20/02/15 地球ニュース:民主党のドタバタ選挙劇

 2月3日のアイオワ州からアメリカ大統領選が正式に始まりました。11月の本選で、共和党トランプさんと対戦する民主党の大統領候補は誰か。記念すべき最初のコーカス(党員集会)でしたが、一日経っても結果が不明という前代未聞のグダグダ状態に。
 実はアイオワ州の得票数全体に占める割合は、非常に小さいのです。ただし、これが最初の投票って点が肝でして。なにせ「この候補者が1位になった!」と一般大衆へ強烈な「印象付け」が出来、この後も勢いに乗れますから。なのに出鼻をくじかれてしまい、最も損をしたのはバーニー・サンダース議員かもしれません。

 アイオワのコーカス直前、世論調査でサンダース1位が濃厚と出て焦ったのがDNC(民主党全国委員会、つまり党本部)です。DNCとしては社会主義のコテコテ左派なサンダースだけは、絶対に勝ってほしくありません。ということで既にコーカス前に規約を変更して、2月19日の次回討論会に億万長者ブルームバーグが参加できるようにしちゃいました。
 ブルームバーグって去年11月に、急に大統領になりたくなったとかで、途中参加してきた金持ちの爺さんですよ。ブルームバーグ系列のニュースを操作して、自分の金をバラ撒きまくって、おまけに全国でCMをガンガン流した結果、なぜか躍進中。

 とにかく現在のDNCは、ヒラリーもペローシも幹部がこぞってバーニー潰しに入っています。そこで今回のアイオワ州。ブルームバーグは流石に無理筋なので、自称1位となったのが、どっからどーみてもカバール支配層の申し子ブティジェッジです。

 個人的には、ハワイ州選出のトゥルシー・ギャバード下院議員が民主党の候補の中で一番まともだと思います。私が時々ユーチューブで視聴しているジミー・ドーア氏は、支配層を痛快かつ強烈に批判する方ですが、理路整然とした彼女を応援していました。
 残念ながらまとも過ぎて、カバール筆頭格ヒラリーに「ロシアの回し者だ」とディスられちゃいましたけど、本来は彼女くらい凛として、信念のある人がトップになって欲しいもの。
 2020年の現実は、まだブティジェッジなんですよね。
(Yutika)
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地球ニュース:民主党のドタバタ選挙劇


■この記事のまとめ■
✅ブティジェッジとはどんな人物
✅国政レベルは経験ゼロ
✅「若手」と「ゲイ」であることが売り

✅ブティジェッジの実態:
✅CIAの大物クラスが何故か応援
✅海軍で諜報活動

✅其の他の支配層との繋がり
✅ウィリアム・コーエンのコンサル会社の会議でディレクター
✅ハーバード大学やオックスフォード大学の名門卒
✅あのマッキンゼーでコンサルタント

✅アイオワ州のコーカスの票数
✅一応の結果としては僅差でブティジェッジ1位らしい
✅一般人気はサンダースが1位
✅党本部の発表している票数も、現場の報告と食い違い

✅アイオワ混乱の原因
➡シャドウ(企業名)が突貫工事で作った票集計アプリのトラブル
✅シャドウの実態:
✅ヒラリー・クリントン陣営のテクノロジー部門のスタッフだった人物が社長
✅ブティジェッジ陣営が昨年シャドウに大金を支払い済
✅シャドウの提携先の非営利団体アクロニム
✅アクロニムの理事の一人は、オバマ陣営の大物
✅アクロニムの設立者でCEOは、ブティジェッジ陣営のアドバイザーと結婚

✅第一回のアイオワ州と第二回のニューハンプシャー州の予備選結果
➡結局、穏健派(ブティジェッジとクロブシャー)が優勢
✅果たして民主党幹部は思惑通り、再びサンダースを潰せるか?


一体誰よソレ?


ピート・ブティジェッジって誰やねん? と思った方。全然大丈夫です、ちょっと前までアメリカでもそう思ってた人は多いと思います。だってこの方、国政経験ゼロっすからね。

普通の大統領候補って、アメリカ合衆国の、つまり国の上院か下院で議員経験がありますから! (※トランプさんも政治経験なんてありゃしませんでしたが、TV番組の司会など、ポップカルチャー分野で全国制覇してはりましたので別格。)

ブティジェッジは、インディアナ州のサウスベンドで市長を8年務めただけ。まぁ38歳なので仕方ないのかもしれませんが、そんなんでよー出てこれるなと。だってトランプさんやブルームバーグみたいな資金源も知名度もないんですよ?

一応、表向きの売りは「若手」であることと、「ゲイ」であること。特に後者はアメリカでは強みですかね、晴れて「マイノリティー」の仲間入り、そしてその代表ヅラが出来ますから。どっかの演説でシレっと「我々マイノリティーは」と話していました。


2018年に結婚したお相手は、中学校教師。現在は30歳で、演劇分野が専門のようです。

私もゲイの友人はいますからそれ自体は全然いいんですけど、ゲイを売りにする奴は嫌です。だってゲイでなくても皆、何かしら「マイノリティ」ですもん。ブティジェッジの父親は大学教授のインテリだし、どー見ても白人ですし、本人の学歴も超エリートですから、他に無かったのでしょう。

CIA子飼い


では、こっからは裏向きの部分を見ていきましょう。「ゲイ」とカミングアウトした程度で、30代の田舎市長が大統領候補選でトップになるなんてアメリカンドリーム、現実にある訣ないじゃないですか。

アメリカのRT局のニュースキャスターやコメンテーターの皆さんって、陰謀論には染まっていないものの、私からしたら相当まともな感性だと思います。その方々がアイオワ州の結果を受けて、ブティジェッジを「アメリカ版フアン・グアイド」と呼んではりました。

グアイドはこの前のトランプさんの一般教書演説に招待されたCIAのピエロ、もといベネズエラで勝手に大統領を自称して中二病をこじらせているディープ・ステートの操り人形です。ようは、資源豊富なベネズエラを欧米の大企業に売り渡そうとしている売国奴です。

――極悪CIAの南米引っ掻き回しについて延々語りたいところですが、まずはこちら:


ブティジェッジを支持すると公表している上の5人、全員CIAです。なんでCIA界隈から人気なのかなー、単なる偶然ですよねー(棒読み)。

あ、5人の中央にいる「デイヴィッド・コーエン」なる人物はCIAの元副長官です。その右隣の白黒写真はCIA内の国家秘密局(※「作戦本部」という一大部局が10年間使っていた名称)の元副局長です。だからどうって訣じゃないですけどー、なんか不思議だなー(棒読み)。


海軍の諜報将校


ブティジェッジ自身は正式なCIA職員ではありません。彼は海軍のスパイ。一般的に少し前までは、同性愛者であることをオープンにしている場合、軍隊に受け入れてもらえませんでした。ですので2009年から2017年まで予備役での登録でしたケド。その予備役で何やってたかっつーと、アフリカや旧ユーゴスラビアなどの作戦を支援する情報分析官だったみたいですケド。

予備役に入った翌年2010年には、オバマ政権が軍隊の同性愛差別はいかんと方針転換してくれました。2019年6月7日のソルカ・ファール女史の記事によると、当時の海軍作戦部長コーエンゲイリー・ラフヘッド大将が変更するよう動いたみたいです。

それでも現実には軍隊で同性愛カミングアウトって大変だと思うのですが、2014年には7箇月ほどアフガニスタンで実際に従軍しています。海軍の諜報将校でした。CIAなど諜報機関が一堂に会した部隊で、タリバンやアル゠カーイダといったテロリストによる麻薬取引を追求していました。

そのお陰でしょう、彼がアフガニスタンにいた当時の同国の麻薬生産は鰻上り、世界に出回った違法アヘンの90%を担うという華々しい成果を挙げています。流石は世界の警察アメリカ様です(※嫌味です)。



世界を動かす“コンサルタント”会社


2019年6月7日のソルカ・ファール女史の記事によると、ロシア側が彼に着目したのは2004年。クリントン政権で国防長官だったウィリアム・コーエンが立ち上げた「コーエン・グループ」という猛烈にロシア嫌いのコンサル会社が主催した会議でディレクターを務めてから。

彼は、ハーバード大学、そしてオックスフォード大学と進学していく傍ら、次世代の支配層の一人として海軍などに目をかけられていた訣です。

2007年から2010年までは、世界三大コンサル会社の一つ、マッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして勤務していました。その時の顧客の一人じゃなかったのか、と疑われているのがイスラエルの元大物スパイ、アリ・ベン=メナシェ。

海軍の仕事も完全に公開されていませんが(※だって諜報活動ですから)、市長という公職者なのにマッキンゼーで何していたのかも秘密だそう。

こちらの内部告発者の記事によると、同社はカバールのアジェンダ実行機関。現在のグローバル主義・資本主義の世界を生み出した張本人らしいので、そりゃ正直には言えませんな。


「マッキンゼーは如何にして中産階級を潰したか」という記事です。所得格差の諸悪の根源はココ。


アイオワ州の票数


さて、コメントでお伝えした今月冒頭のアイオワ州コーカスに戻りましょう。票の数、少ないです。数時間もいりません。なのに翌日まで結果が不明でした。なのに早々とたった一人、勝利宣言したのがブティジェッジ。大手メディアですら、中継で「何を根拠に?」と問うたくらいに、根拠は謎。

出口調査は皆サンダース一位でしたが、彼の宣言で大手は「ブティジェッジ勝利」一色に。なんかもう、言ったもん勝ちの世界です。おそらく最終結果じゃないか? というのが、下の画像です。小数点の差でブティジェッジが一応は勝ったのかなー多分、という感じです。


ただし内訳は下:


コーカスは話し合いで自分の陣地にどんどん票を取り込んでいく、訣の分からんシステムなので、代議員票(代表)と一般票(有権者)の数に差が出るのは仕方ないとして……例えば以下。

ブラックホーク郡の票を取りまとめた人が報告したのが右の数字。で、DNC本部が発表した数字が左側。サンダースが一位なのは同じですが、民主党本部の方はブティジェッジ(1588票)、サンダース(1638票)と僅差になっています。現場の集計結果だと、ブティジェッジ(1578票)、サンダース(2149票)。なのでさっきから、「一応」だの、「多分」だの言ってたという訣です。



アイオワ州でシャドウ(闇)が暗躍


アイオワが大混乱に陥った原因は、「シャドウ」、つまり「闇」という胡散臭い名前の会社がたった2箇月で作ったという新たな票集計アプリ。事前に現場でのテストをせず、おまけに「ハッキングされたくない」とか宣って、当日いきなりダウンロードと相成りました。

当然ながらあちこちでダウンロードすらできず、ダウンロードしてもアプリが動かず、場所によっては起動させるためのIDも不明。使い方も不明。

仕方ないので皆さんDNCに直接電話をしようとして、電話回線がダウン。何時間も繋がりませんでした。

こんな短期間でアプリを開発しようとした猛者、シャドウのCEOとCOO(ようは社長)は二人とも、2016年の大統領選でヒラリー・クリントン陣営のテクノロジー部門のスタッフでした。

今年1月にはアクロニムという非営利団体に吸収されています。ここの理事の一人は、2008年と2012年のオバマ陣営を仕切り、オバマ政権の大統領上級顧問にもなったデイヴィッド・プラフです。

民主党幹部にとっても近しい感じがしますが、気のせいでしょうか。

それとですね、アクロニムの設立者でCEOの女性は、ブティジェッジ陣営のトップ・アドバイザーと結婚しています。シャドウには昨年、ブティジェッジ陣営から合計42,500ドルが支払われました。「ソフトウェアの権利とサブスクリプションの代金」だそうです。ふーん、へー、ほー。


今のところ、優勢は穏健派


そんなこんなで、ブティジェッジはアイオワのコーカス当日に、一人だけ自信たっぷり勝利宣言をしました。


第二回目となる今月11日のニュー・ハンプシャー州プライマリー(予備選)では、サンダース1位、僅差でブティジェッジ2位です。ただし、こちらも民主党幹部側が勝利したと評価されています。

何故ならアイオワ州のコーカスで6位につけたミネソタ州選出のエイミー・クロブシャー上院議員が、ニュー・ハンプシャー州プライマリーでは何と3位にまで上げてきたからです。

彼女とブティジェッジの二人で合わせて見れば、穏健派が優勢となります。ここになりふり構わず大金をはたくブルームバーグも加わって、極左のサンダースを潰す布陣となっています。

2016年の予備選挙でも民主党幹部はサンダースを意図的に潰して、ヒラリーを大統領候補として選出しました。果たして2020年も、二の舞となるのでしょうか。

文:Yutika


Writer

Yutika

体癖:8−2、エニアグラム:4
関西の英語塾で教えつつ、翻訳業(英語&仏語)をしております。


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