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岸田首相の異常な年頭記者会見 〜 国民が最も知りたい「羽田事故」「志賀原発」について一切語らず、憲法第99条違反の憲法改正を語る / 気骨の犬飼淳記者が唯一、志賀原発について追求

 2024年1月4日の総理大臣の年頭記者会見は、異常な問題がいくつもありました。冒頭発言で岸田首相は、自民党の政治資金パーティー裏金問題に対応して総裁直属の「政治刷新本部」という機関を立ち上げると発表しました。透明性のある政治資金のルール作りをすると言います。しかしそのメンバーたるや、岸田文雄、木原誠二、麻生太郎、菅義偉という虚構新聞並みの顔ぶれです。これでは刷新されるわけがなかろう。その後、経済、少子化対策、外交、防衛について語り、最後にスルッと「憲法改正の実現に向けた最大限の取組も必要です。自民党総裁として申し上げれば、自分の総裁任期中に改正を実現したいとの思いに変わりはなく、議論を前進させるべく最大限努力をしたいと考えています。今年は条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速してまいります。」と言い放ちました。総理大臣がカメラの前で堂々と「憲法99条の憲法尊重擁護義務違反。なぜそのことを指弾する記者が一人もいないのだ?」質問の指名を受けた記者の方も揃いも揃って、このことを指摘しない異常な日本です。
 SAMEJIMA TIMESの動画では「岸田総理のしゃべらなかったこと」に注目し、今国民が最も知りたい「羽田事故」と「志賀原発」に関して岸田首相が一切語らなかったことで、これは何かを隠していると推察されています。しかも事前に記者の質問内容を把握した官邸側が「羽田事故」と「志賀原発」の質問を避けていたことも指摘されています(7:12〜)。最後、たった一人の記者が「総理、原発について質問させてください!地震から3日も経過して、いまだに総理が原発について1つもコメントをしないのは異常です。総理!原発の再稼働を諦めるべきではありませんか?地震大国に日本で、原発の再稼働は無理だと、今回分かったのではありませんか?答えてください!聞く力はどこへ行ったんですか!(7:53〜)」と必死に訴えました。その間、司会は質問を遮るように打ち切りを告げ、岸田首相は知らんぷりで書類をまとめてサッサと出ていきました。この違憲の失格総理を私たちはなぜ取り除くことができないのか。
 最後の質問をしたのは独立メディアの犬飼淳記者でした。早い時期からインボイス制度を解説されていた時も、山中竹春横浜市長への粘り強い質問も、終始穏やかに語られるところしか知らなかったので、今回の厳しい追求に犬飼記者の熱い記者魂を感じました。異常な記者会見の中で、唯一、日本の希望を見ました。
(まのじ)
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岸田が年頭会見で封印した羽田事故と志賀原発〜官邸記者も質問せず!何を隠しているのか?精彩を欠いた首相会見を読み解く【5分解説】
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【原発の質問ゼロ】岸田総理大臣 年頭記者会見 2024年1月4日(能登半島地震72時間後)
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能登半島地震と原発 〜 志賀原発に事故が発生すれば能登半島の先端の人々は逃げられない / 老朽原発の対応年数を60年に延ばすと「資産に勘定され黒字化」喜ぶのは投資家だけ

 能登半島地震について、原発の観点から振り返りました。志賀原発と柏崎刈羽原発は幸い稼働していませんでしたが、大飯原発の3、4号機と高浜原発の1、2、3号機は稼働中でした。そしてこのエリアには高速増殖炉もんじゅと新型転換炉ふげんがあります。志賀原発の1、2号機の変圧器から3,500リットル以上の油漏れが起き、2号機では火災を消火したという官邸からの発表がありましたが、後に北陸電力から「現場では火災があったと判断」したけれども「焦げは確認できなかった」など、事態がよく分かりません。おしどりマコさんは「北陸電力のプレスリリースは 東京電力に比べて情報量が少ない」「大変なシビアアクシデント時こそ 迅速な情報共有が重要になってくる」と指摘され、烏賀陽弘道氏は「(福島第一原発では)運転していない原子炉ですら、高温を放つ使用済み燃料棒が、原子炉に隣接したプールの中に貯蔵されているという事実。その冷却機能を喪失しそうになった。本来、それは速やかに再処理工場に送られているはずのものだった。原発に置いておいてはいけないのだ。今回の志賀原発でも同じことがわかった。異常な状態が日常化している。」と批判されました。志賀原発で事故が発生した場合、能登半島の先端に住む人々は、一旦、原発に向かうしか逃げ道がありません。
 その先端の珠洲市は、かつて原発が作られようとした時、住民の方々が猛反対をされたそうです。そのおかげで、今回の地震による原発事故を回避できました。「猛反対してくれた住民の皆さんには感謝しかない。足を向けて寝られない。」
 原発の構造は、30年程度の「日常的な運転ですら鉄錆が溜まり、 配管に当たり傷つける」そうです。しかしその耐用年数を60年に延長すると、資産に勘定され黒字化します。投資家にとっては「高配当が得られるのであれば、日本が原発事故で滅びようが知ったことではない。」とあります。
(まのじ)
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[おしどりマコさん・ケンさん] 驚く日本の「廃炉」の定義 〜 絶対に不可能な30年後の廃炉を目指してALPS汚染水投棄をやっている / 廃炉の定義まで変更しようとする廃炉推進カンパニー(後編)

 前編に引き続き、後編のおしどりマコさんの解説も知っておくべき内容がたくさんありました。ALPS汚染水の海洋投棄が始まりましたが、最初は放射能濃度の低い排水を流していても、東電はいずれ高濃度の排水を流すのではないかと懸念するのは当然です。しかし、マコさんの説明では、実は放出前のタンクの水は意外に真面目に核種を測っているのだそうです。「セシウム134、137、ストロンチウム90、炭素14、ヨウ素129など。」測っていないと批判されるのは、放出した後の海水のチェックで、放出後の「迅速測定」ではトリチウムとセシウムだけというのが問題だそうです。国はタンクを減らす方針を変え、おそらく日々発生する濃度の低い「フレッシュな」排水を薄めて放出し続けるのではないか、その理由も含めて解説されています。
 驚いたのが「廃炉」です。日本の目指す廃炉はまさしく机上の空論で、「30年後に予定している廃炉は、日本の今の法律の定義では、放射性廃棄物が一切無くなって、放射線も無くなって、放射線管理区域の規制が取れる時。一般の空間と同じ状態になる時が廃炉完了。」これを原子力規制庁と資源エネルギー庁が真顔で説明するのだそうです。日本は「ドリーム」に向かってALPS汚染水を流しているのでした。
 2020年、福島県内の様々な業種の人にALPS処理水についてのご意見を伺う場では、ほぼ全ての人が反対を表明されました。ただ一人、"反対だけれども国は海洋放出を前提で進めている。どうしても放出するのであれば福島以外に迷惑をかけられない。国は放射能による実害と、海洋放出の加害行為を認めて被害者に対してきちんと賠償、そして補償をすべきだ。断じて風評被害ではない。"という悲痛な訴えをされた方がありました。福島の人も苦しいのに他県を思い遣る潔い訴えでした。ところがメディアはそれを全く違う内容にして報道しました。こうしたことがずっと行われているのが福島第一原発です。
 またマコさんは、今、問題になっているトリチウムよりもはるかにリスクの高い核種が「ヨウ素129」だと心配されていました。ヨウ素129の濃度も今後、要チェックです。
 最後「電通に負けないように!」と、人々の拡散を期待していました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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レイバーネットTV第192号 : 薄めても薄めてもなお汚染水〜国と東電の責任を問う
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 後半(34:00〜)は、最初に原発から6キロ地点にある請戸川河口テント広場で、磯釣りの魚の放射能を追跡調査しようとしている、吉沢さんという方の映像から。
「『福島の環境分析研究所』の分析結果を待っても検出限界以下のデータしか出てこない。自分たちで釣った魚をやる気のある先生に持っていって、独自のデータを公表する。」「なんでトリチウムとセシウムだけでOKなんだと。他の放射能を問題にされたら困るのか?」「ひとまず5年やってみて、放出は何回も続くわけだから、最初のうちは問題ないタンクを抜くだろうけど、途中からヤバいやつも抜くと思う。そうするとやっぱり出るんだと思う。粘り強くやっていく。」

この映像を受けてマコさんは、
放出する前のタンクの水は、トリチウム以外も意外に真面目に測っている。
セシウム134、137、ストロンチウム90、炭素14、ヨウ素129など

「測っていない」と言われるのは、放出した後の海水のチェックの話だと思う。
放出後の「迅速測定」をするのが、トリチウムとセシウムだけというのが問題だ。

もう一つ、吉沢さんの話で「途中からヤバいやつも抜くと思う」とあったが、
多分、5年くらいたってもヤバいやつは流さないはずだ。
なぜかというと、東電の方針が変わって「日々発生するフレッシュな汚染水」から放出することにした。今タンクに溜まっている高濃度のものではなく、できるだけ濃度の薄いものから先に捨てていく方針にした

というのも、トリチウムの半減期は12年。放っておけば、廃炉予定の30年までに2、3回はいける。
海水に混ぜなくても濃度が薄まっていくので、高濃度のものは一番最後にする。
つまり1年や2年ではタンクは全然減らない。タンクを減らすためという東電の当初の説明は不可能。
日々の汚染水の発生をゼロにできる目処はないから


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[おしどりマコさん・ケンさん] 2011年からの東電記者会見を振り返る / 情報開示請求で明らかになった電通の取材誘導・番組誘導(前編)

 2011年からずっと東電記者会見に出席し続けられている、おしどりマコさん・ケンさんの動画を取り上げました。前・後編に分けて、前編の今回は「東京電力定例会見の定点観測」「行政は電通に何をさせたか」「情報開示請求はお金がかかるか」というテーマです。
 福島第一原発事故の直後、東京電力の行う記者会見は、当然ですが国内外の記者が詰めかけました。2011年は100人以上いた取材陣は、2016年には20人前後となり、2019年にはコロナ禍を理由に東電は記者会見自体を止めようとしました。その時、マコさんは原子力規制庁に猛抗議をされ、なんとか遠隔記者会見を実現させました。そして2023年の今、ついに本業の記者はいなくなり、おしどり2人と東電2人の会見会場という状況です。雨の日も台風の日も会見に通い、東電の発言の矛盾やごまかしもマコさんが気づいて発信されることが多いです。マコさんの見た変化は図らずも東電やメディアの定点観測になっていました。
 16:00あたりからは、国や地方自治体が電通を使って何をさせてきたか、かなりダークな実態が語られました。本当の意味での福島の不安払拭ではなく、国策として放射能被害を隠蔽する「心の除染」を公金で行ってきたのが電通でした。
 34:00までをざっくり要約してみました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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レイバーネットTV第192号 : 薄めても薄めてもなお汚染水〜国と東電の責任を問う
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(10:00〜)
東京電力定例会見の定点観測

2011年以降、記者会見に参加する記者さんがどのように減っていったか
(写真で見ていく)
2011年は、大会場に100人以上、会見も一日2回、2、3時間かけていた
2013年は、まだ大きな会場、人数もまだまだ多い。フリーランス、雑誌社もいた。
ここで、政権が変わり安倍政権になって減っていった
2016年には、20人前後の日々が続いた。
2018年は10人前後に。
2019年コロナ禍に入り、東電は記者会見を辞めようとした。小さい部屋に変わり、なおかつテーブルも減らした。マコさんが「記者会見をなくすな」と原子力規制庁で猛抗議をして、遠隔の記者会見を実現した。めちゃくちゃ小さなノートパソコンに向かって質問する形態。大きなプロジェクターでやってくれるとかと思っていたが、スピーカーも音が悪く、途切れがちだった。

会見の頻度は、2011年は月曜日から金曜日まで毎日朝昼、週10回。
2013年から月水金に減った。
今は月木週二回。夕方だけ。

2023年はついに、おしどりだけ。東電から2名で「居酒屋でもよかった?」
記者さんが来なくなって、マコさんが行かなければ東電は会見をやめる。
ALPS汚染水の海洋投棄が話題になると、一瞬、記者が増えた

(14:50〜)
「汚染水」という言葉が経産省からクレームがつくという話があったが、「海洋投棄」もダメで「海洋放出」と言うよう司会からクレームがつく。 それでも「海洋投棄」と言い続けていたら、ある日、関係者のペーパーに「おしどりマコが海洋投棄と言ったらゴングを鳴らして戦え」という文字が見えた
マコさんは速読ができるので、一瞬の原稿を読み取ることができるらしい。
東電のコバヤシテルアキ氏という方だけは、報道の自由、言論の自由を認めてくれた。

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[おしどりマコさん] IAEAが東電の汚染水放出の検証作業を行う中、配管洗浄中の作業員が高濃度の汚染水を被る事故が発生 〜 2人は身体の表面線量が下がらず入院へ

 10月25日、おしどりマコさん・ケンさんが、2011年からの東電記者会見を振り返る動画に出演されたというので、チェックしようと考えていました。ところが冒頭に、東電事故のニュースが飛び込んできました。マコさんのお知り合いを通じて、現在現役で福島第一原発で働かれている方からの情報提供があったようです。動画の内容は後日に回し、福島第一原発の事故を取り上げました。テレビの速報では"25日午前11時頃、作業員の方が配管の洗浄をしていたところ、ホースが外れ、汚染水などが飛散した。20代から40代の男性作業員5人に放射性物質が付着した。線量や汚染水の濃度は報じられていない"という概要でしたが、マコさんの得た情報では、"東芝の下請けのエイブルが事故を起こした。汚染水をぶちまけて救急車やらで大騒ぎだった。漏れた上を救急隊員が歩いて汚染水に足をつけて、汚染水を拡散していた"という状況だったようです。
 マコさんによると、今ちょうど福島第一原発にIAEAが入っていて、いつもより気をつけていたはずなのに、このような重大な事故が起こってしまったこと、そして最近このような「アホみたいなトラブルがめちゃくちゃ多い」杜撰な状況になっているそうです。"3・11から12年経ち、配管も東電自体も劣化していて、現場の方々に一番しわ寄せがくる。現場の方々に何事もないようにと願っています"と話されていました。
 その後、東電からの報道向け一斉メールで、身体の表面の放射線量が下がらない2人は、福島県立医科大学附属病院に搬送されたことが分かりました。ここでも表面線量の情報がありません。
 そして翌26日の東電の会見で、マコさんがしっかり質問をされたようです。「最も身体汚染された方は10万cpm超、ということは、サーベイメーターの検出限界を振り切れたのではないか。」「β線熱傷は、被ばくして2~3週間後に発症する、2週間の入院、経過観察というのはβ線熱傷の経過を見るのではないのか」「汚染水によるβ線熱傷の可能性の入院というのは 2011事故直後の2011/3/24以来、という理解でいいか」いずれも東電が認めましたが、マコさんの質問が無かったら、その重大さに気づけただろうか。今なお情報統制の最中です。
(まのじ)
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