「働き方改革」労働時間の実態調査の約2割が不適切というデータに基づいて、「高プロ法案」強行採決を目指す安倍政権

竹下雅敏氏からの情報です。
 厚労省が作成した労働時間の実態調査の約2割が、不適切なデータだったとのことです。残りのデータに不正がないかどうかもわからない状態にもかかわらず、厚労省は“統計的な数値としては有意”だとしています。安倍政権は根拠の崩れたデータに基づいて、強行採決を目指すつもりのようです。
 野党のふりをした“維新の会”による「働きかた改革」関連法案の修正協議が、極めて危険なものだということです。維新は、“過労死ラインを20時間も超える「残業時間上限100時間未満」という規制”すら気に入らないようで、人手不足が指摘されている中小企業には、“(法案の)適用を遅らせるなどへの配慮を求める”とのことです。
 要するに、日本の全事業者の99.7%の中小企業に関しては“残業規制が有名無実化される”ということで、引用元の記事によれば、この修正案は“中小企業従業員の完全な「奴隷化政策」”だということです。
 この法案は何としても廃案に追い込みたいところですが、 百歩譲って修正を受け入れるとすれば、その修正案は、“まず官僚とメディア業界にこの法案を適用し、3年間様子を見て、確かに働き方改革として有効であると認められた場合にのみ一般企業に適用する”というものです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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安倍政権がドサクサ紛れ 「高プロ法案」5.23に強行採決か
引用元)
(前略)
安倍政権はまた強行採決するつもりだ。(中略)… 労働問題に詳しい塩見卓也弁護士が言う。

「今回、提出されている法案では、成果に応じて賃金を支払う規定は書かれていません。裁量労働制のように、業務の遂行が労働者の裁量に委ねられているわけでもない。しかも、労働時間規制から全面的に外れるため、法文上は無制限に所定労働時間を設定することも可能と解釈できます。休憩、残業代、深夜割増賃金も必要ありません

 今回の対象は平均年収の3倍である1075万円だが、いずれ年収要件を引き下げて対象を拡大することは間違いない。(中略)… 経団連は「年収400万円以上」と主張している。
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【報ステ】「働き方改革」またデータミス 野党反発
引用元)
 安倍政権が今国会での成立を目指している働き方改革法案をめぐって、厚生労働省が作成した労働時間の実態調査に異常なデータが次々と発覚し、柱の一つに据えていた裁量労働制の拡大を撤回した。厚労省は15日、すべてを精査した結果、一般労働者についても966事業所に不適切なデータがあったと発表した。一日の残業時間が24時間を超えている、1カ月の残業より一日の残業が長いなどがあったという。結局、調査の約2割が不適切なデータだった。ただ、加藤厚労大臣は「(異常値を)差し引いても9000を超えるサンプル数がある。統計としては一定の姿になっている。結果において、そう大きな変化があるというふうには認識していない」と述べた。今回、新たなミスの発覚を受けて野党側は「立法事実が崩れた」としていて、法案の出し直しを求めていく方針だ。
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働き方改革さらに改悪へ、維新が中小企業(全企業の99.7%)の残業時間上限規制を骨抜きにする「配慮」を求める
引用元)
(前略)
極めて危険な状況が日本維新の会によってもたらされています。それが5月11日に始まった自民党と日本維新の会による働き方改革関連法案の修正協議です。
(中略)
維新は、法案が時間外労働の上限が最大でも年間720時間以内、月100時間未満としていることなどについて「人手不足が指摘されている中小企業から、対応できるか不安という声も出ている」と指摘。
(中略)
今後維新は中小企業への適用を遅らせるなど一定の配慮を求める見通しとなっており、遠藤議員もは会談で「特に大阪は中小零細企業が多い。国民に理解を得る法案にしたい」と述べています。(中略)… つまり、維新の修正協議が通ればやっと決められた過労死ラインを20時間も超える「残業時間上限100時間未満」という規制すら99.7%の企業、70%の従業員らへの適用が回避され、これほど完全な骨抜きは見たことがないというレベルで残業規制が有名無実化されることになります。
 (以下略)
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配信元)

 
 

 

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