ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第5話 ― ヒトラーの「聖杯」

 超壮大にして美麗な「聖杯神殿」をヒトラーは設計していました。そしてヒトラーは、その「聖杯神殿」を中心にした世界首都ゲルマニア計画を立てていた、と『ヘブライの館2』「ヒトラーの超人思想」の中で明かされています。そして実際にそのヒトラーが設計した「聖杯神殿」と世界首都ゲルマニアの模型の写真が載せられています。
 ヒトラーはこの「聖杯神殿」と世界首都ゲルマニアのことを、ベルリン陥落の最後の日まで気にかけていたとのことです。ヒトラーの思想と行動、その元には核心部分があり、その核心を理解する鍵となるのが「聖杯」ということです。
ヒトラーの超人思想」の中では続いて次の記述があります。

ヒトラーの死後、側近の一人は次のようなことを語っている。

「ヒトラーの目的は“支配者の種族”の確立でもなければ、世界の征服でもなかった。これはヒトラーが夢見た大事業のための単なる『手段』にすぎなかった。
 ……ヒトラーの真の目的、それは“創造”を行うことである。神の事業を、つまり『生物学的変異』を実現することにあったのである。この結果、人類は天上に昇ることになろう。
いまだかつて前例を見ない半神半人の“英雄現出”こそ、彼の究極の目的だったのである」

超人もしくは神人とも表現される“新人類創造”こそが、ヒトラーの思想理念と行動の核心部分だったと見て間違いないでしょう。そして“新人類創造”の鍵となるのが「聖杯」だったのです。

「聖杯」とは何か?「ヒトラーの超人思想」の中で「聖杯」の一般的であろう認識が次のように示されています。

「聖杯」とはイエス・キリストが最後の晩餐で用いた「聖なる杯(さかずき)」であり、十字架から滴る彼の血を受けたものである。この失われた「聖杯」の伝説は、「アーサー王伝説」の中心的主題の一つとして広まり、イエス・キリストを刺したといわれる「ロンギヌスの槍」と合わせ、ともに失われた2つの秘宝を手にする者は、地上世界の支配者になれるといわれた。

 しかし、この「聖杯」の一般的な認識は皮相部分であり、本質ではないことは過去既に縷縷示してきました。「アーサー王伝説」で騎士たちが探し求める「聖杯」とは、実は「マグダラのマリアだった。」というべきでしょう。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第5話 ― ヒトラーの「聖杯」

ヒトラーの天才部分=理解不能の秘密 〜多種万能の才能を示すヒトラー


邦題『永遠なるヒトラー』の原作者ヘルマン・ラウシュニングは、1934年、家族を国外へ逃した後に、自身もゲシュタポからの銃の乱射を受けながら国外逃亡し、イギリスへ亡命。

邦題『永遠なるヒトラー』はアメリカへ落ち着いてから書き始め、1939年末に出版されたものです。

ラウシュニングが国外逃亡したのはヒトラーへの恐怖心からだったのですが、その彼をしても、ヒトラーの抜きん出た万能の才能については次のように記しています。

彼は企画し、改良し、設計図を描く。実際、彼はモデル設計家であった。否定することのできぬ才能をもっていた。賞賛者たちの目には、彼は、どんなこともできるようにみえた。彼は万能の人であった。あらゆる分野に刺激を与えた。建築家・将軍・学者・詩人・政治家・経済学者等、皆が、それぞれの仕事に役立つ決定的なアイディアを、ヒトラーから受け取っていた。ロヤルマール・シャハトが告白しているように、ヒトラーのもとを辞去するときは、だれもが、解放され、元気づけられて仕事にもどることができるのであった。
(『永遠なるヒトラー』p323~324)

ヤルマール・シャハト
Wikimedia Commons [Public Domain]

ここに出てくるヤルマール・シャハトですが、1923年12月からドイツ中央銀行の総裁を勤めた人物です。彼は1930年に一旦はドイツ中央銀行総裁の職から離れ、ナチスと接近。そして1933年のヒトラー政権下で再びドイツ中央銀行の総裁を任じていった人物です。

本籍は国際銀行家の一員と見なせるシャハトもまた、銀行家のシュローダー男爵と同様にヒトラーに魅了された人物の一人だったのです。

様々な方面にも深い造詣と才能を示したヒトラー、その素顔に関してナチス崩壊時にヒトラーと結婚したエヴァ・ブラウンの日記が興味深いです。『ヘブライの館2』の「アメリカの極秘文書が伝えるヒトラーの意外な素顔」に出てくるその日記によると、ヒトラーは女性の美容に関しても達人の域にあったようです。

そしてこの日記によると、ヒトラーは非常に繊細内気で理解不能の秘密を隠し持っていたと記しています。

また、ヒトラーの語ったことはそれがどんな奇天烈に思えようと実現していくという意味のことを記しています。事実ヒトラーの予言はそのほとんどが実現しています。ラウシュニングも次のように記しています。

ヒトラーが、談話の中で、まだ将来の目標、おそらくは、はるか彼方の目標として示唆していたことが、その後、数年たった今、不気味に、目標をあやまたず活動しはじめている
(『永遠なるヒトラー』p321)

ヒトラーには遠い未来のことまでもはっきりと視界に入っていたようです。これが彼の天才部分であり秘密部分でもあったでしょう。これは多分ヒトラーが20歳そこそこから練り上げてきた思想理念であり、その核心部分とは「新たな人類(超人・神人)の到来」になるでしょう。

実は彼(ヒトラー)は予言者だったのです。今の時代に超人が現れること、人類が2分化することを予言していました。これは彼に憑依していた霊の集団が、SSP(秘密の宇宙プログラム)を主導してきたからだと思います。
(中略)
予言が当たるというのではなくて、予言をしたグループがその予言が実現するように自ら行動しているわけで、その計画から彼らの邪悪さが推し量れます。
2017/11/07 時事ブログ)
当時のヒトラーには、ブラックロッジ(闇の館)の大主の1人が憑依していたため、ヒトラーの予言は、そのほとんどが実現しています。予言という形でヒトラーはヴィジョンを見せられたのだと思いますが、これは彼らの計画でもあります。
2021/03/15 時事ブログ)

新たな人類の到来を予言 〜超人・神人を生み出すもの


ヒトラーの思想理念の核心部分は『永遠なるヒトラー』の次の部分でしょう。

天地創造は終わっていない。少なくとも、人間という生物に関する限り終わっていない。人間は生物学的に見るならば、明らかに岐路に立っている。新しい種類の人類はいまその輪郭を示し始めている。完全に自然科学的な意味における突然変異によってである。これまでの古い人類は、これによって、必然的に生物学的に衰退の段階に入っている。古い人間は、衰退形態においてのみ、その生を生きながらえるのである。創造力は、全て新しい種類の人間に集中することになろう。この2種類の人間は、急速に、相互に逆の方向へ発展している。一方は、人間の限界の下へ没落していき、他方は、今日の人間のはるか上まで上昇する。両者を神人 および獣的大衆と呼ぶことにしたい。
(中略)
人間が“神”となる。これこそ、ごく明快な意味なのだ。人間とは生成途上の神である。人間は、自己の限界を乗り越えるべく、永遠に努力しなければならない。立ち止まり閉じこもれば、衰退して、人間の限界下に落ちてしまう。半獣となる。神々と獣たち。世界の前途は今日、そのようなものとして我々の行く手にあるのだ。
(『永遠なるヒトラー』p302~303)

“新たな人類、超人・神人の到来、この創造の過程を誘導し、実現していく。それは選ばれし人間が神への階段を駆け上っていくこと。”
これこそがヒトラーの思想理念の核心にあったものでしょう。

ヒトラーは大戦争は避けられないものと認識しており、その戦争への取り組みやユダヤ政策などを含め、全てのヒトラーの思想行動は、この新たな人類を到来させるところに全てが収斂されていたようです。

それでは、一体どのようにして新たな人類、超人・神人を到来させるというのか?

これこそが“キリスト(メシア)を誕生させる技法”です。非常に端的に示すと、キリストを生み出す器が「聖杯」であり、その技法が”性錬金術”ということになります。

太陽と月の結婚(1578年)
Wikimedia Commons [Public Domain]

ヒトラーが先駆者として認め、崇敬とともに異様なほどに非常に深い関心を向けたのがリヒャルト・ワーグナーです。ヒトラーのウィキペディア記事にも「(青年期)ヒトラーは食費を切り詰めてでも歌劇場に通うほどリヒャルト・ワーグナーに心酔していたとされる」とある通りです。

『ヘブライの館2』「ヒトラーの超人思想」では次のことを明かしています。

ヒトラーがワーグナーの作品の中で、特に好きだったのは「パルジファル
筆者註:「アーサー王伝説」を題材とした物語で、主人公パーシヴァルが騎士道を志し、聖杯守護王になるまでを描いた作品。

特に、

この作品中でヒトラーの心を射止めたものこそ、「聖杯伝説」である。

と。

ヒトラーの内部では、ワグナーが仕上げた「聖杯伝説」が非常に思い比重を占めていたのです。


「聖杯神殿」を設計したヒトラー 〜「聖杯」の本質


いかにヒトラーが「聖杯伝説」に傾注していたか…。これについては既に外伝24の中で次のように記しています。

ヒトラーは表のイルミナティに所属していたのですが、彼が「超人思想」に傾倒し、超人・神人を生みだそうとしていたことはよく知られています。それではどうやって超人・神人が生みだされるか? クンダリニーの上昇による進化段階の上昇です。(ハイアラーキー組織では進化段階5.0で覚者、つまり超人に、進化段階7.0で神になると思っていたようです。)

そして、この進化段階の上昇は「性錬金術」でももたらされます。『ヘブライの館』に「ヒトラーの『超人思想』の謎」(第1章の「ヒトラーと『聖杯伝説』」の項)という非常に興味深い記事があります。

そこでは、ヒトラーが「アーサー王伝説」に多大な興味を示し、「1944年からナチス・ドイツの科学者集団とでもいうべき『アーネンエルベ』が、直接、カタリ派の総本山モンセギュール城の発掘調査を開始」。そして「ヒトラーは、ベルリンの真ん中に巨大で壮麗な『聖杯神殿』(別名『フォルクスハレ』)を作る予定」にて、自らその模型作りに携わったとあります。

編集者註:ヒトラーの「世界首都ゲルマニア計画」

ヒトラーが調査させたカタリ派とは、言うまでもなくマグダラのマリアの教え「性錬金術の技法」を直接引き継いでいます。その上ヒトラーは「聖杯神殿」を中心とした新都市を建設しようとしていたのです。ヒトラーもまた間違いなく「聖婚儀礼」「性錬金術」に傾倒していたのです。

マグダラのマリアは、今日までキリストと称されるナザレのイエスが磔刑の時に寄り添っていた女性です。マグダラのマリアの象徴が“薔薇”でした。キリストの象徴は“十字”でしょう。十字を包むのが薔薇であり、キリストを生み出し、包むのが薔薇であり、「聖杯」です。

黄金薔薇十字の紋章(1756年)
Author:Raziel777red [CC BY-SA]

この十字と薔薇の組み合わが“薔薇十字”です。薔薇十字は“性錬金術”を意味します。マグダラのマリアは“性錬金術”の女性マスターであり「聖杯」の薔薇だったのです。

いろいろな○十字の紋章

「聖杯」であるマグダラのマリアは「王家の血統」でもありました。このマグダラのマリアの男性パートナーの性錬金術のマスターが“洗礼者ヨハネ”でした。ナチスのハーケンクロイツは薔薇十字でもあったのは既に見てきた通りです。

Flags of the World [Public Domain]
Wikimedia Commons [Public Domain]
大本教(緑龍会)の印の○十字から世界紅卍字会の紅卍、そしてナチスのハーケンクロイツの紋章となった。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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