[The Voice of Russia]ロシアはシベリアで東を発展させる

竹下雅敏氏からの情報です。
 プーチン大統領は、極東、東シベリアの開発を考え、実態経済にお金を投じるようで、将来的にアジア太平洋地域諸国との貿易は、現在の25%から40%になるとのこと。雇用が創出され、経済は確実に発展します。
 株価だけを引き上げて経済は好調だと言っているどこかの国とは、全く違います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ロシアはシベリアで東を発展させる
転載元)
© Photo: Fotolia.com/Serg Zastavkin

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ロシアはアジア太平洋地域諸国をキー・パートナーと見なし、アジア諸国との協力推進は戦略的性格をもつ、と見定めている。2015年、ロシアの政策上の最優先課題は、極東および東シベリアの開発である。その一環で、ロシアは、中国、日本、韓国など、アジア太平洋地域を代表する諸国からの投資の呼び込みを活発化する。

ロシア極東のもつユニークなポテンシャルを、アジア太平洋地域諸国と相互に利益になるように活用するには、どうしたらよいか?ロシアAPEC研究センター副所長のグレブ・イワシェンツォフ氏は次のように語る。

「ロシアはアジア太平洋地域の新参者ではない。むしろかつても今もこれからもその一部である。アジア太平洋地域は経済・技術・イノベーションの中心地である。ロシアはそのアジア太平洋地域がもつ優位性を活用するべく努めていく。いまアジア太平洋地域も東シベリアもロシア極東も、地域の経済発展へ新たな一歩を踏み出すべき好機を迎えている。ロシア側の取り組みとしては、外国資本の極東への投下をやりやすくするような措置に着手している。企業への特典をもうけ、設備を構築し、物流拠点を作る。これらの仕事により、アジアと欧州の間に新たな物流の回廊が築かれ、また、それに劣らず重要なことに、新規雇用が創出され、ロシアの欧州部分に住む人が極東に移住するようになる


アジア太平洋地域諸国からロシアへの直接投資は2009年比で二倍になり、90億ドルに達している。一方でロシアからアジア太平洋地域諸国への投資は10億ドルにとどまっている。ロシアはこの不均衡の是正に努めている。これに一助を果たすことが期待されるのは、国家対アジア太平洋地域諸国経済関係発展調整センターの創設である。これにより、ロシアの参加する新たな投資案件がスタートすることが期待される。

アジア諸国と天然資源の宝庫たる東シベリア・極東は地理的に近接している。アジア諸国はエネルギー資源への需要を高めている。ロシア東部は経済の現代化を求めている。両者の思惑は合致しているのだ。昨年ロシアは中国と数十億ドル規模のガス供給合意(シーラ・シビーリを使った東ルートによる)を結び、東へ大きく舵を切った。これでロシア東部は息を(ガスを)吹き込まれ、露中のエネルギー安全保障は向上するはずだ。

現在ロシアとアジア太平洋地域諸国の貿易はロシアの総貿易の4分の1を占める。これがゆくゆく40%になる計画で、それへ向けた具体的な措置もとられている。その際、資源の輸出ばかりに頼らず、ハイテク製品を売り出したい。ロシア極東には税制上の優遇や行政手続きの簡素化を含む優先発展特区が創設されることになっている。そこでは諸企業が非資源輸出品を製造し、アジア太平洋地域諸国に優先的に輸出を行う計画だ。

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