[The Voice of Russia]BRICSの開発銀行、新国際秩序への大きな一歩

竹下雅敏氏からの情報です。
 BRICSの新開発銀行の話題です。記事にあるように、これはNWO(新世界秩序)ではなく、“多文明化的国際システム”であり、各国の文化、価値観、通貨を大切にする地域主権型の新しい国際秩序の基盤となるものです。要するに、世界はこれからサーカーの提唱したプラウトの方向に進んで行くのです。日本は早くこうした世界の潮流に気付いて、古い略奪のシステムから足を洗うべきだと考えます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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BRICSの開発銀行、新国際秩序への大きな一歩
転載元)
© Photo: RIA Novosti/Alexander Vilf

© Photo: RIA Novosti/Alexander Vilf



BRICS諸国は独自の「新開発銀行」を開設する。多くの専門家らの間では、これは危機後の世界秩序を構築する方向性として大きな意味を持つ一歩だと評価されている。

ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、つまりBRICS諸国の指導者らは ブラジルのフォルタレザで開催されるサミットで新開発銀行について合意を締結する。この他、BRICS参加国の金外貨準備金が急激に縮小した場合、相互援助のための外貨準備金となるプールを作る枠組み合意が結ばれる。このようにBRICSの外貨プールは中期的な将来、国際通貨基金(IMF)に代わる 存在ともなっていくと予想される。新たなストラクチャーは今あるグルーバル金融構造に対し、発展途上国の経済が影響を拡大していることを象徴するものと捉えることができる。商工会議所の会長で、BRICSビジネス会議の長をつとめるセルゲイ・カトゥイリン氏は次のように語る。

「ロシア、その他の参加国はまず20億ドルずつ出し合う。これは銀行の支払い資産となる。さらに割当資本が500億ドル。そして株式資本はおよそ1000億ドル。こうした資金はだいたい7年のうちに作られる。銀行経営は集団で行われる。銀行の最高合議機関は経営者会議。執行機関は役員会議。会頭は5年交代となる。新開発銀行はBRICS諸国だけではなく、国連加盟国であればどの国も参加することができるよう、門戸が開かれている。だが資本におけるBRICS諸国の占める割合は55%を割ることはない。銀行の活動はBRICS諸国の領域におけるインフラ・プロジェクトへの融資となる。

BRICS開発銀行は相互コーポレーション、取引、投資の拡大のために、よい助けとなるものだ。というのもBRICS諸国グループはグローバル経済のなかで類のない位置を占めているからだ。これは世界最大の市場であり、地球上の人口の40%が暮らしている。 こうした国々は巨大な天然資源、準備の整った産業基盤、専門的人材を有し、世界の総生産の約30%を生み出している。中国人政治学者で上海国際戦略調査団体の副会長を務めるフェン・シャオレイ教授は次のように語る。


「BRICSは今深刻な挑戦に直面している。昨年BRICS経済の成長率は前年ほどめざましくはなかった。現在発展途上国はどこも一様に資本流出という問題につきあたっている。もうひとつ深刻な要因になっているのがウクライナ危機と、これのために西側により発動された対ロシア制裁だ。この状況でBRICS諸国は結びつきをより固める必要性に迫られているため、ブラジルでのサミットはグループの枠内で今後関係拡大を図る上で非常に重要な会談の場となっている。BRICSは国際金融体系の改革を実現するための新たなフォーマットにとどまらず、より広い意味で、新たな経済状況でありうる協力の方向性を話し合う場となるものだ。また新たな国際秩序を構築するための政治基盤でもある。BRICS諸国の関係強化の傾向はこの先も続くのではないだろうか。」

事実、BRICS開発銀行の開設決定は経済のみならず、政治的次元にも関わる。BRICSは多中心主義的、多文明化的国際システムというコンセプトという独自の提案を行っている。こうしたアプローチによってBRICSは多くの国々を強力に惹きつけているのだ。

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