[ABCテレビ]大間原発建設の真実 孤軍奮闘の「あさこはうす」 

ひいちゅわん様(読者の方)からの情報です。
 大間原発の建設予定地で、唯一土地を売らずに建設反対を貫いている家があります。祝島も大変ですが、こちらの状況はさらに厳しいかもしれません。もう少し情報が広まってくれると良いのですが。
(寄稿者のコメント)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【日本語字幕付】大間原発建設の真実 孤軍奮闘の「あさこはうす」
転載元より抜粋)


文字起こしデータはこちら 
日本は、エネルギーに飢え、原子力に深く依存していますが、その流れは変わりつつあります。かつては確かだと思われていたものを、津波が押し流してしまいました。今や、原子力産業に対する怒りの波が、ふくれ上がってきています。

日本は、魚が大好きな国。
なかでもここは、有数のマグロの町として知られています。
弾丸のような形をした、この巨大な魚が、かつて小さな村だった大間を、豊かにしました。
一尾に、数十万ドルもの値がつくのです。

でも、今日のマリンフェスティバルに集まった群衆を見渡せば、大間の向かう未来が見えてきます。
それは、マグロではありません。原子力です。

電源開発(株)(Jパワー)と日本政府は、大間町の町外れに、原子力発電所を建設させてもらうため、懸命に、地域住民の説得を続けてきました。原発が完成すれば、日本で55基目の原子炉となります。

化石燃料の少ない日本は、エネルギーの4分の1を、原子力に依存しています。
地元の猟師は、原発建設を承諾する見返りに、一人当たり、13万ドル[約1000万円]を受け取りました。

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小笠原厚子さん 
「いえ、売らないです。お金ではないです、人の命は」
「売りません。売るつもりもありません。お金ではありませんので」

小笠原厚子さんは、買収に屈していない数少ない一人です。
大間の新原発は、彼女の小さな家から、250mしか離れていません。


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リポーター
「原発はあそこですね。全然遠くないですね」
小笠原さん
網とか、あと有刺鉄線とか、やられるようになってきたらほんとにもう威圧感があって、なんかほんとにもう、なんちゅうの、檻でもないですけど、そういうふうに囲まれたような感じ、ほんとにもう、息苦しくなるし、憂鬱にもなるし、わたしはほんとに、人間として扱われてないんじゃないかな、と思うくらい」

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母親の遺志を継ぎ、厚子さんも頑なに、原発建設への協力を拒んでいます。
そこで、原発を運転するJパワーは、単純に、彼女の家の周りに、原発をつくり始めました。

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彼女の土地に行くには、ここを通るしかありません。Jパワーによって、フェンスで囲い込まれた細い道です。この道を通る人すべてに、Jパワーの警備員が、目を光らせています。

リポーター
「ここがその家ですね。かの有名な」
小笠原さん
「そうです」
リポーター
「とても有名な」
小笠原さん
「はーい」

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ここが、彼女が受け継いだ土地に建つ、一間の木造の小屋です。このあたりには、176人の土地所有者がいましたが、Jパワーに金の山を積まれても、首を縦に振らなかったのは、彼女の母親だけでした。

小笠原さん
母の時はやっぱりその、2億、とは言ってましたけども、だから母は、お金ではないので、結局、2億だろうが10億だろうが、売らないっていうことは言ってたみたいです、会社さんに

途方もない額の提示を、母親がはねつけると、Jパワーは、嫌がらせを始めるようになったと、彼女は言います。

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小笠原さん
「母の時は、まずですね、ストーカー行為。もう常に、母が車を運転するんですが、必ず後ろをずっとついて歩いて、どこへ行くんでもついて歩く。あとは、やくざを呼んで説得に来る。あとはあの、脅迫の手紙、ハガキ。あとは、町長とか、自治体の上の幹部の人達が、毎日のように説得に来る。それによってやっぱり、体の方に異常をきたしましたし、そういう圧力みたいな感じ(心的な圧力を受け続けることによって)、精神的に病的になっちゃったこともありますしね。」

かつて大間の人々は、海に頼って行きのびてきました。

小笠原さん
「弟がマグロ獲るんですよ。これだいたいもう200キロぐらい?で、これが160?130キロぐらい」
と、捕獲したマグロの横で立つ弟さんの写真を指差して説明する厚子さん。

今やこの町は、原子力産業から支払われる金に頼っています。

小笠原さん
漁業で栄えればいいことであって、そういう交付金とか、そういうのをいただいて、やっぱり人間て弱いもんで、やっぱり、楽して働かないで得ると、それこそ麻薬みたいなもんで……

大間原発の運転者であるJパワーは、外国特派員と話すことも、小笠原厚子さんが訴える嫌がらせについて回答することも、拒みました。もしかしたら、メディアが苦手なのかもしれません。

でも、この町では、Jパワーが、あらゆるところで、大きな影響力をふるっています。年に一度、大間で開かれるマリンフェスティバルを見渡してみれば、Jパワーの文字の入ったシャツやうちわが、いたるところで目につきます。Jパワーのブースまであって、子どもたちが楽しみながら、自分で発電できるようになっています。

大間はマグロの町とはいえ、魚はほとんど獲れなくなっています。外国のトロール船による乱獲が原因です。都会に出て行く若者が多いため、地元で商売をするミヤノ・ナリアツさんのような人は、原子力を大間町の救世主と見ています。

ミヤノさん
「今まで、総額150億とか言われてますけれども、要は今、消防の職員、保育所の保母さんとか、そういう人件費に(オオマノ?)使えるようになりましたね。」

小笠原厚子さんにとって、これは、非常に個人的な問題です。今際の際の母親と、交わした約束を守っているのです。しかし、国全体で見ても、原子力をめぐる議論には、強い感情が結びついています。

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