これは注意深く調べるべき問題である。
FBI長官コーミー(左)は、彼自身の判断でこの決定をしたのではない。彼は、FBI内部からのプレッシャーに応じたと言われているが、重要な問題は、ジェイムズ・コーミーの背後にいる権力者は、誰なのかということである。どのような機構が働いて、彼はこの決断をしたのか?
彼はトランプと関係があるのか? いくつかのメディアは、モスクワが、コーミーの第2の手紙の背後にいる可能性があるとほのめかしさえした。馬鹿げた考えだ。
FBI長官を動かして第2の手紙を議会に送らせたものは、10月28日の彼の決断より4日前のウォールストリート・ジャーナルの報道だった。
http://www.wsj.com/articles/clinton-ally-aids-campaign-of-fbi-officials-wife-1477266114
10月24日に、WSJは、「クリントンの友人の[バージニア州知事]Terry McAuliffeが、ある上席FBI調査官の妻が公職に立候補したとき、彼女に金銭を寄付した」と明らかにした。
テリー・マコーリフ知事は、ヒラリー・クリントンの為に、このカネを送ったのだった――
コーミーが10月28日(オクトーバー・サプライズ)に第2の手紙を送る決断をしたのは、クリントンによる贈賄とFBI内部の腐敗を指摘する、WSJの報道に促されたものだった。
この寄付金は、2015年バージニア州Dr. Jill McCabeの上院への選挙運動に届けられ、この人はたまたま、FBI役人Andrew McCabeの妻だった。アンドルー・マッケイブは、数か月後、2016年1月に、FBIの副長官に任命され、クリントンのeメールの調査を任された。なんと上手くできていることか!(WSJ、October 24, 2016 を見よ)
ジル・マッケイブ博士(副長官の妻)の受け取ったヒラリーからの寄付は、報告されなかった。公的記録によれば、彼女は、選挙運動への寄付として、総額25万6,000ドルを受け取っている。
WSJの報道が出ると共に、FBI長官コーミーは、FBI内部からのプレッシャーと、自分自身の名誉のために、クリントンのeメールに関する第2の手紙を、公表することに決めた。クリントン調査を監督していた、彼の堕落した副長官アンドルー・マッケイブは、今のところまだ首になっていない。
引き金構造は、FBI長官のジェイムズ・コーミーの手紙自体から始まったものではない。策謀と賄賂の仕組みを明かしたのは、アメリカの金融体制の代弁者であるウォールストリート・ジャーナルだった。FBIのナンバー2、アンドルー・マッケイブ(左)の妻が、バージニア州知事を介して、ヒラリー・クリントンから巨額のカネを受け取っていたのだ。
選挙前の2週間以内でのこの決定のタイミングは、絶妙だった。しかし、この事件の成り行きを決めたのは、究極的にWSJ(と、クリントン‐マッケイブ策謀報道の背後の人々)だった。

ウォール街の誰が、ジェイムズ・コーミーの手紙の引き金になった、クリントン‐FBIマッケイブ“賄賂”に関するWSJ報道の、背後にいたのか?
WSJの所有者はNewsCorp複合企業で、これはMurdockファミリー・トラストの所有する、最も強力なグローバル・メディアの一つである。ルーパート・マードックは、ドナルド・トランプの確固たる支持者で、両者は先月のうちに数回、会っている。
最近まで、アメリカの主流メディアは、ヒラリー・クリントンの犯した罪をカムフラージュすることに、大わらわだった。起こっているのは“Uターン”なのだろうか?
企業エリートは一枚岩なのではない。全く反対である。支配者企業体制の内部に、大きな分裂と抗争がある。起こっているらしいのは、トランプ支持の、マードックのNewsCorpグループ(WSJとFoxNewsを含む)と、クリントン支持の、TimeWarner‐CNN グループの、競争するメディア複合企業間の対立のようだ。これらメディア複合企業は、さらに、企業体制内部の、強力な、競争する派閥と隊列を組んでいる。
WSJの報道のすっぱ抜きの引き金を引いた人たちは、それがFBI長官ジェイムズ・コーミーの反応を引き起こし、またそれがヒラリー・クリントンの弱体化と転覆につながることが、よくわかっていた。
ドナルド・トランプによれば、これは「ウォーターゲイトより大きい」。クリントン・キャンペーンは、FBI長官が法を破ったと非難することで、これに応えた。
多くの点で、Huma Abedinのeメール(FBIが公開し、広範囲なメディアの扱う対象だった)は、視聴者の注意をそらすためのもので、より大きな、国家組織や党政策の犯罪化プロセスとは比べものにならない。それは red herring(注意をそらすもの)であって、目に触れるより遥かに多くのものが存在する。
Eメールに関連する第2の手紙は、欺瞞、腐敗、賄賂、それにマネー・ロンダリングの「パンドーラの箱」を開けるものである。これまでは、メディアは、クリントンの罪を軽くするために、些末なことに集中していた。
WSJ記事に含まれる犯罪の、犯罪証拠(すなわち、ヒラリー・クリントンを調査していたFBIのナンバー2の妻に支払われたクリントン・マネー)は、単なるメディア・トークの問題ではない、クリントン財団のカネの取引の根底にある不正行為も深刻だ。
FBI長官コーミーの第2の手紙は一つの爆弾である。コーミーの思い切った行動は、今度の場合、アメリカ大統領の候補者が FBIによる犯罪捜査を受ける可能性があることを、指摘するものである。
これは単にeメール・スキャンダルに関するものでなく、FBIが、不正行為とマネー・ロンダリングの温床であるクリントン財団の、公開調査に入ったということである。それだけでなく、民主党全国委員会に対し、同党が「不正を行い、ヒラリー・クリントンの選挙運動と共謀したとして、また不審死を含む多くの問題で」集団訴訟が始まったことを意味する。
(中略)
また、軍の内部からのクリントンに対する憤懣の証拠がある。統合参謀本部は、シリアでの“飛行禁止ゾーン”案への反対を表明している。これはロシアとの戦争につながるものだ。飛行禁止ゾーンも、ヒラリーの“テーブル上にある”核選択も、アメリカのトップ官僚の議論の対象になっている。イランに対する核兵器使用に言及して、ヒラリーは「我々は彼らを消す(obliterate)だろう」と言った。
もし大統領に選ばれたら、ヒラリーの犯罪記録は、彼女の職務期間を通じて付きまとうであろう。それは弾劾につながる可能性がある。大統領職は、最初から完全に機能不全になるであろうから、防衛請負業者もウォール街も含めて、彼女の企業スポンサーたちは、これは避けたいと思うだろう。
必然的にトランプは、選挙キャンペーンの違った段階で、ペテンに関係した1つあるいは それ以上の訴訟を持ち出すだろう――投票機械のことなど。ニューハンプシャー集会でのドナルド・トランプの言葉を引くと――
もしトランプが大統領に選ばれるなら、その場合も、彼を降ろそうとする試みがあり、弾劾が要求されるだろう。
どちらの候補者も“機能不全”としたら?
疑う余地もなく、アメリカの2大政党制全体が危機にあり、そこには外交の崩壊、軍のアジェンダ、ロシアとの差し迫った対決に現れた、アメリカの対外政策が含まれる。
11月8日の選挙のあとに何が起こるか予言するのは難しいが、見えてきた政治的行き詰まりは――シリア、イラク、ロシア国境沿いの東ヨーロッパでの、高まる地政学的テンションと一緒になって――将来どこかで、憲法をもつ政府の一時停止へと行きつく可能性が高い。それは、“国防権限法案”(NDAA)というもので、2011年12月31日、オバマ大統領の署名によって法律になった。ほとんどのメディアは、この法制化に含まれる意味の大きさを分析することを怠っている。
選挙のプロセスの現在の行き詰まりは、アメリカ国家と、その裁判・法執行組織の犯罪化に特徴づけられた合法性の危機である。その一方で、ワシントンは、世界制覇的な米‐NATOの“国境なき戦争”にのめりこみ、そこにTPPとTTIPの提案による巨大貿易ブロックの形成が付随している。このネオ・リベラルのマクロ経済アジェンダは、1980年代初期以来、世界人口の大きな部分の貧困化に寄与している。
こうした展開は、潜在的な憲法の停止と一つになって、アメリカ全土の集団抗議と共に、高まる政治的・社会的テンションへの方向を指している。これは将来のある時点で、合憲政府の露骨な抑圧と、戒厳令の強制へとアメリカを導くだろう。アメリカの戒厳令法制化には多くの手続きがある。“国防権限法”の採択は、市民的自由の撤回、監視国家、法執行の軍国主義化、自警団法の撤回と同等であろう。
警察国家アメリカのすべての要件が、今揃っている。それらは、eメールや電話の、政府による盗み見(聞き)を遥かに超えたものである。そこに含まれるのは――
“国家非常事態センター設立法(HR645)”の下では、“強制収容所”は、「国土安全保障長官の決定によるような、他の適切な要求のために」使用することもできる。
http://www.govtrack.us/congress/billtext.xpd?bill=h111-645
FEMAの強制収容所は、“政府の継続”(COG) の一部で、戒厳令が布かれた場合も活用される。強制収容所は、市民に対して“政府を守る”ことを意図したもので、抗議者や政治活動家を収監することによって、政府の国家安全保障や経済や軍事アジェンダの合法性への挑戦を防ぐためのものである。
Global Research, November 1, 2016
FBI長官 Comey の米議会への第2の手紙が明らかになって以来、大統領選は燃える枯草、コントロール不能の状態になった。2大政党制は危機を迎えた。
「私、FBI長官[James Comey]は、ここにあなた方に対し、調査チームが昨日、この問題について私に報告したこと、私は、FBIが適正な調査措置を取ることに合意したことをお知らせいたします。これは、調査官たちがこれらのeメールを精査し、そこに極秘の情報が含まれているか否かを判断し、それらが我々の調査にとってどれほど重要かを査定することを、許可するものです。」
2つの重要な問題がある――
このeメールを公表したウィキリークスの背後に、誰がいるのか?
FBI長官ジェイムズ・コーミーの背後に、誰がいるのか?
どちらの場合も、我々は、強力な利益集団を相手にすることになる。誰の利益になるのか?
企業エリートの確固たるヒラリー・クリントン支持に、変化があったのか?
それともエリートたちが分裂したのか?
これは注意深く調べるべき問題である。
FBI長官コーミー(左)は、彼自身の判断でこの決定をしたのではない。彼は、FBI内部からのプレッシャーに応じたと言われているが、重要な問題は、ジェイムズ・コーミーの背後にいる権力者は、誰なのかということである。どのような機構が働いて、彼はこの決断をしたのか?
彼はトランプと関係があるのか? いくつかのメディアは、モスクワが、コーミーの第2の手紙の背後にいる可能性があるとほのめかしさえした。馬鹿げた考えだ。
引き金構造
FBI長官を動かして第2の手紙を議会に送らせたものは、10月28日の彼の決断より4日前のウォールストリート・ジャーナルの報道だった。
http://www.wsj.com/articles/clinton-ally-aids-campaign-of-fbi-officials-wife-1477266114
10月24日に、WSJは、「クリントンの友人の[バージニア州知事]Terry McAuliffeが、ある上席FBI調査官の妻が公職に立候補したとき、彼女に金銭を寄付した」と明らかにした。
テリー・マコーリフ知事は、ヒラリー・クリントンの為に、このカネを送ったのだった――
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親密なクリントン同盟者テリー・マコーリフが、都合よくFBI副長官に昇進して、クリントンの秘密のサーバーへの調査を監視していた高官の妻に、67万5,000ドルの自由使用を認めたという、昨夜公表された事実は、深く疑惑を起こさせるものだ。
こういうことが起こり得たということは、FBIの完全に不注意な振舞いなのか、それとも信じられない腐敗のレベルを示すものか、どちらかである。FBIはすみやかに、これらの問題を十分に調査する必要がある、とウォールストリート・ジャーナルは、日曜日、この話を公にした。FBIは、ヒラリー・クリントンに対する起訴を提起しないことで、集中砲火を浴びている」(Breibart, October 24, 2016)
http://www.wsj.com/articles/clinton-ally-aids-campaign-of-fbi-officials-wife-1477266114
http://www.breitbart.com/2016-presidential-race/2016/10/24/trump-campaign-mcauliffes-donation-to-fbi-officials-wife-deeply-disturbing/
コーミーが10月28日(オクトーバー・サプライズ)に第2の手紙を送る決断をしたのは、クリントンによる贈賄とFBI内部の腐敗を指摘する、WSJの報道に促されたものだった。
この寄付金は、2015年バージニア州Dr. Jill McCabeの上院への選挙運動に届けられ、この人はたまたま、FBI役人Andrew McCabeの妻だった。アンドルー・マッケイブは、数か月後、2016年1月に、FBIの副長官に任命され、クリントンのeメールの調査を任された。なんと上手くできていることか!(WSJ、October 24, 2016 を見よ)
ジル・マッケイブ博士(副長官の妻)の受け取ったヒラリーからの寄付は、報告されなかった。公的記録によれば、彼女は、選挙運動への寄付として、総額25万6,000ドルを受け取っている。
アンドルー・マッケイブは、ヒラリーのFBI内部のトロイの木馬だった
WSJの報道が出ると共に、FBI長官コーミーは、FBI内部からのプレッシャーと、自分自身の名誉のために、クリントンのeメールに関する第2の手紙を、公表することに決めた。クリントン調査を監督していた、彼の堕落した副長官アンドルー・マッケイブは、今のところまだ首になっていない。
引き金構造は、FBI長官のジェイムズ・コーミーの手紙自体から始まったものではない。策謀と賄賂の仕組みを明かしたのは、アメリカの金融体制の代弁者であるウォールストリート・ジャーナルだった。FBIのナンバー2、アンドルー・マッケイブ(左)の妻が、バージニア州知事を介して、ヒラリー・クリントンから巨額のカネを受け取っていたのだ。
選挙前の2週間以内でのこの決定のタイミングは、絶妙だった。しかし、この事件の成り行きを決めたのは、究極的にWSJ(と、クリントン‐マッケイブ策謀報道の背後の人々)だった。

ウォール街の誰が、ジェイムズ・コーミーの手紙の引き金になった、クリントン‐FBIマッケイブ“賄賂”に関するWSJ報道の、背後にいたのか?
WSJの所有者はNewsCorp複合企業で、これはMurdockファミリー・トラストの所有する、最も強力なグローバル・メディアの一つである。ルーパート・マードックは、ドナルド・トランプの確固たる支持者で、両者は先月のうちに数回、会っている。
最近まで、アメリカの主流メディアは、ヒラリー・クリントンの犯した罪をカムフラージュすることに、大わらわだった。起こっているのは“Uターン”なのだろうか?
企業エリートは一枚岩なのではない。全く反対である。支配者企業体制の内部に、大きな分裂と抗争がある。起こっているらしいのは、トランプ支持の、マードックのNewsCorpグループ(WSJとFoxNewsを含む)と、クリントン支持の、TimeWarner‐CNN グループの、競争するメディア複合企業間の対立のようだ。これらメディア複合企業は、さらに、企業体制内部の、強力な、競争する派閥と隊列を組んでいる。
WSJの報道のすっぱ抜きの引き金を引いた人たちは、それがFBI長官ジェイムズ・コーミーの反応を引き起こし、またそれがヒラリー・クリントンの弱体化と転覆につながることが、よくわかっていた。
ドナルド・トランプによれば、これは「ウォーターゲイトより大きい」。クリントン・キャンペーンは、FBI長官が法を破ったと非難することで、これに応えた。
多くの点で、Huma Abedinのeメール(FBIが公開し、広範囲なメディアの扱う対象だった)は、視聴者の注意をそらすためのもので、より大きな、国家組織や党政策の犯罪化プロセスとは比べものにならない。それは red herring(注意をそらすもの)であって、目に触れるより遥かに多くのものが存在する。
Eメールに関連する第2の手紙は、欺瞞、腐敗、賄賂、それにマネー・ロンダリングの「パンドーラの箱」を開けるものである。これまでは、メディアは、クリントンの罪を軽くするために、些末なことに集中していた。
WSJ記事に含まれる犯罪の、犯罪証拠(すなわち、ヒラリー・クリントンを調査していたFBIのナンバー2の妻に支払われたクリントン・マネー)は、単なるメディア・トークの問題ではない、クリントン財団のカネの取引の根底にある不正行為も深刻だ。
FBI長官コーミーの第2の手紙は一つの爆弾である。コーミーの思い切った行動は、今度の場合、アメリカ大統領の候補者が FBIによる犯罪捜査を受ける可能性があることを、指摘するものである。
これは単にeメール・スキャンダルに関するものでなく、FBIが、不正行為とマネー・ロンダリングの温床であるクリントン財団の、公開調査に入ったということである。それだけでなく、民主党全国委員会に対し、同党が「不正を行い、ヒラリー・クリントンの選挙運動と共謀したとして、また不審死を含む多くの問題で」集団訴訟が始まったことを意味する。
(中略)
軍の内部からのヒラリー・クリントンに対する反対
また、軍の内部からのクリントンに対する憤懣の証拠がある。統合参謀本部は、シリアでの“飛行禁止ゾーン”案への反対を表明している。これはロシアとの戦争につながるものだ。飛行禁止ゾーンも、ヒラリーの“テーブル上にある”核選択も、アメリカのトップ官僚の議論の対象になっている。イランに対する核兵器使用に言及して、ヒラリーは「我々は彼らを消す(obliterate)だろう」と言った。
もし彼女が選ばれたらどうなる?
もし大統領に選ばれたら、ヒラリーの犯罪記録は、彼女の職務期間を通じて付きまとうであろう。それは弾劾につながる可能性がある。大統領職は、最初から完全に機能不全になるであろうから、防衛請負業者もウォール街も含めて、彼女の企業スポンサーたちは、これは避けたいと思うだろう。
必然的にトランプは、選挙キャンペーンの違った段階で、ペテンに関係した1つあるいは それ以上の訴訟を持ち出すだろう――投票機械のことなど。ニューハンプシャー集会でのドナルド・トランプの言葉を引くと――
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ヒラリー・クリントンの腐敗は、これまでに我々が見たことのない規模のものだ。...
我々は、彼女が、彼女の犯罪的企みを大統領執務室に持ち込むのを、許してはならない。
もしトランプが大統領に選ばれるなら、その場合も、彼を降ろそうとする試みがあり、弾劾が要求されるだろう。
どちらの候補者も“機能不全”としたら?
プランBがあるだろうか? 国家的非常事態措置、戒厳令? 政府の継続(C. O. G)?
疑う余地もなく、アメリカの2大政党制全体が危機にあり、そこには外交の崩壊、軍のアジェンダ、ロシアとの差し迫った対決に現れた、アメリカの対外政策が含まれる。
11月8日の選挙のあとに何が起こるか予言するのは難しいが、見えてきた政治的行き詰まりは――シリア、イラク、ロシア国境沿いの東ヨーロッパでの、高まる地政学的テンションと一緒になって――将来どこかで、憲法をもつ政府の一時停止へと行きつく可能性が高い。それは、“国防権限法案”(NDAA)というもので、2011年12月31日、オバマ大統領の署名によって法律になった。ほとんどのメディアは、この法制化に含まれる意味の大きさを分析することを怠っている。
選挙のプロセスの現在の行き詰まりは、アメリカ国家と、その裁判・法執行組織の犯罪化に特徴づけられた合法性の危機である。その一方で、ワシントンは、世界制覇的な米‐NATOの“国境なき戦争”にのめりこみ、そこにTPPとTTIPの提案による巨大貿易ブロックの形成が付随している。このネオ・リベラルのマクロ経済アジェンダは、1980年代初期以来、世界人口の大きな部分の貧困化に寄与している。
こうした展開は、潜在的な憲法の停止と一つになって、アメリカ全土の集団抗議と共に、高まる政治的・社会的テンションへの方向を指している。これは将来のある時点で、合憲政府の露骨な抑圧と、戒厳令の強制へとアメリカを導くだろう。アメリカの戒厳令法制化には多くの手続きがある。“国防権限法”の採択は、市民的自由の撤回、監視国家、法執行の軍国主義化、自警団法の撤回と同等であろう。
警察国家アメリカのすべての要件が、今揃っている。それらは、eメールや電話の、政府による盗み見(聞き)を遥かに超えたものである。そこに含まれるのは――
-
*米国市民を含む、テロリストと言われる者たちの超法的な暗殺――これは「いかなる人も、法の正当な手続きなしに生命を奪われることはない」という第5修正条項を、堂々と破るものである。
*裁判なしに米国市民を無期限に拘束すること、すなわち「人身保護令状」の撤回。
*2009年に採択された法律による、米軍基地の“強制収容所”の設立。
“国家非常事態センター設立法(HR645)”の下では、“強制収容所”は、「国土安全保障長官の決定によるような、他の適切な要求のために」使用することもできる。
http://www.govtrack.us/congress/billtext.xpd?bill=h111-645
FEMAの強制収容所は、“政府の継続”(COG) の一部で、戒厳令が布かれた場合も活用される。強制収容所は、市民に対して“政府を守る”ことを意図したもので、抗議者や政治活動家を収監することによって、政府の国家安全保障や経済や軍事アジェンダの合法性への挑戦を防ぐためのものである。
"続きはここから"以降は、11月8日の選挙のあとに何が起こるか、その予想が書かれています。さまざまな大激変が予想されますが、最終的には市民側が勝利することでしょう。