GoToトラベル、おみやげ代も交通費も宿泊費も、旅行代理店やポータルサイトを介すことが条件になっている。手配業者は感染防止策に悩まされることも、クラスター発生のリスクを背負うこともない。これは本当は誰のための政策なのか、見極める必要がある。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) July 15, 2020
あまりこの視点で語られていないようなので、備忘までに投稿。Go To キャンペーンと省益争いのお話。今日の動きを見るに、今回のGo To キャンペーンは国土交通省が主導しており、宿泊業者救済というよりは旅行業者救済の側面がかなり強くなってきている。以下、その理由。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
まずこちらが本日7月14日の記事。https://t.co/nvx9fpPxvs
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
話の内容はわりと普通で、そりゃ感染対策必要だよねという話なのだが、ひとつだけ不自然な点がある。それは「ビュッフェ形式の食事は個別提供するなどの感染防止策を義務づけ、国交省が確認して宿泊業者を認める」というところ。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
ここが何故不自然かというと、感染防止という観点は医療分野であり、公衆衛生分野である。であるならば、本来は保健所の仕事であり、厚生労働省の管轄のはずだ。それを国土交通省が確認するというのが不自然。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
ついでに言えば、宿泊業者を管轄するのは厚生労働省だ。宿泊施設は旅館業法に基づいて営業ができる。ホテル・旅館・民宿・カプセルホテル・民泊、全部引っくるめてこの法律。https://t.co/DSATnYE6Ra
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
であれば、旅館業法に基づいて管轄している厚生労働省なり各都道府県、そして自治体の保健所などが衛生当局として感染防止策を確認すればいいわけで、そうではなく国土交通省がやるというところが、ことの専門性を考えると不自然なわけだ。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
国全体で取り組む政策という前提で省庁間の事前のすり合わせができていれば、この感染対策の有無の確認は厚生労働省みたいな分担も可能だったわけで、そういう分担がなく、国土交通省の名前しか出てこないというところからも、ほのかなきな臭さを感じる。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
ちなみにそもそも論として、今回のGo To キャンペーンの仕組みは妙。例えば旅行代理店や予約サイトで、パッケージツアーとして予約すれば宿泊費・交通費の双方が補助対象になるが、個人が直接予約した場合は、宿泊費のみ補助対象になり、交通費は補助対象からはずれる。
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詳しくは観光庁資料の7ページ参照。https://t.co/dBYUk0ZkKR
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
パッケージツアーの場合、その内訳のいくらが宿泊分で、いくらが交通分かというのは公開されておらず、そのためこれを分けてそれぞれ補助をするというのは不合理なので、パッケージの代金全体に対して補助をするという考え方は自然ではある。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
しかし個人予約でも、宿泊費が宿泊施設の領収書などで証明可能であるように、例えば新幹線や飛行機に関わる費用、あるいはレンタカー代なども領収書で証明可能だ。個人予約の場合のみ交通費を補助対象にしないというのは明らかに不自然で、個人予約から宿泊代理店へと誘導しようとしている。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
さて、ここで問題になるのがまた許認可権の話。旅行代理店などの根拠法は何か。そしてどこの官庁が所管しているか。正解は旅行業法で、国土交通省の外局である観光庁が所管している。故に冒頭にあるように赤羽国交相が会見している。https://t.co/sJBUN8odNl
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
冒頭に「宿泊業者救済というよりは旅行業者救済の側面がかなり強くなってきている」と書いたのはこういうところ。ホテルや旅館を救うためというより、旅行業者を救うため。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
そういう趣旨で行われる政策なので、唐突に感染対策を宿泊施設に求めだしたように、今後次々と宿泊業者に対してはハードルを上げてくる可能性が高い。元々国土交通省所管の業界じゃないし。一方で旅行業者に対してはハードルは上がらない。ここを保護するがためのものだから。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
今後の関係者の発言に要注目といったところだけども、大手ホテルとかへの要求に比べ、JTBとか近畿日本ツーリスト、JR各社、JALやANAに甘ければ、ここで書いていたことは正解と考えられる。乞うご期待。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
追記。旅行業の話をしたのに、JTBとか近畿日本ツーリストだけじゃなく、JR・JAL・ANAが含まれていることに疑問を持った方もいらっしゃるかと思うんですが、JR・JAL・ANAは新幹線や飛行機と宿泊施設をセットにしたパッケージツアーの販売もしており、旅行代理店の側面もあるからです。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
JR・JAL・ANAが旅行代理店と言ってもピンと来ないかたも多いかもね、と後から気づいて追記。もちろんこの三社は運輸の担う企業なわけで、どっちみちバリバリ国土交通省所管でありますが。
— タケルンバ卿(Lord TAKERUNBA) (@takerunba) July 14, 2020
つまり、政府は宿泊業者を救うつもりなどない。のだとしたら、すべて氷解する。クラスタが発生したら、そのホテルや旅館のせいにすればいいのだ。であるなら、リスクを負うのは宿泊業者のみで、旅行業者だけは確実に潤う。
— Nobuyo Yagi 八木啓代 (@nobuyoyagi) July 14, 2020
#Gotoキャンペーン について、皆さんは驚くかもしれませんが…ホテルや旅館は、何も説明受けてません。我々が仕組みを知らされていないのに、どうやって来週からキャンペーン動かすんでしょう?
— 新潟・鯨波海岸 小竹屋旅館 (@odakeya) July 13, 2020
拙速です #GoTo延期 しませんか?
そもそも、このキャンペーンの目的はなんですか??
支払った税金が
— モカ☕ (@rimi_non) July 13, 2020
人の旅費になるなんて
思ってもみなかった#GoToキャンペーンを中止してください
事務局を受託した「ツーリズム産業共同提案体」構成企業の東武トップツアーズの顧問に電通さん。
— KANREKING (@kingkanreki365) July 15, 2020
このキャンペーンは旅行代理店を介したパッケージツアーが条件で、個人の直接予約の場合は補償対象が限られるというヘンテコなものです。なぜそうなるのか、その裏側を「省益争い」の視点で解説された方がありました。「今回のGoToキャンペーンは、宿泊業者救済というよりは旅行業者救済の側面が強い。」本来、旅行先での感染防止策や宿泊業者の管轄は厚労省なのに、なぜか国交大臣が出てくる不自然。個人予約の場合は交通費などが補助対象にならないことから、代理店予約への誘導が見られる。宿泊業者救済が目的ではないとすれば、補助金を直接給付しない理由も、やたらと感染対策を宿泊先に押し付ける理由も納得です。事実、旅館やホテルに適切な説明や指導はなされていないようです。またしても我々の税金はどこかへ吸い込まれていく気配です。