持続化給付金事業のさらなる問題が浮上、せっかく対象拡大されたフリーランスの要件が厳しすぎる冷酷 〜 国民には給付を絞り、委託先には大甘の委託費

 国会は閉じられましたが、今なお給付金事業の問題は続出です。
6月30日に行われた野党合同国対ヒアリングは「持続化給付金」「GoToキャンペーン」「河井買収事件実態解明チーム」と、身体がいくつあっても足りない目まぐるしさでした。少ない野党議員に心から声援を送りつつ視聴しました。中でも国民に影響が直撃する持続化給付金事業では、新たな問題が浮上しました。
持続化給付金の緊急の問題の1つは、最初の申請から2ヶ月、未だに未入金となっている事業者が多く、その半数以上がもはや資金繰りができずに事業整理、廃業を余儀なくされている実態です。給付金事業の委託先や再委託先はどんな仕事をしているのか内容すら不明なまま、丸々利益のような巨額の事業費を受け取っていることと比べると、支援を受けるべき国民が見殺しにされています。
 もう1つの問題が、今回明らかになりました。
これまでは給付対象にならないとして弾かれてきたフリーランスの方や新規事業の方々が、6月29日から新たに対象となりました。これ自体は野党が国会で国民の声を代弁し認めさせたものでした。
しかし、首を長くして待っていたフリーランスの申請要件は、これまでの要件をさらに厳しくしたもので国保に加入していなければダメ、給与所得、雑所得に事業所得があればダメ、被扶養者はダメなどフリーランスの多様で柔軟な働き方を全く考慮しない条件であるため、多くの人が申請前に諦めてしまったようでした。フリーランスを代表する形でヒアリングに参加されていたバスガイドさんの訴えは、シビアな内容にも関わらず、さすがプロ、とても快く耳に響き、このように誠実に働いてこられた人々が冷淡な申請事業のために本当に困っているのだと分かりました(29:05〜33:52)。
 政府によるとフリーランスの形態の方は1000万人、ところが29日の申請受付では、なんとたったの2000件という回答でした。せっかくの対象拡大が役に立っていないことが明らかで、野党議員は「これまで政府が多様な働き方を推奨してきたのに、事業収入の要件を絞っている。経産大臣も総理も柔軟に判断すると答弁していたではないか。コロナによるダメージを支援するという本来の趣旨に照らして最大限に要件を緩和すべきだ」と意見していました。
 野党議員はこれから国会の閉会中審査を要求し、少しでも早く国民に給付金を届けるよう経産省と政府へ要求すると表明しました。無論その先には、国民への支援を減らして中抜きを増やそうとしている再委託事業者へのメスも入ることになります。
(まのじ)
————————————————————————
配信元)
————————————————————————
2020年6月30日 野党合同国対ヒアリング「持続化給付金の遅滞について」
配信元)

(バスガイドさんの訴えは、29:05〜33:52)

Comments are closed.