[The Voice of Russia]越境ウクライナ軍人「ロシア側からこんなに兄弟的扱いを受けるとは思っても見なかった」

竹下雅敏氏からの情報です。
 やはりウクライナの軍人にとって、国民に銃を向けるのはとても辛いことのようです。そこで東部・南部の親ロシア派を排除するために、ネオナチや傭兵を使っているということです。“オバマ政権はウクライナの親衛隊を軍事訓練するようで…、キエフの軍事組織は「侵略軍」の様相を強めてきた”とあります。民主的に選ばれた大統領をクーデターで倒し、親ロシア派の人々を虐殺し、さらには傭兵を派遣、軍事訓練を施す。このようなことが許されるはずがありません。その一方で根拠のない言いがかりでロシアに経済制裁を発動する始末。
オバマ信奉者の人に聞きたいのは、このような暴挙を行っていながら、さも自分が正義であるかのように振る舞うこの男を、本当に偉大な大統領であるとか、救世主、光の天使と本気で思っているのかということです。光の天使というのは、こんなにも平気で嘘がつけるものなのか。安倍信者も同様ですが、いい加減に事実をありのままに見て、その妄想を捨てるべきだと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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越境ウクライナ軍人「ロシア側からこんなに兄弟的扱いを受けるとは思っても見なかった」
転載元)
© Photo: RIA Novosti/

© Photo: RIA Novosti/


4日未明、ウクライナ軍大隊が、ドネツク義勇軍の攻撃を逃れ、越境しロシア領内に入ったが、大隊の指揮官ヴィタリイ・ドゥビニャク少佐は、ロシアでの「兄弟的扱い」に驚きを表し、次のように述べた―

「正直言って、我々がこうした扱い、兄弟的とさえいえる扱いを受けるとは期待していなかった。上から我々に命令を下す連中は皆、実際、我々はロシアと戦っていると嘘を言っている。ロシア人の誰も、我々を、偏見さえも持って見ていない。彼らは、我々が不幸の中にいること、状況の人質になっている事を理解している。

 ここでは、看護婦さんが我々の為に用意され、負傷者を治療してくれ、食事もさせてくれた。月に一度、身体を洗う事も出来る。衣類も支給され、休息のためのあらゆる条件が作られている。

 はっきり言って、あの肉ひき器のような中を通り抜けた者は皆、あの虐殺の場に二度と行くことはないだろう。私は、自分の仲間達の命を救った。

 もちろん、自分の息子が非業の死を遂げた母親達の目をどうやってみたらいいか分からない。しかし、この内戦を止めさせる必要がある事は確かだ。地元の人々の涙や自分の仲間の苦しみを十二分に見てきた。肝心なのは、我々が生きている事だ。残りの事は、家に戻ってからよく考える。」

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米国/NATOが露国との戦争に向かう中、キエフ軍では兵士の投降が相次ぎ、政権の要人が辞意表明
転載元より抜粋)
8月に入り、キエフ政権が東部地域へ派遣した第72独立機械化旅団の兵士、438名が投降してロシア領へ入ったという。これまでも数人、あるいは数十人の単位で投降していたが、その規模が大きくなっている。投降しなかったのはポーランド人傭兵くらいだという。

2月のクーデターでキエフを押さえた勢力は「西側」の巨大資本を後ろ盾とするオリガルヒ(一種の政商)とアメリカ/NATOから支援されてきたネオ・ナチ。それまで暴動と向き合っていた治安部隊は解体され、新体制に忠誠を誓えないと考える軍の将兵は少なくなかった。クリミアで事実上、戦闘がなかったのはそのためだ。


そこで、当初からクーデター政権は軍を信頼していなかったようで、2月の段階で議会は6万人規模の国家警備軍(親衛隊)を創設する法律の制定を採択、そのメンバーの中心はネオ・ナチが収まっている。その一方、ネオ・ナチの一角を占める右派セクターは約800人の準軍事組織「ドンバス」を創設した。

東部や南部の民族浄化作戦で黒幕的な存在だとされているドニエプロペトロフスクのイゴール・コロモイスキー知事も私兵を組織している。アゾフ、アイダル、ドンバス、ドニエプルの4部隊で、ドニエプルは約2000名規模だという。コロモイスキーはアメリカの傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員を雇っているようだ。

こうしたネオ・ナチ系の武装集団だけでは足りず、アカデミの傭兵約400名やポーランドの軍事会社ASBSオタゴの戦闘員も東部の制圧作戦に参加、1995年から2005年にかけてポーランド大統領の治安担当顧問だったイエルジ・ドボルスキは指揮官としてウクライナへ入り、スラビヤンスクでアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行と並んで座っているところを写真に撮られている。

アメリカ政府もキエフ政権を露骨に肩入れしていて、CIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んだほか、国防総省は「戦略と政策の専門家チーム」、つまり軍事顧問団をキエフへ派遣すると発表している。それだけでは足りないと判断したらしいバラク・オバマ政権はウクライナの親衛隊を軍事訓練するようで、教官はアメリカ欧州軍やカリフォルニア州兵が派遣するという。キエフの軍事組織は「侵略軍」の様相を強めてきた。

ところが、これまでキエフ政権の軍事/治安部門を統括してきた国家安全保障国防会議のアンドレイ・パルビー議長がアルセニー・ヤツェニュク首相と同じように辞意を表明したと伝えられている。パルビーはネオ・ナチの「ウクライナ社会ナショナル党(後のスボボダ)」を創設したひとりで、クーデターの際に狙撃を指揮していたのもこの人物だと見られている。

こうした実態を「西側」も知っていた。例えば、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は、EUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者でイギリス人)へ電話で次のように報告している:

全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」「新連合はもはや信用できない。

この報告を受け、アシュトンは「議会を機能させなければならない」と返した。「国境なき巨大資本」のプランを実現するため、事実を隠蔽して自分たちに都合の良い議会を守るべきだと言っているわけだ。

ヤツェニュクやパルビーなどアメリカ/NATOが最も重要視している人物が辞意を表明したということはキエフの現政権に「西側」は見切りをつけ、新たな体制を考えているのかもしれないが、現在のキエフ情勢を見ると、よりナチス的な体制になる可能性が高い。

ただ、その足下は崩れ始めている。キエフ軍から離脱者が出ている理由は同胞を殺したくないということもあるのだが、兵站の決定的な不足も大きな要因。軍の内部だけではなく、社会全体に民族浄化に疑問を持つ人が増えているという報告もある。

さらに、EUに幻想を抱いている人びとがIMFが押しつける条件が自分たちの生活を破壊するということに気づくのも時間の問題。冬に向かい、米英の支配層に屈服しているEUも厳しいことになる。ここでEUがロシアへ再接近したなら、米英は一気にロシアを先制核攻撃する可能性もある。第2次世界大戦の後、米英の好戦派が夢見てきたことだ。

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