「この数ヶ月、米国とその属国は…特に台湾問題に干渉し、中国を刺激するために可能な限りのことを行ってきた。…ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問は、中米間の新たな争点となっている」

竹下雅敏氏からの情報です。
 ナンシー・ペロシ米下院議長は、7月31日に議員団によるアジア歴訪に関する声明を出し、シンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問すると明らかにしました。
 ペロシ下院議長のアジア訪問については、英フィナンシャル・タイムズ紙が7月18日に「同氏は8月に台湾訪問を計画している」と報じていましたが、中国国防省は7月26日の会見で、「アメリカ政府『ナンバー3』の訪台は中国の主権と領土の保全を大きく損なう」と主張し、「アメリカが突き進むことを決して座視しない」と牽制していました。
 バイデンが「(米)軍は良い考えと思っていないようだ」と言っていたこともあり、ペロシ下院議長は台湾訪問に関しては一切言及していないのですが、“歴訪中に台湾を電撃訪問するかどうか”はハッキリしません。
 ペロシ下院議長が発表したプレリリースでは、「シンガポール、マレーシア、韓国、日本では、代表団はハイレベルの会合を開き、平和と安全、経済成長と貿易、COVID-19の流行、気候危機、人権、民主的統治など、共通の利益と価値をさらに高めるにはどうすればよいかを議論する予定です。」と述べています。
 こうした中で、石破元防衛大臣ら超党派の議員団は台湾を訪問し、7月28日に蔡総統と会談。中国外務省は「日本が台湾の独立勢力に誤ったメッセージを送らないよう厳正に促す」と反発しました。
 元外務省情報局長の孫崎享氏は、「日本政府は、歪曲され偏った防衛白書で『中国の脅威』を誇大宣伝することにより、悪しき意図による防衛費拡大を目論んでいる」と言っています。
  “続きはこちらから”の記事では、「この数ヶ月、米国とその属国は…特に台湾問題に干渉し、中国を刺激するために可能な限りのことを行ってきた。…ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問は、中米間の新たな争点となっている…米国は40年来のインフレのピークを迎えており、事実上、景気後退に陥っている。…これらの問題から目をそらそうとし続け、世界中で戦争や紛争を起こすことに力を注いでいる。」と言っています。
 ベンジャミン・フルフォード氏の日本語版の今日の記事では、“最近は、安定していると思われていた中国で政変の予兆ともいえる不穏な動きが数多く見受けられるようになってきた”とし、中国の「土地本位制金融システム」の崩壊を取り上げています。
 中国がこうした内政問題から国民の目をそらすために、台湾に手を出す可能性は十分にあります。また、それを誘うような事を日本が行っているのです。ウクライナでの出来事を見ても何も学ばない無能な政治家、官僚がたくさんいるのです。中国はロシアほどの忍耐力は持っていないことを理解すべきです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ペロシ米下院議長のアジア歴訪予定が発表
転載元)

画像はシャンティ・フーラがツイートに差し替え
ナンシー・ペロシ米下院議長

ロイター通信が速報として、ナンシー・ペロシ米下院議長がシンガポール、マレーシア、韓国、そして日本を訪問する予定だと報じました。
(中略)
この報道によりますと、ペロシ氏は台湾訪問に関しては一切言及していない、ということです。
 
ペロシ氏の台湾訪問の可能性は数日前にメディアで報じられ、中国側の強い抗議を引き起こしました。
 
台湾をめぐるアメリカと中国の緊張は、数ヶ月前から激化しています。
 
これに先立ち、英紙フィナンシャルタイムズは「中国が米当局に対して、台湾問題への不介入と、ペロシ氏の訪台の可能性に関して再三警告および反対したにもかかわらず、ペロシ氏は8月に台湾を訪問する意向だ」と報じていました。
 
以前にも、中国外務省の趙立堅報道官は、ペロシ氏が台湾を訪問した場合には、アメリカにとって悪い結果が待ち受けている、として警告しています。
 
中国は台湾を自らの不可分の領土とみなしており、台湾に対するアメリカの武器売却や挑発行為を、「1つの中国」政策に反し自らの国家主権を侵害するものだとみています。
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元外交官の孫崎享氏、「日本は中国の脅威の誇大宣伝により防衛費拡大を画策」
転載元)
 
日本の元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏が、「日本政府は、歪曲され偏った防衛白書で『中国の脅威』を誇大宣伝することにより、悪しき意図による防衛費拡大を目論んでいる」との見解を示しました。

城西国際大学大学院人文科学研究科講師、東アジア共同体研究所理事・所長でもある孫崎氏は、日本の防衛政策が今日米国軍事戦略の補完として機能している、との見方をとっています。
 
そして、「今年の防衛白書では全体的に中国、台湾、ウクライナ情勢、ロシア、北朝鮮の動向、国際社会の課題など列挙し、総合した上で防衛費増強の必要性をアピールしている」と見ています
 
孫崎氏によれば、2022年度の防衛白書では「今日、米国戦略の主なる敵対勢力は中国である」との認識を反映しているということです。
 
実際、今年の白書は中国・台湾について「中国は台湾周辺で軍事活動を活発化させ、中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない。台湾はわが国と基本的価値を共有する極めて重要なパートナー。与那国島からわずか約110キロと近接している。台湾情勢の安定はわが国の安全保障、国際社会の安定にとって重要だ」という内容になっています。
 
このことから、孫崎氏によれば、今年の防衛白書は対中強硬路線への協力拡大と防衛費の拡大を柱とし、防衛費の大幅増と防衛力強化の流れを既成事実化したい政府の狙いが透ける内容になった、とうことです。
 
また孫崎氏は、「今回の防衛白書は国防予算に関し、米欧の軍事同盟・NATO北大西洋条約機構加盟国が掲げる対GDP国内総生産比2%目標や、国民1人当たりの金額の国際比較などを示し、日本の水準の低さを強調している」とし、「安全保障政策の転換に対する国民の警戒感を和らげ、容認へと誘導したい思惑がにじむ」との見方を示しました。
 
しかし、「防衛費拡大の必要性を示唆する記述が多い一方、危険性には触れていない。相手国が武力攻撃に着手したと主張し、日本が敵基地をたたいた場合、国際法上は先制攻撃と評価されかねないリスクをはらむが、こうした懸念への言及はない」としています。
 
さらに、「日本は1970年の初の防衛白書の出版を皮切りに、1976年からは毎年出版している。その後数十年間にわたり、防衛白書において中国はいわゆる「脅威」として誇大宣伝されるための手段として、日本からいつも真っ先に矛先を向けられてきた」としました。
 
2022年版の防衛白書の発行以来、日本側は中国や韓国を含むいくつかの近隣諸国から絶えず反対や非難を受けてきています。


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挑発的な外交政策を強める中国に忍耐の限界を感じる
転載元)
(前略)
この数ヶ月、米国とその属国は、アジアの巨人の内政、特に台湾問題に干渉し、中国を刺激するために可能な限りのことを行ってきた。北京がそうしないようにと何度も警告しているにもかかわらず、アメリカはまだ押し続けている。
 
ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問は、中米間の新たな争点となっているようで、中国の習近平国家主席はワシントンDCに「火遊びをするな」と警告したほどである。習近平は普段は非常に控えめで慎重かつ外交的な発言をするが、ここ数ヶ月は非常に直接的で、台湾問題、香港、新疆ウイグル自治区、神話上の「ウイグル虐殺」主張など、中国に向けたアメリカの絶え間ないエスカレーション的行動に対する北京の深い不満を表している。
 
中国外務省は、習近平がバイデン米大統領と5回目の会談を行った際、「火遊びをする者は火で滅びる」と述べたことを引用している。ロイター通信は、「米国がこのことについて明確な目を持つことが望まれる」と報じた。2時間を超える会談の中で、中国の指導者は、北京がワシントンDCに米国自身が認めている「一つの中国政策」を遵守することを期待すると述べ、台北の独立の主張と外国の干渉に断固反対することを強調した。
 
ホワイトハウスのプレスリリースによると、米国大統領は、台湾に関するワシントンDCの外交政策に「変更はない」と述べ、米国は「現状を変更したり、台湾海峡の平和と安定を損なったりする一方的な努力に強く反対する」と表明した。台北の政府は、ジョー・バイデン氏の支持に感謝し、「米国との安全保障上のパートナーシップを引き続き深めていく」と表明した(金曜日に外務省が発表した声明より)。
 
国務省は、「長い間予定されていた電話会談は、中国とのコミュニケーションラインを深め、責任を持って我々の相違を管理するための政権の努力の一部である」と主張している。しかし、この声明は本物とは言い難い。米国とその衛星国は、台湾や、広大でますます重要になるアジア太平洋地域の他の場所で、北京の立場を弱めることを目的とした公然たる敵対的行動によって、中国の忍耐力を試し続けているからだ。
 
これまでのところ、中国の反応は非常に控えめで、アジアの巨人はエスカレートを避けようとしている。しかし、中国は一貫して、いかなる外部勢力も自国の安全保障を脅かすことができないよう、軍備を増強している。北京の行動は、台北の政府に武装させるなど、米国の好戦的な動きに対するものがほとんどだが、中国は今後、こうした政策を抑止するために、より積極的になっていく可能性が高い。
(中略)
内政干渉に対する中国の反応に加え、米国は、ロシアのNATO侵攻に対する反撃を北京が断固として非難しないことにも苛立っている。中国は、米国の対ロシア政策と自国や他の多くの国との間に多くの類似点があると見て、モスクワとのパートナーシップを継続することを決意している。ワシントンDCは、中国のロシアに対する「非協力」を罰するために、台湾の緊張を激化させようとしているようだ。米国は、東欧やソ連崩壊後のロシアにしたように、中国にも深刻な問題を引き起こすことができるということを示そうとしているのだろう。しかし、中国指導部は、何らかの弱点や反撃の意志のなさを示すことの危険性を認識している。
 
現在、中国はまだCOVID-19のパンデミックによる経済的な影響を解決することにほとんど集中している。一方、米国は40年来のインフレのピークを迎えており、事実上、景気後退に陥っている。しかし、人種差別、銃乱射、離乳食不足、移民など、数々の内政問題に取り組まず、米国はこれらの問題から目をそらそうとし続け、世界中で戦争や紛争を起こすことに力を注いでいる。この外交政策のやり方は、控えめに言っても大失敗であった。その結果、アメリカは今、ロシアと中国の両方と(新/第二次)冷戦を同時進行で続けている。
 
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(以下略)

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