[The Voice of Russia]NATOサミット、冷戦期への回帰を露骨に表現 〜軍事衝突に繋がる介入を行なう米国〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 ロシアの声から4つの記事を取り上げましたが、一連の記事の流れは、最後の4つ目の記事で基本的な事が押えられています。
 すなわち、プーチン大統領の和平プランは非常に中立的で評価出来るものであるのに対し、“ウクライナ東部での紛争が続くよう望む人々があまりに多く居るため、実現は困難だろう”ということで、米国は和平とは“実際は反対の行動をとっている”わけです。ただ、ロシアの冷静な対応から、直接軍事衝突が起こる可能性は無さそうです。
 追い詰められたアメリカは、1つ目の記事にあるように、“迅速な反応を行う軍事ブロックの創設”を目論んでいるようです。このようにアメリカは、和平どころか軍事衝突に繋がる介入を次々に行っています。しかしそれに賛同する国は、記事を見ても少ないようです。いずれこの連中の化けの皮が剥がされるだろうと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

――――――――――――――――――――――――
NATOサミット、冷戦期への回帰を露骨に表現
転載元より抜粋)
© Photo: AP/Charles Dharapak

© Photo: AP/Charles Dharapak


ウェールズで4日開催されたNATOサミットでは、過去20年で最もロシアへの敵対心がむき出しになった会合となった。これは議論の論調にも、採択を予定される決定にも表れた。

  ウクライナでの事件に追い込まれた米国は、これまでは公の場では政治的組織に終始し、軍事的側面を際立たせぬ立場をとっていたNATOの蘇生を性急に図った。

  総括ではNATOはウクライナのポロシェンコ大統領に対する、何の義務も負わない支援を表し、キエフ当局に対する金融支援の方策を練る。

専門家らは、NATO内にはウクライナへの軍事機器供給の是非については大きな意見の対立があると指摘している。独仏を中心とする西ヨーロッパはキエフへの軍事支援は不適切との見方を示している一方で、リトアニアのグリバウスカイテ大統領はNATOはウクライナに戦車および航空機を供給すべきと主張している。

 本サミットの中心テーマはいわゆる迅速な反応を行なう軍事ブロックの創設になる。この件についての決定は5日に採択される見込み。英国、デンマーク、ラトビア、リトアニア、エストニア、ノルウェー、オランダの7カ国は新組織への自国軍の参加に賛同した。NATO司令部の計画では新軍事組織は世界のいかなる地点においても48時間以内に展開が可能というもの。新軍事組織の展開が何よりもまずロシアとの国境線沿いに焦点が当てられていることは誰の目にも明らか。
――――――――――――――――――――――――
米国防長官 ロシアとの軍事衝突の可能性はない
転載元)

© Photo: AP/Pablo Martinez Monsivais

© Photo: AP/Pablo Martinez Monsivais


米国のヘーゲル国防長官は、米国とロシア間で、ウクライナ情勢を原因とした軍事衝突が起こる可能性はないとの考えを示した。CNNテレビが4日、報じた。

 ヘーゲル国防長官によると、ロシアは「従来どおり、ウクライナの緊張を高める非常に危険な行動を取り続けており、これらの行動はロシアに被害をもたらす可能性がある」という。

 一方でヘーゲル国防長官は、米国は「これを原因とした軍事行動、ロシアに対する戦争を行うことはない」と指摘した。

 ロシアは何度もウクライナ国内の紛争にロシアが介入しているという非難を否定している。欧米諸国やウクライナ側は、ロシア軍がウクライナ情勢に干渉していると報道しているが、その証拠は見つかっていない。
――――――――――――――――――――――――
NATO事務総長 ウクライナ調整プランを歓迎
転載元)
© Photo: AP/Olivier Matthys

© Photo: AP/Olivier Matthys


NATOのラスムセン事務総長は、プーチン大統領が提案したウクライナにおける危機調整プランを歓迎した。その際、事務総長は、プーチン大統領のプランをコメントし「まず第一に、直接ウクライナ領内で起きていることに意味がある 」と指摘した。ロイター通信が伝えた。


3日プーチン大統領は、ウクライナ東部での停戦と交渉開始を目的とした、7項目からなるウクライナ危機安定化行動プランを明らかにした。ロシアの専門家らは、大統領のプランを客観的でかつ中立的なものだと評価しながらも、ウクライナ東部での紛争が続くよう望む人々があまりに多くいるため、実現は困難だろうと見ている。
米政府は、プーチン提案を「状況安定化のためには不十分なものだ」と批判している。
――――――――――――――――――――――――
プーチン計画がウクライナに平和のチャンスを与える
転載元より抜粋)
© Photo: RIA Novosti/Aleksey Nikolskyi

© Photo: RIA Novosti/Aleksey Nikolskyi


ウクライナの戦火はおさまるかもしれない。停戦へのチャンスを与えているのはプーチン大統領の出した和平プランだ。大統領はドネツク、ルガンスク方面での紛争当事者双方の活発な襲撃行動を停止し、キエフ当局の軍事機構の武装部隊を都市および居住区に砲撃の届かぬ距離まで退却させることを提案した。

次のステップでは、「万人対万人」のフォーマットでの捕虜交換、停戦ゾーンへの人道回廊の開設、破壊されたインフラ、ライフライン施設の復興が、そして最後に休戦体制の遂行を監視する国際モニタリングの組織が提案されている。

CIS諸国研究所のコンスタンチン・ザトゥリン所長はこれについて次のように語っている。

「ウクライナには急進的勢力がおり、これはプーチン大統領、ロシアが提示する全てを受け入れられないという姿勢をとっている。これがたとえ人道援助であろうが、義勇軍の進軍を止める提案であろうが、変わらない。だがウクライナの軍事、経済状況は悪化の一途をたどり、冬を前に飢餓と暖房不足の瀬戸際に立たされている。ポロシェンコはこのことが自分自身に危険な要素であることを知らないわけはない。このことからプーチン・プランをキエフ当局が最終的には受け入れるというチャンスは大きい。

  ロシア上院(連邦会議)国際問題委員会副委員長で、ロシアEU議員協力の共同第1副議長をつとめるアンドレイ・クリモフ氏はプーチン・プランに対する西側の反応について次のように語っている。

米国はこの紛争を和らげることにさしたる関心を抱いていない。米国はこれを口にするが、実際は反対の行動をとっている。EUのほうはそれよりずっと状況に憂慮の念を感じており、袋小路から出る可能性をより歓迎するだろう。とはいえ、制裁をだらだら続ける姿勢はまだ見られるが。」

Comments are closed.