[TED]リサ・ジェノヴァ:アルツハイマー病を予防するために出来ること

 プレゼンターのリサ・ジェノヴァは、「アリスのままで」という、若年性アルツハイマーの女性と家族をめぐる物語の著者で、神経科学者です。著書はアメリカでベストセラーになり、映画もアカデミー賞を取りました。
 アルツハイマー病はシナプス、つまり神経と神経をつなぐ接合部に、アミロイドβという老廃物が蓄積するために発症するというのが定説です。それを予防するためには、アミロイドβの塊、つまりアミロイドプラークをシナプスに蓄積させないようにしなければなりません。
 「深い睡眠は脳の強力洗浄のようなもの」で、睡眠不足はリスクが高まります。高血圧、糖尿病、肥満などもリスクを高めます。
 しかし、「脳が完全に病に侵されていても、アルツハイマー病の症状から、自分自身を守るためにできることがもう1つある」。それは、「新しい事柄を学ぶたびに、新たな神経結合やシナプスを作ったり強化」することだというのです。
 そのことを裏づけるのが、「修道女の研究 (Nun Study)」です。75才以上の 678人の修道女たちを追跡調査したところ、死亡後のいくつかの脳に「明らかなアルツハイマー病の兆候に関わらず、生前何の症状も示していなかった」ケースが見つかりました。
 11:36〜12:38では、イラストを使って、その理由をわかりやすく説明しています。一つのことについて多方面からの知識を持っていると、多数のアプローチで物事を思い出すことができる。しかし、一つのことについて一つしか知らないと、そのルートが病気になったときに思い出せなくなる。著者はこれを「高い認知的予備力」と呼び、「より多くの機能するシナプスを持っていた」から発症しなかったと説明しています。
 「精神的に刺激を受ける活動をする人々は、認知的予備力が多く、神経が豊富に幾重にも繋がっているので、アルツハイマー病のような疾患が、シナプスの一部を欠損させてしまっても、まだ予備の神経結合があり、これが緩衝材となって何かが欠けているとは気づかない」つまり、「新しい神経の道を作る」ことが予防には大切で、その道の作り方は人それぞれです。
 私にとっては、時事ブログと映像配信が、楽しみながらシナプスを増やせる一つの方法です。日々新しいことを学びながら、アルツハイマー病の予防ができるとしたら、なんとありがたいことでしょう。
(ぴょんぴょん)
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リサ・ジェノヴァ:アルツハイマー病を予防するために出来ること
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