[Sputnik]もしプーチン大統領と安倍首相が平和条約締結に成功すれば、それはノーベル平和賞に値する 〜 まともな政権が出来るまでの布石としては価値ある結果

竹下雅敏氏からの情報です。
 日露の平和条約締結は、“ノーベル平和賞に値する”わけです。こんな奴(あべぴょん)には必要ありません。今回の日露交渉の結果をロシア側の外交的勝利とする意見が多いようです。客観的に見てその通りかも知れませんが、私としては今回の結果はとても良かったと思っています。
 記事にある通り、“日本には…親米のベクトルは、まだあまりにも強大だ…それでも今回の会談実施を固く決意した安倍氏にしかるべき敬意を払う必要がある”という意見に賛成します。
 安倍政権では自立した外交はとても無理ですが、将来、まともな政権が必ず出来るはずです。その時までの布石として、今回の結果はとても価値があるものだと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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もしプーチン大統領と安倍首相が平和条約締結に成功すれば、それはノーベル平和賞に値する
転載元)
2016.12.18-1919-87563

© Sputnik/ Michael Klimentyev


プーチン大統領は、日本との平和条約締結について、二国間関係の最も主要な課題だとみなしている。また経済協力の発展も、この課題実現の道具になるに違いないと考えている。

プーチン大統領は「もし誰かが、我々が経済交流確立にのみ関心を抱き、平和条約を二義的なものとみなしていると考えているのなら、それは間違っている。私の見るところ、最も肝心なのは、平和条約の締結である。なぜならそれは我々に、歴史的な展望を持った長期的な協同行動の諸条件を創り出すからだ」と強調し、南クリルを「不和のリンゴ(争いの種)」から長期的な協力に向けた前進の要因に変えるよう求めた。

プーチン大統領の言葉によれば「安倍首相は、島での経済活動に関する特別な制度を作り、政府間合意を結び、協同行動のメカニズムをよく検討するよう提案したが、もし露日両国が、この安倍首相が提案したプランの方向に正しく進むならば」、これをベースに、平和条約問題の最終的解決を可能にするような諸条件を創り出すことができる、とのことだ。安倍首相も「北方領土4島」に対する日本の原則的立場は変わらないことを認めながらも、共同経済活動がこの立場を損なうものではないと認めた。

こうした事について、ロシア極東研究所日本調査センターの指導者、ワレーリイ・キスタノフ氏は、次のようにコメントした- 「安倍氏にとっては、この問題の解決以外に、それ以上高度な政治的決定はない。もちろん彼には、他の諸問題があり、目的や課題がある。今後の対米関係という問題もある。韓国や中国との間にも領土問題を抱えているが、そこでは、問題のいかなる解決策も見えていない。私の個人的な考えだが、もしプーチン大統領と安倍首相がいつか平和条約に調印するようなことになれば、それはノーベル平和賞に値すると思っている。」

露日最高首脳の委任を受けて、両国の外務省その他の省庁の専門家らは、南クリル4島における共同経済活動の形態と諸条件に関する問題の合同協議を開始するだろう。それらは漁業や養殖、観光、医療、エコロジーなどの分野に及ぶものだ。活動は、ロシアの法律を基盤に行われるが、何らかの共同管理のフォーマット作りが見込まれている。

ウラジオストク市議会のセルゲイ・コワリョフ議員は、クリルでの共同経済活動に関する今回の合意について「山に向かって前進する小さな一歩のようなものだ」とし、次のように述べている-

「島に特恵的な投資条件を伴う先進発展地区のシステムが広がれば、日本企業の投資を、特に、漁業加工分野にいち早く引き込むことができるだろう。またクリルの島々が持つ観光や学術研究センターとしての意義を忘れてはならない。有用鉱物の採掘や工業、漁業と並んで、リクレーション・クラスター作りを、協同行動の優先課題とすべきだ。日本政府の公式的立場がどうあれ、ロシア政府は、自主的にクリルと極東の経済的ポテンシャルを共に発展させる必要がある。」

また今回の露日最高首脳会談の結果について、モスクワ国際関係大学の専門家、コンスタンチン・ヴォドピャノフ氏は、次のようにコメントしている-

「具体的には今のところ何もないし、あらゆることがどのように形にされていくのか分からない。今回合意を、両国のエリートは支持するだろうか、まず第一に日本のエリートはどうだろうか。なぜなら国内で安倍氏の方針に異を唱える勢力は大変強く、日本には原則的に親ロシア・ロビーはないからだ。一方政治のおける親米のベクトルは、まだあまりにも強大だ。それゆえ、米国が不満であったにもかかわらず、それでも今回の会談実施を固く決意した安倍氏にしかるべき敬意を払う必要がある。この事は、対ロシア関係に突破口を開きたいとの彼の強い願いを物語っている。これは良いことだ。どのような場合でも、対話は、それがないより好ましい。ロシア大統領の日本訪問は、今回10年ぶりだった。交渉にとって大変相応しい時期である。現在、安倍氏が示している壮大なジェスチャーは、ロシアとの対話継続に強い関心があることのあかしだ。もちろんこれは、極東発展のために日本企業を呼び込みたい、東方における自分達の経済交流を多角化したいなど様々なことを欲しているロシアにとっても好都合だ。大統領が述べたように、深い経済協力のみが、領土画定問題解決を可能とするような信頼の雰囲気、そして基盤を創り出すことができる。二国間及び国際関係にとって理に適っているかどうかとの観点から見て、公正かつ基礎的にしっかりとそれを成すならば、そうしたものは必ずや創り出されるだろう。」

プーチン大統領の今回の日本訪問の成果となったのは、政治的信頼深化ばかりではなかった。露日の企業間で数多くの経済合意が結ばれた。それは原料資源分野での協力から、工業、ハイテク分野にも及んでいる。日本側からの投資の総額は、締結された契約だけでも、およそ25億ドルになる。

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