徳山 あすか
10日の参院選で与党が勝利し、憲法改正にリアリティが出てきた今、急にメディアを賑わすようになり、海外からも注目を集めている組織「日本会議」。スプートニクは、今年4月に発売されたベストセラー「日本会議の研究」の著者、菅野完(すがの・たもつ)氏に話を伺った。本稿では、インタビューの抜粋をお届けする。
スプートニク:ひとことで言えば日本会議とは何なのでしょうか。
菅野氏「メディアではよく、会員数約3万8千人の日本最大の右派系市民団体という風に表現されます。私も基本的には、その見方で間違いないと思っています。」
スプートニク:海外メディアではナショナリスト団体、
安倍政権を操る極右団体とも表現されています。右派系市民団体、という表現と温度差がありますね。
菅野氏「日本会議の主張(皇室崇敬、再軍備、憲法改正、外国人参政権の反対など)はとてもナショナリスティックです。一方、『安倍政権を操る』というのは、正確に言えば、そうとも言い切れない側面があります。
確かに安倍政権の閣僚の多くは日本会議国会懇談会という議員連盟に所属しています。その意味では日本会議が安倍政権に対し、強力な圧力をかけているのは事実です。
安倍晋三氏個人に対する影響力、これまでの付き合いの長さ・深さを考えると、日本会議は無視できない存在です。
しかし日本会議が自民党の強力な支持母体なのかどうか、という点で考えると日本会議の票数は大したことはありません。
国内外の圧力団体に比べると、組織としての力はきわめて限定的だと思います。日本会議の運動だけが安倍政権を誕生させたのではありません。」
12日、日本会議は参院選の結果を受け、オピニオンを公式サイトに掲載した。それによれば「憲法改正に前向きな政党が3分の2の勢力を確保したことは、国民の間の憲法改正への理解が表れた結果であると受け止めている。各党はこの民意を厳粛に受け止め、速やかに国会の憲法審査会の審議を再開し、改正を前提とした具体的な論議を加速させるべき」とある。
同サイトのトップページには、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」という団体のバナーがある。菅野氏によれば、
「日本会議」と「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、名称も所在地も異なるが、ほぼ同じ団体だ。田久保忠衛氏や三好達氏、椛島有三氏といったメンバーがどちらの団体でも主要ポストを占めている。美しい日本の憲法をつくる国民の会は、
日本会議が憲法改正運動を行うときに使う団体名称であると言える。菅野氏は「憲法改正の内容について言えば『あまり具体的ではない』というのが日本会議の特徴。それが日本会議を理解するための鍵になる」と指摘している。
スプートニク:あまり具体的ではない、ということで言えば、日本会議地方議員連盟のメンバーと話していると、日本会議の公式見解とギャップがあると感じています。個人的に話す限り、彼らは本当に日本のことを憂いているように思うのですが。
菅野氏「
憲法改正において、憲法何条をこういう風に書き換えるといった具体案は、両団体とも明確に出したことはありません。美しい日本の憲法をつくる国民の会は1000万の署名を獲得する運動をしていますが、
署名の際に配られる紙にも『憲法改正を求めます』としか書いていません。あまりにも多種多様な人々が日本会議の中に集まっているため、どの条文をどう変えるかを書くことができないのです。憲法九条を変えるのが先だという人もいれば、緊急事態条項を入れるのが先だという人もいて、会の総体としての意見を集約しきれていないのです。憲法改正をするのだ、という一致点だけがある。そのような具体性のなさが、ギャップという形であらわれてくるのだと思います。」
様々な思想をもつ人々が集まり、具体性のない改憲活動をしている日本会議。それにもかかわらず一万人規模の動員力があったり、一致団結することができるのは、彼らに共通するポイントがあるからだ。
菅野氏「有象無象の人々の集まりである日本会議の会員が最大公約数的に
一致できるポイントは『左翼が嫌い』『女・子どもは黙っていろ』という点です。ポジティブな運動をするよりも、ネガティブな運動をする方が人は団結します。とりわけ日本社会の場合はそうです。日本会議は公式サイトで、設立以前から2007年まで展開してきた運動を年表形式で公開しています。それを注意深く読んでみると、
彼らが運動と称するものは8割方、夫婦別姓や男女共同参画事業等、何かに対する反対運動なのです。これが日本会議の運動の歴史です。憲法改正もその延長線上にあると捉えれば、日本会議の意図や目標が透けて見えてくると思います。」
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ツイートによると、石原伸晃の親族である石原良純氏がフジテレビの番組で、鳥越さんの“信頼感が大きい”と評価したとのことで、“まさかの除名処分か”という笑い話になっています。番組を見ていないので、はっきりとしたことはわかりませんが、この発言だけでは支援を表明したと言えるものではないと思います。
しかし、すでに自民党の若狭勝議員が、小池百合子氏の応援にかけつけるという事態が起きているようです。どうやら、自民党がぐらつき出したのは確かなようで、まさに、世に倦む日日のツイートにある通りの展開になって来ました。
小池百合子氏にこの選挙戦の勝ち目があるとは思えないので、これは、自爆テロを自覚しての行為だと思います。やはり、噂されている通り、背後に居るのは小泉元首相ではないでしょうか。