注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
【筆者による要点まとめ】
何が一番危機的か
IHR改正の方は出席国の単純過半数で(簡単に)通ってしまうので、おそらくこちらが本命で、5月のWHO総会に焦点を合わせ、彼らは絶対にこのスケジュールを崩さない覚悟がある。
第2回の議連で「IHR改正案の最終バージョンはいつ出るかご存知でしょうか」との質問があった。IHR55条第2項には、(テドロス)事務局長は全ての修正提案の本文を、検討のために提出される保健総会の少なくとも4ヶ月前(2024年1月27日)までに全参加国に伝達するものとする、とある。条文に従えば、事務局長によって全ての締約国に成案が通知されていなければならない。
これに対する厚労省の答えは「すでに各国が改正案を提出済みで、そのことを以て条件が満たされる」という噛み合っていないものだった。「WHOの憲章にないので4ヶ月以内でなくても大丈夫だ。」
(10:57〜)しかし及川幸久氏は「間に合わないので、1月から5月の間にまとまったものを5月の総会に提出するという、締め切りが延びたことを示すWHOの文書がある。これは明確に第55条に反する内容ですね。」「WHOのテドロス事務局長自身がスケジュールに間に合わないことを非常に困っていた。なんとかこれをまとめないと、次のパンデミックに間に合わなくなると熱を込めて語っていた。」と厚労省の認識とは異なる現状を明かしている。
つまり、WHOは、1月の期限を勝手に延ばしていた。
これを裏付けるように、厚労省とすり合わせた外務省のスケジュール表を見ると、8月の段階、9月の段階、今年1月の段階で「改正パッケージ案」の提出期限と内容を徐々にすり替えている。
おそらく5月に改正案が出てきて、翌日のWHO総会決議でなし崩し的に「賛成」して終了、ということが残念ながら予想される。
もう一点、2022年5月に、59条の改正があった。これは留保・拒否の期限を半分にし、発効の期限を短くするものだった。
これはすでに発効している。
ところが、本来、総会の4ヶ月前までにWHO事務局長から世界の締約国に通知されるべきだが、それが無かった。
つまりこの改正は無効の可能性がある。フィリピンやオランダは認められないとしている。
4ヶ月の検討期間というルールが、すでに2年前の先行改訂でも守られていなかった。
しかもその最終案は、前日にA委員会で決められていた。
そしてその翌日に総会で決議していた。
さらに総会の決議にあたっても賛否の人数をカウントしていなかった疑惑がある。
その総会のA委員会議長は中谷比呂樹氏という日本人で、厚労省やWHOなどで活動し、現在はグローバルヘルス技術振興基金会長、これは「ゲイツ財団と非常に密接なところ」だ。
(21:29〜)では採決の時に会場がガラガラだったことがわかる。
A委員会の直前にはさらに非公開会議というものがあり、そこで案を固めたらしい。そこで出た9ヶ月案を10ヶ月にしたことを成果として総会で報告していた。
このように、WHOはずっとルール違反を繰り返していた。
厚労省の説明では、そういった内容を言わない、見せない。
全体像としては「今後、謎の疾病Xが起こる、AIでワクチンを1ヶ月でつくる、WHOがパンデミック条約で対応する、あわせて日本国内では感染症を含む緊急事態条項創設」というダボス会議の一連のシナリオが見えています。そのためにWHOは5月のWHO総会に照準を定め、なんとしてもIHR改正をやる覚悟のようです。こちらの動画では村上康文先生が「欧米ではメッセンジャーワクチンは絶対打たないという流れになっている。問題点が非常に明確になってきている。ということは、もう一年くらいこのステップを遅らせると、IHRの問題はうまくいかないと思う。今が重要。」と語られていました。しかし欧米に比して、肝心の日本の危機感は薄いようです。
前回第2回の議連で「IHR改正案の最終バージョンはいつ出るかご存知でしょうか」という質問に対して、厚労省からの回答は「すでに各国が改正案を提出済みで、そのことを以て条件が満たされる」という全く噛み合わないものでした。IHR第55条第2項によれば、(テドロス)事務局長は全ての修正提案の本文を、検討のために提出される保健総会の少なくとも4ヶ月前(2024年1月27日)までに全参加国、全ての締約国に成案が通知されていなければなりませんが、厚労省は「WHOの憲章に無いので大丈夫、WHOの法務部が解釈し判断した」という要領を得ない説明でした。
また外務省がネット上で公開しているスケジュール表は、気づかないうちに徐々に改正案の締め切りが先送りされ、内容も暫定案に変わっていました(13:21〜)。林千勝氏は「おそらく5月に改正案が出てきて、翌日のWHO総会決議でなし崩し的に『賛成』して終了ということが残念ながら予想される」と述べています。
もう一点、林千勝氏が気になる指摘をされました。2022年5月にIHR第59条の「留保・拒否の期限を半分にし、発効の期限を10ヶ月に短縮する」改正がなされ、これはすでに発効していますが、この決議に至るまでの数々のルール違反が判明しました。抗議する国々もあり、この改正は無効の可能性が高まっています。
井上正康先生は後編の動画で、狙われているのは危機感の無い日本で「日本にとって5月が関ヶ原だ」と話されていました。IHR改正の本当の狙いと危険に気づいている良心的な国会議員を当選させ、増やさないと、今後は日本国憲法の上位にWHOの緊急事態宣言が据えられてしまいます。