大統領のビックテック批判が世界ニュースになるまでの成り行き
1月7日(木)、ロペス・オブラドール大統領は朝のプレス・コンファレンスでTwitter, Facebookがトランプ大統領を検閲したことを強く批判しました。これはすぐに世界ニュースになったよう。
どうやってこの話がコンファレンスで出てきたかというと、コンファレンスの質疑応答の最後に大統領は風刺画を見せようとしていましたが、なかなかスクリーンに出てこず、じゃ、待っている間にもう一人の質問をという流れで、カンペチェ州の政治統計チャンネルとインフォルマ24チャンネルという2つのチャンネルを持つユーチューバーのカルロス・フワンさんが指され、質問しました。(1:58:00あたりから)
余談ですが、風刺画がすぐスクリーン出てきていたら、カルロスさんの質問はなく、世界ニュースになることもなかったと思うと、偶然ではなく必然だった感じ♪ 結構、朝のプレス・コンファレンスは偶然に見える必然の出来事がよくあります。
カルロス・フワン:「昨日レボルシオン3.0のニュースで、大統領は、現在、世界でもっとも影響のある政治家の一人であり、大統領としてではなく、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールとしてユーチューブ・チャンネルを収益化すると月額$8,000〜$139,000(約83万円〜約1450万円)稼げるとありました。また収益化するとスーパーチャットで貧しい人たちへの募金を募ることもできます。
この方法で大統領は国民に直接、簡単に援助が可能になります。昨夜、このことを私たちのチャンネルでライブストリームしたところ、たくさんの国内と海外のメキシコ人から、この新しい試みを支持したいというメッセージが届きました。ここで質問です。大統領は、ご自身のチャンネルを収益化し、(貧しい人たちをサポートする)政府のプログラムに寄付されますか?」
レボルシオン3.0の大統領のユーチューブ・チャンネルの記事AMLO es el único político mexicano en la lista de los más influyentes: si decidiera monetizar su canal ganaría hasta 139 mil dólares al mes
— Revolución 3.0 (@Revolucion3_0) January 7, 2021
https://t.co/dDWAnFx4Je
アムロがメキシコの政治家としてただ一人リスト入り。
もし自身のチャンネルを収益化すると、
月に最高139,000ドル(約1450万円)稼げる。
(参考)現在の大統領のユーチューブ・フォロワー数は240万人
大統領:「はい、そのことは既に知っています。でも私はそういうのが好きでないです。それは営利主義です。私は公務員で、私には国民に報告する義務があります。そして国民は報告される権利があります。たとえ貧しい人たちへの援助としての寄付であったとしても、商業活動としての行いにはかわりありません。
ですので、私はそのアイデアに賛成しません。まして、おそらくその行いは法的にも不可能だと思います。まず1番目に、私はそういうのが道徳的に好きでないというのと、2番目にそれは法的に不可能だと思います。でも、あなたたち(ユーチューバー)だって同じこと(寄付)できるでしょ?!
(大統領、いかにも、あなたこそやってみたら?みたいな笑顔↓。そしてマイクを持っている質問したカルロスさんの笑い声が背景に聞こえます。)
しかも、私は個人的なアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールではなく、メキシコの大統領として代表としてここにいるのです。私のフェイスブックやツイッターでたくさんの人がフォローし何が起こっているのかをチェックしている事実を私たちは祝福しなければなりません。
ここで、数日前にも触れた問題ですが、昨日、アメリカで起こった出来事についてコメントします。私はいつも思ったことをそのまま言います。国会議事堂で起こったことは好ましくなかったですが、それはそれで尊重します。が、検閲をしたことは良くなかったです。ツイッターやフェイスブックで言論の自由を奪い検閲するのはよくないです。私は同意しませんし、受け入れません。(←この部分が世界ニュースに!)私たちみんな、自分たちで自制しながら、言論の自由を保証しなければなりません。
🇲🇽ロペス・オブラドール大統領
— 旭美 千明 🇯🇵 (@chiakiasami) January 9, 2021
「検閲はよくない。ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)が誰かを検閲し、メッセージを送る権利を剥奪するのはよくない。同意できない、容認できない」
権力に立ち向かう大統領、支持します‼️#検閲 #AndresManuelLopezObradorhttps://t.co/9zimyecfDO
民間の企業が聖なる審問の裁判官のように「あなたの言っていることはよくないから検閲!」というのはおかしいです。検閲の規定、ルールは一体どこにあるのでしょうか?これは国の問題であって、民間企業の問題ではないです。これはとても重要な問題です。民間の人々に言論の自由を与え革命を起こしたソーシャルメディアが言論の自由を奪うと何が残りますか?言論の自由は私たち人類の権利です。」
その後、ロペス・オブラドール大統領は、連日ソーシャルメディアの検閲についてよくないと大統領プレス・コンファレンスで言い続けました。
1月8日(金)の大統領プレス・コンファレンスでは、かなりストレートにフェイスブックのマーク・ザッカーバーグを批判しました。大統領はザッカーバーグの検閲規定についての文章を読んで、彼は権力を乱用する人で、とても傲慢な人であると感じたと言いました。
ザッカーバーグ氏は米国を実効支配する体制側に従います。メキシコ大統領がザッカーバーグ氏を批判
— Tony Raelian (@sora_six) January 10, 2021
⇒ https://t.co/vD8jJnmi3o #アメブロ @ameba_officialより
世界の指導者で初めて正論を発言したのがメキシコ大統領、トランプに批判的な人が検閲批判。親密国の指導者は何も言わないという皮肉。→「検閲はよくない。メッセージを送る権利を剥奪はよくない。同意できない、容認できない」と語った。投稿内容が有害か判断は企業ではなく国家の責任だと指摘。」 https://t.co/IHpT2SwN8X
— 越澤 明 AkiraKoshizawa,PhD (@akirakoshizawa) January 10, 2021
先日の検閲は、大変、深刻な問題として捉え、(ツイッターやフェイスブックを)信頼すべきではない。他の手段で国民とのコミュニケーションを考える必要があるとも言いました。
大統領、Telegramのアプリでフォローするように呼びかける!
Chapuero Network動画のナチョさん(↓)によると、
ロペス・オブラドール大統領は、早速、1月10日(日)別の手段、もしものときのための準備に取り掛かったようだと。なんと大統領のツイッターで、Telegram(テレグラム)のアプリでメキシコ大統領の動きをフォローしようと呼びかけたらしい。ナチョさんによると、大統領のツイッターで、大統領のフェイスブックやユーチューブ・チャンネルにフォローする呼びかけなど過去全くなかったと。
Sigue las actividades del presidente de México a través de la aplicación Telegram: https://t.co/pcR7jyA2bj
— Andrés Manuel (@lopezobrador_) January 10, 2021
ナチョさんによると、大統領はすでにTelegramのアカントを6〜7ヶ月前に開いていたようで、フォロワーは6,000〜7,000人だったのが、24時間で40,000人に増えたそう。13日の時点ですでに10万人突破!トランプ大統領もアカントを持っているらしい。
さて、このTelegramがなかなか面白い。Telegramはツイッターのような機能を持ち、またラインのようなメッセージのやり取りの機能もあるそう。そしてなんとこれはロシア生まれ!🇷🇺
#Rusia se vuelve contra Facebook tras bloquear #Telegram https://t.co/s5OOImU9fj #19Abr pic.twitter.com/v2RRBlDbun
— Informe21.com (@Informe21) April 19, 2018
こちらが創始者のPavel Durovさん、34歳らしい。Pavel Durov Zuckerberg-nya Rusia, Kembangkan Telegram Saat Jadi Buronan - https://t.co/MPyj7eqFI8 pic.twitter.com/Y3fRgLoAUY
— indolinear.com (@indolinearcom) April 7, 2020
波動も良さそう✨
彼は、Telegramの他に、ロシアでフェイスブックに相当するVkontakte(VK)の創始者でもあるらしい。
画像内の左上のアプリがVkontakte(VK)Buat klian yg pgn kenalan ama org rusia bisa pake app vkontakte "VK" app ini tuh sosmednya org rusia.
— Mario John 🍥 (@urcrush____) February 5, 2020
Pakenya mudah kok soalnya rada mirip fb ama ig pic.twitter.com/3bvZIMtHaU
そして、こんな逸話も。ロシア政府がTelegramのチャットにアクセスしたいと言ってきたときに、ノーとお断りしたそう。その後、ロシア政府は、罰としてロシアでTelegramを2年間禁止!つい昨年の11月、12月あたりに双方で和解に同意し解禁になったそう。
Pavel Durovさん、なかなか志が高そう♪
新時代の主流ソーシャルメディアになるのかな?!
(メキシコ万歳!)
*ロペス・オブラドール大統領は、自身の動画など、事前の許可なしで自由に使って拡散してくださいと2020年11月の大統領プレス・コンファレンスで言われました。
Chapucero Network動画のナチョさんのお兄さんマウリシオさんよると、2006年に2度目の大統領不正選挙を経験したときに、ロペス・オブラドール大統領は国民とコミュニケーションする手段をすべて奪われ不正について何も言えなかったらしい。その後、大統領はメキシコの政治家で最初にユーチューブを始め真実を伝え始めたと。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールのユーチューブ・チャンネルでの一番最初の動画は12年前(2009年)。そんな大統領のチャンネルは、今や240万人のフォロワー数で、収益化すると月に最高約1450万稼げるらしい。
それに関する質問がきっかけで、ビッグテックへの批判が出てきました。連日、大統領は、ビッグテックを猛烈に批判し、その後、別のアプリでのフォローを呼びかけるという大胆な行動に。次々にメキシコ人は大統領に続いてフォローしているそうです。popoちゃんも1月13日からこのアプリで大統領をフォローし始めたのですが、同日このアプリ会社からのお礼メッセージが来ました。13日時点でアクティブ・ユーザーが5億人に到達。とくに11日、12日、13日の3日間で2500万人の人がユーザーになったとか。このアプリ、ロシア生まれで創始者の波動とエピソードに惹かれます♪ 新時代のビッグテックになれるかな?!